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怒りの矛先

壁を磨いていたらふと思い出しました。
(思い出してばっかりだ・・・)
曲がったことが許せない、はらだのたいぞーさんと
同じ誕生日なのは関係あるかどうかわからないのですが

許さん!!
と、必殺仕置き人よろしく
変な正義感が頭をもたげ

20代の頃はよく突っ走ってたようであります。
電車で奇声を発する女子高生にSUICAカードを目の前にかざし
う・る・さ・い!

って言っちゃったこともありますし
(鳩豆ってこういう顔なんだ!って顔してました)

危ない追い越しかけた車を
追っかけてって回り込んで止めて
危ねぇじゃねえか!って怒ったり
(言われたにいちゃんは震えてました)

そんな私のことをよく知っていた配偶者さんは
私の怒りスイッチが入ると、避難するのはいつものことでした。

ある時、朝、電車に乗ろうとしたら(たまたま一緒に出ました)
おばちゃんが、列を横入りした上にぐいぐいぐいぐい押してくるのです。
いやいや、危ないなー
と、思いながらおばちゃんを見つめているその私の顔は
きっと般若のようだったのでしょう

さっきまで隣にいた配偶者さんは
いつのまにか、列のはるか後ろの方に移動していきました。

きっと、私が凛!と、おばちゃんをたしなめちゃうんだろう!
って思ったんでしょうね。
ところが、私はあまりの怒りに、脳波停止状態に陥りました。

人間とは、面白いもので、極限に達すると想定外の行動をするらしく。
ぐいぐいぐいぐいと、人を押しながら電車に入ろうとするおばちゃんを
周囲の人たちは止めることもできず、ぎゅうぎゅうの寿司詰め状態で
身動きもとれないし、とても困っている様子でした。

瞬間、私は何を思ったのか

「入口付近が大変混みあっておりまぁす。
押し合い、へしあいは大変危険です。車両内は
空いておりますので、ゆっくりと中ほどへお進み
くださぁ~い」

と、あの、駅員さん独特の声色で
みなさんに語り掛けてしまったのです。

すると、皆、へ?
駅員さん?・・・かな?きょろきょろ・・・どこかな?
という表情をしながら、静かに中に進みはじめました。

私は気づかれないように、いっこく堂よろしく
口をあけないで声をだし、顔の表情も一切変えなかったので
私の横にいた人ぐらいしか気づきませんでした。

横にいた人も、この人?だよね。今の。みたいな表情で
私を一瞥したあと、首をかしげながらゆっくり中に進んでくれました。

私も、みんなと同じように、わざときょろきょろしながら
配偶者さんの所在を確認すると

列の一番後ろで下を向いて肩を震わせていました。

電車が駅に到着してから、二人は合流しました。

人の波が途切れて、車両にいたと思われる人々も
散り散りバラバラになった頃

「笑ってたでしょ?」

と、言うと

「おかしすぎるでしょ。まさか、そうくるとは!」

と、大喜びでした(喜ぶなよ)。

「だってさ、あそこで怒ったらかえってパニック状態になって
みんなが感情的になっちゃったら危険でしょ?ぜったい
おばちゃんに怒りをぶつけるよ。顔がみんな怒ってたし。
でも、駅員さんの言うことなら、みんな聞くぞ!と、閃いて
真似してみた」←真似は得意らしい

「よかったねー。特技が役に立って」

とまあ、そんなことを、壁をすりすりお掃除していたら
思い出しました。押されてへばりついた電車の壁と
重なったのかもしれません・・・

最近は理不尽な人をみても、イカらなくなりました。
鶏肉のおかげです。
ちなみに、正義感隊長だったときは、毎日肉・肉・肉
豚・牛・牛・牛・豚
鶏なんかたべるもんか!あ、バンバンジーは好きだけど。

という食生活でしたから、かなり獰猛だったように思います。
(いや、刺激されるとね・・・普段はぼーっとしてましただ)

コロナ禍では、こんなことも起こるはずもなく、ソーシャルディスタンスという、人との距離を保たなきゃ条例が、もはや暗黙のルールとなってますので、何を先急ぐのか、の、ぐいぐいおばちゃんも登場せずにいてくれる状況だと思います。

きっとこれからも満員電車問題は、緩和されていくでしょう。

危ないからね、押しちゃだめだよ?


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