見出し画像

【Nano-X Imaging .Ltd】21年4Q決算

前回3Q決算時にNoteを書いて以来ですねw
その間にQTや金利引き上げの話、地政学の問題等、色々と相場環境が代わりに変わって、見通しが立たないNNOXの株価はみるみる下がることに…。
そんな中で今回の4Q決算が3/31に発表された訳ですが…
なんと…決算を境に急騰!🚀
どんな内容だったか、Earning Callの内容を纏めつつ状況を見ていきたいと思います。

例によって株の売り買いを示唆するものではないので、悪しからず。

状況まとめ(2022年4/6時点)

・韓国龍仁工場の生産開始式が開かれ、工場の稼働開始(4/5報道)
・現在までにNanox.ARKの注文を受けている6500台にキャンセルは無い
・2022年半ばでフル生産に移り、22年後半に数百台の出荷を見込む
(半導体は韓国、本体はイスラエルで組み立て)
・Nanox.AIと大規模な統合医療機関との間で契約が結ばれた
(他に平行して複数会話をしている)
・4Q決算で売上$1.3Mを発表(内訳 USARAD:$1M、Nanox.AI:$0.3M)
・成長率は50%、収益はUSARAD:$8M~9M/年、AI:$3M~4M/年を見込む
・2022年1月よりCEOがRan PoliakineからErez Meltzerに変わった
・Nanox.AIのGMにPiniBenElazarを起用
・2022年1月にFDAにQ-Subを申請
(現状明確な結果は出ていないが、継続的にFDAと会話は行っている)
・FDAの申請でde novoになる可能性は無い
・FDAの規制外地域への展開に向けて、規制当局への申請を近日実施

簡単にはこんなところです。
今年は製品を出して売上を伸ばし、成長の年になりそうですね。
重要そうな事項に関して、Earning Callでの発言を参照にしながら以下に纏めていきます。

Earning Call のTranscript

https://www.nasdaq.com/articles/nano-x-imaging-ltd.-nnox-q4-2021-earnings-call-transcript

売上に関して

今回の決算でNNOXは初めて売上を$1.3M計上しました。
内訳は以下の通りです。
USARAD :$1M
Nanox.AI   :$0.3M
CFOの発言から、4Q内の2か月分の内容ということです。
3Q決算までに発表した3企業の買収によってもたらされた恩恵です。
買収自体は母体のNanoxの商業化を合理化するために行われたとの話です。

医療画像の取得、分析、診断、それらのプラットフォーム
・Nanox:特許を有するX線技術、トモシンセシス装置
・Nanox.AI (旧ZebraMedicalVision):ディープラーニングの画像処理技術
・USARAD:遠隔X線診断のプロバイダー、診断技術
・MDW:分散型マーケットプレース、医者と診断者の取り持ち

年間の成長率は50%を見込んでいるとのこと。
年間収益の見込みは以下の通りです。
USARAD :$8M~9M/年
Nanox.AI   :$3M~4M/年
合計     :$11M~13M/年
Nanox.ARKが出荷されると、これにプラスで乗る形になります。
今年1年でどれだけ伸びるか、楽しみですね。

FDAや他の規制当局への申請に関して

22年1月にFDAに対してNanox.ARK(ver.2)のQ-Subを提出しています。
これは510(k)(市販前通知)申請の事前申請という位置付けです。
ですので、今後改めて510(k)を申請する必要が出てきます。
この事前申請を行うことでFDAよりフィードバックを受けて、後の申請を円滑に進めることが出来ると一般的に言われています。
Earning Callでの質疑であったのですが、フィードバックを受けるまでに通常は75日程かかるようです。
そろそろ77日位に…という質疑での指摘があったのですが、申請を出してから今現在までにFDAと会話が進んでいて、今後の申請に関してガイダンスが与えれて内容の修正が進められているとのことです。
その中で、Nanox.ARKを「新しい技術」とCEOが発言していました。
新しい医療装置の場合、510(k)の申請ではなくDe Novoという要請を行う必要があるのですが、CEOの発言からはDe Novoになる可能性は無い、とのことでした。
(De Novoの場合は多大な資料を必要として時間が掛かる)
FDAとの会話の準備に4~5週間掛かり、トータルで75日はかからないと思うが、正確にいつかは答えられない、というCEOの回答でした。
数か月内に510(k)申請に移り、22年後半には…との見通しだそうです。
近々起こされるアクションに注目したいですね。

FDAの認可が下りない限りは米国でのNanox.ARKの販売はできない訳ですが、今年中はFDAの規制外の地域での販売を行うとのことです。
勿論、FDAの規制外の地域でも各々で規制機関があるので、それぞれ承認を得る必要があります。
今ターゲットにしているのはアフリカ、中央アメリカ、ヨーロッパとのことで、恐らく商社とパートナーシップを組んだナイジェリアが最初かと予想されます。
年内に数百台の出荷を目標としているとのことで、近い将来に展開地域の規制当局へ申請を行っていくとのCEOの発言がありました。
日付は不明とも発言されていますが、まもなく発表を行うとも言っていますので、いつ申請を行って販売が開始されるか、楽しみですね。

韓国の龍仁工場や製造に関して

製造開始式を行ったと4/5に報道がありました。
昨今の半導体不足でサプライチェーンの問題が言われていますが、自社製造を行って安定供給出来るようになるために、工場稼働は非常に重要です。
製造の技術移管は完了して、22年半ばにフル生産に移る計画とのことです。
半導体は韓国で製造して、直近の本体組立てはイスラエルで行うようです。
将来的には韓国に移るような話も以前出ていたと記憶していますし、工場の拡張?のような話題もあったと思いますので、行く行くは集約する可能性もあるのかもしれません。
質疑の際に、以前の日本での製造時の歩留まり(不良率)は50%だったが、工場の製造能力はどうなのか、との質問がありました。
これに対してCEOは実際に製造する中で歩留まりは分かっていくが、過去に比べれば良くなっている、と発言しました。
歩留まり50%は非常に低い訳ですが、これに対してどこまで製造能力が高まっているか、製造コストに関わるので極めて重要です。
今後も、これに関連した発言には注意しておく必要はあると思います。

製造数のコミットは?との質問があり、4半期毎に数百台組立て対応が出来るとの回答でした。
3Q決算では22年に1000台出荷目標と話が出ていましたが、今回はその具体的数字が出てこなかったため、もしかしたら数が少なくなる可能性を秘めているかもしれませんね・・・。

大規模な統合医療機関との間で契約を締結

私が4Q決算の内容を見ている中で目を引いたのはこの内容でした。
3月上旬にNanox.AIと大規模な統合医療機関との間で、予防保全を目的としたソフトウェア(AIソリューション)提供の契約が結ばれたとのことです。
心血管疾患や骨粗しょう症の早期発見を目的としたもので、以前よりNanox.AI(旧ZebraMedicalVision)が取り組んでいたものになります。
心血管疾患に関しては7月からCPTコードが新たに設定される、冠状動脈カルシウムを医療画像より検出・診断する技術を持ち合わせています。
骨粗しょう症に関しても、1月にCPTコードが新たに設定されたものです。
開発してきた物が世に出る瞬間ですね。
ソフトウェアの実装はすぐに行われ、数か月以内に病院のネットワークに展開される、とのことです。
この医療機関の規模として、米国のトップ30・・・25に入る一つだとCEOは話しています。
更には、平行して複数の相手とも対話をしていて、そのうちの一つは既に契約を行った規模より更に大きいところだ、とも話しています。
AIソリューションはX線装置に次いで大きな柱ですので、早期に展開して規模を拡大し、画像診断の地位を築いてほしいですね。
これらの契約に掛かる売り上げが、別の質問で回答されていた売り上げ予想のAI:$3M~4M/年に入るのか、それとも別口になるのかも気になります。(数字が小さいので別であることを期待しますw)
直近のNNOXを支える稼ぎ頭になりえると思いますし、今後のNanox.ARKの展開にも影響を及ぼすと思うのでAIソリューションには期待しています。

おわりに

ようやく売り上げも出てきて工場も稼働して、NNOXが動き出しましたね。
2年・・・2年も待ちましたよ!!(笑
まだNanox.ARKの全貌は明らかにされていませんが、上記の通りの動きをNNOXが出来るなら、今年中に話が一通り出てくることになるので、非常に楽しみです。
ただ、まだ注意しながら見ていく必要のある部分もあるので、投資をする際には時には慎重になることも必要かもしれません。

まぁそうは言っても当初の目論見通り、安価で医療画像を取得して、更に遠隔やAIで診断が可能となるなら、医療測定機器分野でのゲームチェンジャーになり得るのでは・・・。
そんな未来を妄想しながら、私はNNOXを応援し続けています(笑

いつものことながら、まとまりのないNoteを最後まで読んで頂き、ありがとうございましたm(_ _)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?