一目惚れで好きが溢れて恋の予感…?
由:まだ寝てんの?
気持ちよく夢の世界に移住している中。
その世界を壊そうとする姉が部屋に来た。
でもそんなこと僕は気づかず、まだ夢の世界の中。
由:おーい。起きろー。
◯: …
由:ねぇ、起きないの…?
◯: …
…
由:もうなんで…恥ずかしさ我慢してモーニングコールしてあげてんのに…
んん、さっきからうるさいな…
せっかく世界カラオケ大会で優勝しかけてたのに…
開けたくないまぶたをゆっくり開けていく。
◯:って、あ、由依姉…?
由:あっ。おはよ
◯:あ、うん。おはよう
由:私のモーニングコール無駄にしやがって…
◯:モーニングコール…?
由:あぁもういい!うるさい!ばか!あほ弟!
まって、寝起きだからなのか話が掴めない。
◯:いや、え、どうした?
由:はぁ…私がモーニングコールしたらすぐ起きて
〇:え、あ、うん。ごめん…?
由:まぁかわいい寝顔見れたしいいけど…
…ほっ?
由:かわいい寝顔の写真も撮れたし…あとでロック画面にしようかな…
ぶつぶつとなにか言いながら部屋を出ていった。
僕の寝顔が由依姉のロック画面になる…?
・
由:おはよ。降りるの遅かったね
リビングには母さんと由依姉。
由依姉は朝ご飯を食べ始めていた。
◯:あ、うん。おはよう。
由:はい、隣おいで。
隣に座り美味しいご飯を食べ、
食べ終えると同時にスマホからLINEの通知。
" 今日こそは一緒に登校できるよね?"
〇:あっやば!ちょっと行ってきます!
由:えっ、ど、どうしたの?
由依姉の声に返答せず家を出た。
昨日も一昨日も一緒に登校できなくて怒らせた相手がいる。
これ以上怒らせたら、色々めんどい、と思う。
別に付き合ってないんだけどなぁ…
・
〇:ごめん、お待たせ…
美:遅い…30秒遅刻…すごい心配しちゃったじゃん…
〇:30秒でしょ?
美:世の中的には30秒でも、私の心の中では1週間ぐらい長かったの…!
決して付き合ってない、幼なじみの美青。
ずっと一緒にいるけど、少しわがままっぽいところがある。
そこもかわいいんだけど。
〇:いいから学校行くよー
美:あ、ちょっとまって!
手ではなく腕に、美青の腕が絡みついた。
腕を組んじゃったら…カップルじゃんか!
美:いいよね…?嫌って言って欲しくないけど…
〇:別に言おうとしてな、
由:なにしてんの?
…
〇:よし。学校行こっか!
由:いや無理だから。
ですよねー…
ちょっと嫌な予感しまくりなんですけども…
由:で、この方誰?どなた?どういう関係?年齢は?どこまでしてるの?姉に承諾も取らず?ねぇ?
〇:質問が多いんですけど…
由:いいから説明して。
由依姉の後ろから鬼神のようなのが見える…
隣にいる美青に視線を移すと…
美:きゅんっ…
…
ほぉ…?
なんか、ときめいちゃってますけど…?
由:はぁ…ねぇ、あなたどなた?〇〇との関係は?
美:えっあっ、お綺麗すぎる…//
由:なっ…な、なにいってんの…?
美:かわいいと綺麗が混ざってて、あの、なんというか、す、好きです…!!
…えぇっ!?
なんか、え、なんか、告白しちゃってる…?
2人とも顔真っ赤だし。
なにこの状況…。
由:っ…もういい…はい〇〇お弁当…!
僕に強くお弁当を押し付けて、走って行ってしまった。
まだ隣の人は目がハートになってるし。
どういうこと…?
・
時は流れてお昼休み。
由依姉に渡されたお弁当を食べようと、
由:ちょっと〇〇いる?
えぇ…?わざわざ弟のクラスきてなんだよ…
〇:え、なに?
由:お弁当持って空き教室行くよ
〇:拒否権なし?
由:もちろん。急いで。
言われた通りお弁当をもって由依姉の後ろについて行った。
はて、どこに向かってるのやら。
・
由:失礼しまーす
〇: …って、美青!?
美:あっ…また貴方に会えた…嬉しい…笑
空き教室には美青がちょこんと座っていた。
まさかこの2人が関わる日が来るとは…
由:ま、ご飯食べながら色々話そっか
美:ぜひ…私でよければお話したいです…
〇: …なにこの雰囲気。
…
〇:ん、うまっ
由:そっ。当たり前だけどね
〇:あ、このお弁当作ったの?
由:うんまぁ…そうだけど…?
美:いいなぁ…こんなお綺麗な方の手料理食べれて…私も別の世界線だったら食べれてるのかな…どうにかこの世界線でも食べれたりしないかな…?
ぶつぶつなんか言ってるよ…
由:ねぇ…この方なんなの?
〇:んー…由依姉に一目惚れしたとか?
由:えぇっ!?
美:大きい声出してる姿すらも愛おしい…!
ほら。一目惚れしてるっぽい。
めっちゃ、恋する乙女全開!って感じだし。
〇:あ、美青。この卵焼き食べる?
美:えっ、いいの!?
由:ちょっと〇〇、
〇:はい、どうぞ
渡した卵焼きを美青は、大事そうに震える箸で掴みながらゆっくり口に運んだ。
美:んっ…美味しすぎる…天才です!最高です、美味しすぎます!ミシュラン星100個です!
由:褒めすぎ…//
あっ。由依姉が照れてる!?
美:あ、あのお名前とかって聞いても…?
由:小林由依です。
美:由依さん!なんと素敵な名前…
由:あなたこそお名前は?
美:的野美青です!美青って呼んで欲しいです!
由:えーっと、みお、ちゃん…?
美:あはぁぁ…っ……とろけちゃうぅっ………。
顔を隠して悶えてる。
こりゃあ…本当に恋しちゃってるのかもな。
由:で、〇〇と美青はどういう関係?
美:幼なじみです!
由:ふーん。付き合っては?
美:ありません!
由:そっ。ならよかった。
いいのかはわかんないけど僕が答える合間がなかった。
美:私も質問あります!
由:ん、なに?
美:由依さんは、彼氏や彼女はいますか…?
由:いないけど…
美:あ、よしっ…!
なにかを決めたように美青は立ち上がり
手を挙げて由依に、強く言った。
美:私、由依さんの彼女に立候補します!
…
〇:だめだ、まって、もう一回言って…?
由:う、うん。もう1回…
美:えーっと、なので、
美:私!由依さんの彼女に立候補します!
だめだ、ちょっともう僕は手をつけれない。
目を見れば本当に思ってそうだし…
由:えーっと。私が彼氏ってこと?
美:はい!もう、あの、ほんとに好きです…!
由:んー、嬉しいんだけど…
美:私じゃだめ、ですか、?
今度はうるうるしたような瞳で見つめている。
由:だめというか、
美:私、由依さんの傍にいたいです…今すぐにでも結婚したいです…それぐらい好きなんです…!
由依の目の前に行き、しゃがみながら上目遣いで見つめている。
傍から見てるだけでとてもかわいい。
由:えーっと…友達からは…?
美:とも、だち、由依さんと、とも、だち、?
美:えっ、いいんですか!あの、もう、ほんとこんな私ですけど友達でよければ、友達にぜひ、!
由:じゃあ、これから友達としてよろしくね?
美:はい!や、やった、由依さんと友達になれた…!
とりあえず一件落着…かな?
由:あ、来週の土曜日空いてる?
美:はい!無理やりでも空けます!
由:よければ買い物行かない?
美: …それは2人きり…ですか…?
由:もちろん2人きり。
美:そ、それって、も、もはや、
由:うん、まぁデートかもしれないね。笑
美:きゃっ、あっ、ぷしゅーっ…。
あれ、ショートしちゃってない?
違う世界に飛んじゃってそう…
由:おーい、みおちゃん大丈夫?
美:大丈夫です!ただいまです!
由:で、デート行く?
美:い、いきます、!いつか、付き合った時の、れ、練習だと思って、!
由:うん、じゃあ連絡先交換しよ?
美:あ、はい!ぜひ!
…なんか僕、取り残されてない?
仲良くなったっぽくてなによりだけど…。
美:って、ロック画面〇〇じゃないですか!
〇:えっ?
由:あっ、ちょっと言わないで…!
〇:え、ほんとにしたの!?
美:〇〇、今日からライバルってこと…?
〇:うぇっ?
美:〇〇に由依さんは渡さない!
〇:いや、僕の姉なんだからね!?
そして、幼なじみと姉の距離が縮まっていき
付き合い始めるかもしれないのは、もう少しあとのお話なのかもしれない。
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