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【Nano-X Imaging Ltd.】5/11決算で何が起こったのか

noteでは初投稿です、はじめまして "ぺねろぺ" です。
NNOXが好き過ぎて関連する情報収集ばかりやってます。
※Nano-X Imaging Ltd.:NASDAQのティッカーシンボル "NNOX"

本当はAnnualReportの内容(NNOXの会社情報、事業計画から保有技術等)で初投稿しようと考えていたのですが、個人的に衝撃的な展開になってしまったので、先に5/11決算での出来事を書くことにしました。
さて、その決算で起こった出来事とは・・・。

今回は技術的な内容はさておき、規制当局の認可から製品出荷までの事業計画の部分にフォーカスして書きます。
この記事では株を「売り」、「買い」ということを言及するものではありませんので、ご理解頂きたく思います。

図も少なく味気ない文章が続きますが、お付き合いの程よろしくお願いします。

NNOXの事業計画

NNOXの製品「Nanox.ARK」というX線3Dトモシンセシス装置を世の中に出すためには、各国の規制当局の認可を得る必要があります。
まずターゲットにしているのは米国のFDA(アメリカ食品医薬局)の認可/承認を取ることとしており、中でも510(k)市販前通知の認可を取ることで進められています。後に欧州のCEや他の仕向地でも申請していくとのことです。
今回はFDAの認可/承認の種類や内容の話は省略します。

簡単に、下記の対象物に対してFDAに申請を出す予定になっており、これらがFDAに認可/承認された後に、製品を米国内で販売可能となります。
・X線源がシングルソースの撮像装置(Nanox Cart X-Ray System)
・X線源がマルチソースの撮像装置(Nanox.ARK)
・X線撮像装置で取得したデータを扱うクラウドシステム(Nanox.CLOUD)

上記のシングルソースに関しては4/1に見事510(k)の認可が下りました。
【参考1参照】
残る2項目の申請及び認可がどのタイミング行われるのか、会社が製品を出荷するタイミングに大きく影響を及ぼす為に注目されています。

では、この計画はどのようになっているのか、事業計画を見ていきます。
SEC(米国証券取引委員会)に提出された文章や、決算で話をされた内容から、事業計画の部分を以下にまとめていきます。
引用した資料は本note文末にリンクを記載しましたので、ご興味ありましたらご覧下さい。

IPO時の目論見書記載の事業計画(20年8月)

【引用1参照】
20年1月:
サードパーティーレビューでFDAの510(k)を申請
20年3月:レビュー組織より追加情報要求を受ける
(↓以下は予定として記載部分↓)
20年3Q:回答予定
20年4Q:マルチソースの申請予定
21年前半:Nanox.ARK製品出荷
21年後半~24年:製品出荷台数15000台目標

Annual Report記載の事業計画(21年4月)

【引用2参照】
20年9月:
レビュー組織に回答提出
更に第2の既存装置の情報要求を受けて、これも同月に回答提出
20年12月:レビュー組織がFDAに認可勧告
21年1月:レビュー組織を介してFDAから追加情報要求
同月に回答後、FDAより直接追加情報要求を受ける
21年3月:FDAに回答
21年4月:Nanox Cart X-Ray Systemが認可
(↓以下は予定として記載部分↓)
21年中:Nanox.ARKとNanoc.CLOUDに関してFDA510(k)申請
22年1Q:製品出荷台数1000台目標
24年末:製品出荷台数15000台目標

2020年4Q決算時の話(21年3月)

【引用3参照】
CEOの発言:

マルチソースも21年中に認可を得られることを信じる。
そのためは数週間内にFDAに申請を行う必要がある。
少しずれるかもしれないが、認可と製品出荷は21年中。
そして慎重に見て22年1Qに目標を移行した。
1000台分の部品はすでに確保し、準備が整った。

2021年1Q決算時の話(21年5月)

【引用4参照】
CEOの発言:

21年中にNanox.ARKとNanoc.CLOUDのFDAへの申請を進める。
コロナで韓国のサプライヤー遅延により22年1Qで1000台出荷は期待できない。
イタリアのサプライヤーで並行して供給を進める。
22年の間に1000台かそれ以上の出荷が出来るように着手する。
FDAにNanox.ARKの申請を行った後に、各地域の規制当局へ申請を進める。
最初の1000台は米国に送られる。
システムは5本のX線管であることを忘れないでほしい。
Cart SystemではガラスのX線管を使用した。
最終仕様のセラミックのX線管に対して安定性テストを行う必要があり、通常4~6週間かかる。
申請を行う前のタイミングでテストを行っている必要がある。
22年がゴールデンタイムになる。

以上が公で文章や話が出た内容になりますが、文意が間違っている可能性もありますので、もしお気づきの点がございましたらご指摘頂けますと嬉しいです。

どこに変化があるのか

情報がアップデートされる度に計画が変更されて来ており、IPO時の目論見からは大分遅延が生じてきました。

・シングルソース認可:約4ヵ月遅れ(21年12月→22年4月)
・マルチソース申請:半年以上遅れ(20年4Q→21年中)
・製品出荷:1年以上遅れ(21年前半→22年中)

今回の5/11決算においては、製品出荷時期を遅らせる話が出ました。最終的な2024年の目標値は変わらないとしていますが、直近の計画は大きく変わることになります。
加えてCEOの発言より、マルチソースにも5チューブ仕様と11チューブ仕様で、分けてFDAに申請を行う可能性があります。仮にその場合ですが、11ソースのリリース時期は現状語られていません。しかしRSNA2020にて11ソースでの断層画像が出てきたこともあり、開発は進められていると推測されます。

無題2

【参考2参照】

NNOXとの付き合い方

ここからは少し私見も含めて書いていきます。

当初マルチソースの申請は3月中に出されて、早ければ6~7月に…なんて想定をしていました。(FDAの審査期間は90日、追加情報要求後は30日)
年内に申請を行う、と語られていますが、やはりその時になってみないと分からないです。この辺りの話は、申請は今年で認可は来年となったとしても、来年に1000台出荷は達成できるので大きな計画変更ではない、という主張はされると考えられます。大事をとって出荷時期を伸ばしたとも語られているので、早くなることも可能性としてはあると思います。

計画変更が行われることに関して、新しい技術を採用している事もあり、検証や検討、様々な申請を必要とすることもあるでしょうから、仕方の無い部分はあると思います。しかし、中々投資家は内容を知る機会がありません。
これまでもそうでしたが、NNOXはカンファレンスやSECに提出した資料以外で中々情報を発信する機会が無いです。ですので、発信される数少ない情報に寄る所が大きいので、よく見ておく必要はあるかと思います。

数少ない発信の一つでCEOの発言がありますが、少し整合性が取れない部分も見られます。
また、表立った発言内容からは諸々の遅延理由はコロナとされていますが、質疑内容からは技術的であったり、FDAから要求されている可能性であったり、別なところにも課題があるのでは、と思わせる部分もあります。
曖昧な表現をする内容に関して、受け取り方として少々注意が必要と感じます。

何に問題があるのか、解決出来る内容なのか、どの程度の時間を要するか、明瞭な回答が無いことが多いので、詳細を把握することは難しいです。もし投資をされている方、これから考えられている方は、少なくとも今判明している大まかなマイルストーン(どのタイミングで、何のイベントが起こるか等)を自分の中でイメージされていた方が良いかもしれません。
やはり、所謂 "ストーリー銘柄" に類する物なので、ストーリーが崩れては…。

私はNNOXへの集中投資を一端は諦めましたが、投資していく事は諦めてはいません。(笑
継続的にNNOXの情報を追っていきますので、是非参考に頂けたらと思います。

次回はNNOXの基本的な内容や、魅力について語れたら、と思います。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました! (≧∇≦)

NNOXの事業が成功することを祈っています!

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参考資料、引用元リンク

【参考1】FDA 510(k) Database
K203782:Nanox Cart X-Ray System

【参考2】Invester Presentation
2021年4月

【引用1】Form F-1
IPO時の目論見書 2020年8月

【引用2】Form F-20
Annual Report 2021年4月

【引用3】Earnings Call Transcript
4Q 2020【前回の決算】2021年3月

【引用4】Earnings Call Transcript
1Q 2021【今回の決算】2021年5月

こんな私にコーヒー代でも、もし頂けるようでしたら…(ゝω・)-☆
有料設定はしていますが、後に続く文章はありませんのでご了承ください。

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