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インゴ・スワン「リアル・ストーリー」(80)

ASPR でのレセプションの後、私はディナーやパーティーへの招待を何十も受け取るようになった。知らない人からのものも多かった。みんなこの奇妙な噂話の混ざり具合がどんなものか知りたかったのだろう。

人々が私を彼らの限定的でステレオタイプな概念に当てはめようとするのを見て、私は少し面白くなった。そして、そのどれにも当てはまらないようにできる限りのことをすることで、ちょっとした復讐をした。

もうどの服も着られなくなったので、古着屋で「新しい」服を買い、どこに行くにも大胆に着ていった。それらは宗教服、警察服、軍服の類のものが多かった。私はそれらを普通の服と混ぜてディナーやパーティーに着て行った。私は異常者だと思われていたので、そのように自分を見せるのは楽しかった。

レセプションの後、私は間違いなく変わり者とみなされた。それまでは、変わり者とみなされないように一生懸命努力していたのに、完全な変わり者になってしまったのだ。そこで私は自分に言った。「どうせ変わり者なら、人の目を気にせず、ありのままの自分でいよう」

そして私は、さまざまな奇妙な服装で人前に出るようになった。しかし、やりすぎたわけではなく、普段の服装に目立たない要素を加えた。

ブロッドは私が「衣装」にハマっているのを見て、彼の第二次世界大戦時の軍服が詰まったダッフルバッグを2つくれた。彼はやや太っていたが、その服は私にぴったりだった(私がもっと太るまでは)。

心の中で、すべての否定的および肯定的な噂からいくらか解放されたような気分になった。それは私がいつでもなりたいものになれるように私を解放してくれた。これまでは慣習的な基準に自分を従わせていた。私はこの新しく見つけたアイデンティティの自由を満喫した。

この服装スタイルの変化には、予想外の大きなご褒美があった。

私の「衣装」のおかげで、以前はほとんど拒絶されていた社会階層に突然受け入れられるようになったのだ。つまり、ニューヨークのアーティストの領域に受け入れられたのである。彼らのほとんどは、とにかく過激な服装や行動をする傾向がある。

しかし、この新しく見つけた「自由」の中でも私は、否定的でばかげた噂が私を ASPR から、そして最終的には超心理学の世界から追い出すために作られていると感じた。

ゼルダとルースはいくつかの噂の起源を突き止めるのを手伝ってくれた。成功した例では、しばしば超心理学者が見つかり、場合によっては他の超能力者も見つかった。

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