ホイットリー・ストリーバーは、自分がUFOに拉致されて手術のようなものを受けたと主張し、エイリアンによる誘拐(アブダクション)の被害者であると主張する一方で、
「かれらのわたしに対する仕打ちがどうあれ、わたしはビジターたちを憎んでいない」と述べ、彼のベッドの脇に立った小さな人物たちのことを「善良な軍隊」と呼んでいる。
さらには、「ビジター」の再訪を心から待ち望むようになるのである。
そして1994年にブルックリンハイツのアパートに滞在していた時、不意に侵入してきた「ビジター」に背中から抱きつかれるという奇妙な体験をしたという。
1987年に「コミュニオン」を出版してから、ストリーバーは「ビジター」との再会を熱望していたが、同時に、催眠療法によって幼少期のトラウマが蘇り、強迫観念のような恐怖心の虜になっていたようだ。とりつかれたようにUFO関連の資料を漁り、他の「誘拐」被害者たちと交流しつつ、「ビジター」たちとの間接的な接近遭遇を繰り返していた。
これは私の個人的想像だが、「ビジター」がストリーバーの「後ろから抱きつく」という"暴挙"に出たのは、再会したいというストリーバーの熱望に応えつつ、正面から「彼女」(抱きついたのはストリーバーが最初に遭遇した「彼女」である)を見た時の恐怖心に配慮したからではないのだろうか?
ストリーバーの描写はこう続く。
そして「彼女」は行ってしまった。
私がこの描写に注目するのは、以前の記事で紹介したマイケル・ウルフの証言と一致するからであり、また別の機会に紹介しようと思う別の接近遭遇事例の内容とも一致するからである。
ちなみに、ストリーバーはこんなことも書いている。
これは彼が猫を連れて「ビジター」の乗り物に乗った時の事を言っている。
猫を連れて乗り込んでいるところからして、そもそも誘拐(アブダクション)だったのか、という疑問は残る。
私がストリーバーの接近遭遇記録を読んで抱いた感想は、以前にも述べたが、「ビジター(グレイ)」側は最大限に人間の側に配慮して接近しているのだが人間の側の恐怖心が建設的な交流の障害となっているのではないか、ということと、グレイはハグのような肉体的接触をとても好むということだ。
彼の以下の見解には私も同感である。
非人間知性(NHI)との接近遭遇のうち、具体的な肉体的接触というのは最も強烈な体験であり、体験者に「オントロンジカル・ショック(存在論的衝撃)」をもたらすことは明らかである。
オントロジカル・ショックは通常は心理的不安やトラウマを引き起こすと考えられる。ディスクロージャーを否定する論理の中には、人類にオントロジカル・ショックを与えることへの懸念が正当化として用いられることも多い。
しかし、ジョン・マックの研究でも明らかなとおり、ストリーバーをはじめ、このような体験を経た人々は、ほとんどの場合一時的なショックを経験するものの、見当識障害や発狂といった重大なダメージは受けていない。
ストリーバーもまたディスクロージャーに肯定的であり、最新のARRO報告書に見られるような米国政府(ペンタゴン)の秘密主義を批判している。
現在も自身のYoutubeチャンネルなどで積極的に情報発信しているストリーバーは、ディスクロージャーの動きを追いかける中で今後も要チェック人物であることは確かだ。