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【Nano-X Imaging .Ltd】21年3Q決算を終えての状況は

8月にNanoxの技術的特徴やX線に関する基礎について纏めて以来のNote執筆です。
流石にさぼり過ぎましたねw
時間も開いたので、3Q決算までの内容も含めて今の状況を纏めようと思います。
今回は内容軽めに書きますね。

例によってNNOX株の売買に関して助言するものではなく、雑感も本当に個人の感想文です。
(相当バイアス掛かった感想文ですがw)

状況まとめ(2021年11/28時点)

・Zebra Medical、USARADの買収は完了(11/8に報道)
・買収を受けてZebra MedicalはNanox.AIに名称を変更
・RSNA2021にてNanox.AIとNanoxそれぞれブースを展開

(開催期間:11/28~12/2)
Nanox.AIは11/29(月)にプレゼン予定
Nanox.ARKに関して12/1(水)にバーチャルツアー、並びにウェビナー予定
初めてのマルチソース実物のデモ
・SECから召喚状を受けて調査されている(3Q決算時の報告内容による)
内容不明、組み立てコスト等の見積りを提出しているとのこと
(事業内容で書いているARKの価格に誇大表示の疑いとか?)
・Maas契約は6800件(3Q決算時の報告内容よる)
・2022年にNanox.ARKを1000台出荷目標(2Q決算時の報告内容による)
・FDA510(k)へのNanox.ARK(5マルチソース)申請は追加情報要求を受けて、現在までに再提出はしていない
6/17に提出の報道、8/19に追加情報要求の報道、リミットは最長2月か
・韓国で建設中の工場に関して、2022年2Qに生産開始予定(3Q決算時の報告内容による)
2Qで22年1Qに生産開始と言っていたと記憶しているので、恐らく現状の遅れは1Q分くらい
・直近の組み立てはイスラエルにて実施(3Q決算時の報告による)
・2024年末までに15000台出荷目標(2Q決算時の報告による)
工場立ち上げ遅れやFDA承認遅延の話が出ても、現状は最終的な目標に変化なし
・2022年1月からCEOがRan PoliakineからErez Meltzerに変わる(2Q決算時の報告による)
・FDAへの申請は、必要に応じて今後さらに出していく予定(3Q決算時の報告による)
Nanox.ARKの別バージョンも含めるが、現在計画されているのがどれだけあるかは不明

雑感

 個人の感想を書きます。
 元々のX線スキャンデバイスNanox.ARKにCloud管理やオンライン診断というサービスのラインナップ構想に対して、Zebra Medicalの買収によってオンライン診断(AI診断)の部分へ強力な肉付けが出来たなと感じます。ARK自体も元Sonyの技術を流用していることもあって、基本的には技術は買い物で済ませて、社会的な課題を解決していく道筋をNanoxが立てながら必要なアイテムを世の中に提供していく、という事業方針なのかと個人的には捉えています。(言い換えると、Nanox単体に開発力が無いとも受け取れますが)もしこういうスタイルであるとするなら、非常に効率的で上手い事業の起こし方だと思います。資本に物を言わせる経営手法と思いますがw
 Zebra Medicalの視点にたって考えてみると、画像処理のソフトウェア主体の企業で、医療機器メーカーと協力して事業を進めてきていますが、AI…というか機械学習には膨大な学習データが必要なので、Nanoxに買収されることによって「決まったプラットフォーム」の「決まったデータ」を集めることが出来る環境が整って願ったり叶ったりなのか、と推測します。もちろん、ちゃんとトモシンセシスの機能をするNanox.ARKが存在する前提ですが。加えてUSARADも仲間にいるので、診断の教師データのようなものも手に入るでしょうし、何かしらの症例と画像データの紐づけが加速することを期待したいですね。
 ただ疑問に感じる部分もあり、Zebra Medicalは医療コードを取得するくらいの先進的な技術を持っていて、しかも大手医療機器メーカーとの協業もやっているのに、これまでに誰も買収しなかったところ。技術的にまだ未成熟なところもあるのかな、なんて。であれば未成熟企業同士、仲良く技術構築頑張っていく、という利害の一致で今回の買収に、とあれば納得できる部分も。医療のAI診断は色々な大手企業も手を付けているので、競争相手が非常に多いと思いますが、ベンチャーとしての強みを発揮して欲しいところです。
 もともとのNanox単体であるとX線装置事業が本当に成り立つのか、怪しさが爆発していましたが、今回の買収を通して少し疑念が薄まったのではないかな、と考えています。わざわざ泥船に乗らされるのは良しとしないでしょうし。楽観的でしょうかw
 CEOのRanがこれまでの決算で、発言が二転して計画が大幅に遅れたりと色々ありました。内情を知る由もないですが、技術屋さんってそうそう計画通りにいくってなかなか無いよな…と自分の経験よりw 年が明けるとCEO交代しますが、冒頭に書いた事業方針を打ち当てることが出来るのは「技術屋」のRanならではだろうな、と思います。これまで彼が関わったPowermatやSixAI、武蔵AIの動きから察するに。ErezはAI Dayや3QのConferenceを見るに、「経営者」であって「技術屋」ではないでしょうから、展望に関する発言が控えめに感じます。Ranは交代すべきだ、と米国のインフルエンサーがしきりにTwitterで発言をされてるのを見て、Nanoxが発展するためには「いや、そうじゃないだろう」と私は思います。しかし、Ranは別事業の立ち上げを現在行っているようで、そちらに専念するために引いたのかな、と思います。これによって、Nanoxの事業成長の限界値が狭まったりしないか心配をします。

 結局長々と書きましたが、まずはRSNAでのデモンストレーションでどんなものがお目見えするか、楽しみにします!
 

参考までに、直近の3Q決算時のConference Callのリンクを張ります。

参考:NNOX 3Q Earnings Conference Call Transcript

https://seekingalpha.com/article/4470275-nano-x-imaging-ltd-nnox-ceo-ran-poliakine-on-q3-2021-results-earnings-call-transcript?utm_campaign=twitter_automated&utm_content=article&utm_medium=social&utm_source=twitter_automated

参考:Transcriptの和訳


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