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『薬屋のひとりごと』原作小説のススメ

アニメも漫画も大流行中の『薬屋のひとりごと』だが、まだまだ原作小説は読まれていないのかもしれない。惜しい。それは惜しすぎる。だって、小説は現時点(2024/3/5)で14巻まで出ているが、アニメの内容は小説2巻まで、サンデー版の漫画は小説4巻まで、スクエニ版の漫画は小説3巻の内容までしか進んでいない。

原作小説は14巻まであるんですよ!まだまだ何倍も話が続くんですよ!アニメの7倍ですよ!
読もうよ、ねえ。

『薬屋』はラブストーリーをベースに繰り広げられる秀逸なミステリー小説であるとともに、それぞれ魅力的な登場人物の成長の物語でもある。つまり青春小説とも言える。ここでは皆んな大好きなキラキラ皇子、壬氏を各巻ごとに検証してみよう。



壬氏の成長まとめ(ネタバレほぼなし)

[後宮編 一巻〜四巻]

1巻:キラキラ宦官。猫猫とアンジャッシュ風味なコント職人の才を見せる。
2巻:キラキラ。アンジャッシュ再び。恋してんな、おまえ。
3巻:まさに傾国。美人of美人。からのキラ通り越してギラギラな一面。
4巻:決意の男。甲冑似合いすぎ。かっこええ!!!身分をカミングアウト。

[西都、そして異国の陰謀編 五巻〜八巻]

5巻:仕事漬けの男。身分と美貌ゆえに苦労する男。ジェラシーぎらぎらな野犬。
6巻:ひたすら働く。猫猫の前では悪戯っ子風味。
7巻:働く。働きすぎでおかしくなっとるんか?ヤケクソ決意表明する男。
8巻:策士やな。もうあんた作中でいちばんヤバい奴やん!!!狂っとる!

[西都と蝗害編 九巻〜十二巻]

9巻:道中も仕事が大変。徐々に天然小悪魔ぶりを発揮する猫猫にメロる。
10巻:裏方気質な実は地味男。仕事頑張る。
11巻:復興頑張る真面目男。
12巻:思いやり深まる。愛が深まる。

[王都編 十三巻〜]

13巻:グイグイいく男から、相手を慮る愛が深い男へと成長。
14巻:慮り男。天然小悪魔に心乱されつつも、我慢の男。


以上。グイグイいってた我儘おぼっちゃまが、愛の深い大人の男へと成長していく様を読んでほしい。キラキラ→相手にされなくて不憫→グイグイ行くやん→頭おかしいって→頑張り屋さんね→おまえめっちゃ優しい奴やん!!!と、ますます好きになるから!

追記:他にもこんな男前たちが

  • 李白:コイツこそ漢だ!!!強く優しく、馬鹿っぽく見えて頭が切れる。きっぷが良くて男前。ただ絶倫っぽいので凡人には無理かもしれない。

  • 高順:大人。気が利く。賢い。武に長けているらしい。尻に敷かれても幸せ。良い旦那だ。

  • 馬閃:力持ち。強い。真っ直ぐ。正直。ちょっと馬鹿だが愛すべき馬鹿。純情。可愛い。

  • 馬良:コミュ障だけど有能。とても有能。意外と愛もある。

  • 陸孫:無害な優男のフリして謎の多い男。掴みどころがないくせに、どんな時でも頼りになる。幸せになって欲しい。

  • 羅漢:変なオジサンだけど、世界一の純愛男と呼ばせてもらおう。

  • 羅半:見た目はアレだけど、天才だし、意外とモテるし、美しいものが好きすぎるだけで、考え方が公正でちょっと尊敬できる。

  • 羅半兄:普通っぷりが天才。普通っぽいのに誰よりも有能。この人といれば一生食いっぱぐれない。顔も良い。ツッコミも上手いぞ。色々と不憫だけど。

誰を推しても楽しめる、なんて楽しいお話なんだろう。いつか本編が終わっても、作者の日向夏先生には一生この人たちのスピンオフを書き続けて欲しい。
それにしても日向夏先生はお若そうなのに博識だ。中華圏の文化から、薬草、食、農業、歴史背景に至るまで(登場する国々は架空だけど、歴史好きじゃないと想像できない設定)、細かいところまで博識。そして長いストーリーなのに伏線回収がスカッと気持ち良いところが読んでいて快感。

原作小説、読もうね!!!JR東海とのコラボも原作小説とのコラボですよー。しのとうこ先生のイラスト、素敵ですよー。



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