見出し画像

なぜアイマスのPは名刺交換をするのか

アイマス関連のライブ会場に行くと、P(アイマスにおけるプレイヤー、お客さんの意)たちが「名刺交換」をしている場面を見かけることがあります。

プレイヤーはアイドルをプロデュースするプロデューサー。つまり仕事でアイマスをやっているので、自分のことを表す名刺を作り、担当アイドル(要は推しキャラ)をプレゼンしたりしているわけです。

まったく意味がわからないですよね。
本当に気持ち悪い。


うるせぇ!!!!
そんなことわかってやってんの!!!!
ほっといてよ!!!!!!!


取り乱しました。

で、私も毎回ではないですがライブで名刺交換をすることがあります。
なぜ名刺交換をするのか?
理由は人それぞれあると思うので、あくまで私個人の意見として。
私が名刺交換をする理由、それは

アイマスのオタクとアイマスの話をしたいから

以上です。





終わってしまいました。
さすがに短すぎるので、もうちょっとだけ続きます。


人は誰しも「好きなもの」を持っている。
それは単純な娯楽やエンタメであったり、
ときにはドス黒くネガティブな「他人に言ったらドン引きされるようなこと」だったりもする。
そして多くの人間は自分の「好きなもの」を「誰かと共有したい」と思っています。

「オレの趣味はオレだけのモンだぜ!誰にも渡さねぇガハハ」という方もいるかもしれません。そんな方には今回のお話は共感できないかと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました。

で、「趣味を共有したい」と思っても、周りに自分と同じ趣味を持つ人間がいるとは限りません。
寧ろよっぽど流行してるモノでもない限り、いないことのほうが殆どです。
ネットやSNSの普及で錯覚しがちですが、あんなものは所詮偽物です。騙されるな。

私はけっして友人が多いタイプではないですが、そんな数少ない友人たちも、趣味趣向がそれぞれ違います。
私と共通の趣味を持ってはいても、すべてが合致するわけではない。
特撮を知らない人もいれば、アイマスを知らない人もいる。

「自分の好きなものを相手も自然に好きになってくれる」のが理想ですが、それはなかなか難しい。
私の大好きなワンピースを「アレって陽キャの読み物だろ」ってレッテル貼りしてた友人が、何かのアプリで無料公開してたときに全話読んでドハマりして、「銀斧ってモーガンのことだよな」って言い出したときは嬉しくて涙が出るほど笑いました。銀斧はモーガンじゃないと思う。

でもこんなことは、やっぱり稀で。

そんなとき、どうするか。
多くの人は「布教」をします。

友人と「漫画やゲームの貸し借り」をした経験のある人は多いと思います。
ところが人間、とくにオタクという生き物は少なからず「自分が好きになるものは自分で見つけたい」という感情を持っている。
そのため他者から紹介されたものに対して「押しつけられたものフィルター」が発生してしまうことがあります。
「自分から見つけたわけじゃないけど、紹介されたから仕方なく触れてみるか」と一枚壁のある状態からスタートしてしまう。能動的に触れたときとは違う、本来の楽しみ方ができない場合がある。
めんどくせぇんです、オタクって

そしてオタクは性格が捻くれてるので、紹介されたものを面白いと感じても「ま…悪くなかったよ」とか言っちゃいます。ホントは大好きなのに、素直になれない。ツンデレか?

こうなったら大成功。
素直に「面白かったよ」って言えるの、大事です。
私も借りた漫画を自分で買った経験はいっぱいあります。なんなら借りたゲームのサントラを買ったこともある。自分で見つけたわけじゃない悔しさみたいなのもあるけど、変な意地張らずに快楽堕ちしたほうが絶対気持ちいい。好きなものが多ければ多いほど、人生楽しいに決まってるもの。

ただ、もし布教されたものが面白いと感じなくても「つまらなかった」と言うのはやめましょう。
「自分には合わなかった」くらいにしとくといいです。
誰だって好きなものを悪く言われるの、悲しいから。


ここで漸くアイマスの話に戻ってきます。
アイマスはどちらかというと比較的「布教」に向いている。
現在のメインが基本無料のソシャゲだからです。
が、そこから広がるコンテンツの量が膨大すぎる。
その"先"に行くのは正直ハードルが高いです。

「ライブ」はその最たるもの。
「ライブだけは行ったことない」というP、いっぱいいると思います。
なんたって現実の舞台上にいるのは"キャラクター"ではなく"声優さん"だから。
それにライブの雰囲気自体が「合わない」という人もいます。
あと場所の問題とか、チケット代とか…気軽に「おいで」とは言いづらい。

布教成功しても、誘いづらいです。ライブって。
同じものを好きでも、「好き」の度合いが人によって違うから。
勇気を出して誘っても、断られちゃうこともある。
断るのも、断られるのも、ちょっと悲しい。
でも、しょうがない。
だから誰も誘わずひとりで行くことも珍しくないです。


ライブ会場に行くと、当たり前だけど自分と同じ趣味を持つ"仲間"がたくさんいます。
こんなにいたの〜!?どこにいたの〜!??教えてよ!!!って嬉しくなりますよね。

でも、だからって気軽に周りの人に話しかけたりはできません。
そんなことしたら完全に不審者です。
稀に隣の席の人と話したりすることはあるけど、やっぱり滅多にない。
周りは全員仲間なのに、どこかで孤独感を感じてしまう。誰かと「共有」したかったな。そう思ったことのある人も多いんじゃないでしょうか。


そんな願いを叶えてくれるのが「名刺」です。
通販番組みたいになってきた。

「名刺」があると周りのオタクと話ができます。
2daysなら1日目の話を2日目にできる。
もちろん全員ではないし、全体から見たら少数派なんだけど、名刺交換をしているPは思った以上にたくさんいます。
「ライブ会場にいる知らない人と気軽に話ができる」
こんな経験をできるコンテンツは、ちょっと他に思い当たりません。

私も大概コミュ障ですが、このときばかりはいっぱい喋ります。
なぜなら周りは全員アイマスのオタクだから。
そして殆どの人は、ライブに来る程の熱量を持つ能動的に触れたオタク。そんな人たちと話す機会、日常生活ではそうそうない。(友人に勧められて、という人ももちろんいます)
カードケース持ってもじもじしてる子がいたら話しかけるし、目が合ったら「おいで」します。
恥ずかしがってる場合じゃない。チャンスを逃してはいけません。
もう二度と会えないかもしれないんだから。
目の前のその人が次のライブにも来てくれて、こうして会える保証はない。

別にお友達になる必要なんてないんです。
話した相手の顔なんて覚えてないし、相手もこっちの顔なんて覚えてない。
それでいいと思います。
偶然その場に居合わせた相手とほんの少しの数分、数秒を「共有」する。それが楽しい。
顔も声も覚えていなくても、もらった名刺が手元にある。
ライブ中に「この曲聴きたいって人いたな。嬉しいだろうな」なんて思い出す。
それくらいの感じでいいじゃないですか。
いやお友達作りに行ってる人もいるのかもしれないけど。まあそれはそれで。
あくまで私個人の意見です。


長々と書きましたが、べつに名刺交換を推奨しているわけではないです。
どう考えても変なことしてるし、頭おかしいのは自覚してるので。
興味のある人はやってみたらいいし、ない人はやんなくていい。
ただこんなことを思いながらやってる人がいるよ、という話でした。

ここで印刷会社の広告とか入ってたら完璧なんだけどな〜。


私はあなたの名刺を待っています。

おいで。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?