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嫉妬しがちな可愛い彼女との1日

ひ:もう〇〇なんて嫌い!

〇:あっそ。ひかるが嫌いなら俺も嫌いだよ。

ひ:なんでそんなこと言うの…

〇:最初に言ったのひかるだろ…

ひ:もういい!〇〇なんて"だいっきらい!"

そういい ひかるは寝室に閉じこもってしまった。

ひかるの頬に光る物を見て、俺の心は落ち着きを取り戻した。


はぁ、、やりすぎちゃったな…

ひかるに怒ってる訳じゃなくて素直になれない自分に怒っていた。

でも、その怒りをひかるにぶつけてしまった。


なぜこんなに大喧嘩をしているかというと

遡る事1時間前


・・・


濡れ髪で少し顔が火照ってたひかるが僕の膝の上に小さく丸まって座っている。

お風呂上がり姿のひかるは何度見ても可愛い。

鼻歌を歌う姿を後ろから見ながら

やっと少し慣れてきた手つきで髪を乾かしている。

〇:はい。乾いたよ

ひ:ありがと。乾かすの上手くなったよね

〇:そう?でも、まだ師匠様には敵わないよ。笑

ひ:ふん!私に勝とうなんて100年早い!

自慢顔で誇らしげに言う姿が愛おしくて自然と笑みがこぼれてしまう。

〇:見た目は小学生だけどね。笑

ひ:なっ!小学生って!…せめて中学生でしょ…

〇:幼いのは認めるんだ…笑

ひ:少しなら自覚あるし…


ここでツッこんでくれたらいいんだけど、いじけてしまうと罪悪感に襲われてしまう。

ひ:未だに年確されるし…

ひ:買い物してると

「あの子おつかいかしら、偉いわね…」

ひ:って会話してるの丸聞こえだし…


ひかるは1度落ち込むと、どんどん沈んでいく一方。

少しメンヘラ気質があるのだと思う。

そこも可愛くて好きなんだけど。笑

〇:ひかるは幼くないよ。大人な綺麗な女性だよ

ひ:絶対思ってないじゃん…

〇:本当に思ってるよ

ひ:棒読みすぎる… 〇〇だって幼いと思ってるんでしょ!

〇:思ってないって!

ひ:なんか今日の〇〇信じれない…

えぇ、なんでだよ…

本当に思ってるんだけどな…



ひ:あーあ!アイス食べちゃお!

少し心にモヤモヤが残ったけど、深呼吸をして心の中の空気を入れ替えた。

俺もアイス食べよっかな。


ひ: …ない


〇:ん?どうかした?

ひ:アイスがない…

冷凍庫を覗くとアイスは一つもなかった。

〇:あ、ほんとだ。アイス買いに行かないとね

ひ:そうじゃなくて!私が買ってずっと楽しみにしてたアイスがないの!

〇:昨日食べたんじゃない?

ひ:食べてない!すっごく楽しみにしてたのに…


ひかるが食べてないなら、アイスはどこ行ったんだ?

可能性があるとしたら…あっ、まさか…


〇: …どんなアイス?

ひ:棒についててソーダ味のアイス!

、、たしか今日家に帰ってきてアイス食べたよな…

あ、ソーダ味だったわ…


〇: …ごめん。食べちゃった

ひ: 、、、、、、、、、

〇:ほんとにごめん。

ひ: …許さない

そうだよな、、数時間前の自分何やってんだよ…!


ひ: …絶対アイス許さない。

ですよね、、明日絶対買いに行かないとな…




ひ: …私とアイスどっちが好きなの…?


〇:え、?


ひ:だから!私とアイスどっちが好きなの!


必然的に上目遣いになっているからか

可愛さの威力がダイレクトに心臓にきてしまう。

あっぶな、、後ろに倒れるところやった…


ひ:聞いてる...?

〇:あ、うん!ひかるの方が何倍も好きだよ

ひ:なんでそんなに棒読みなの…

〇:棒読みじゃないでしょ…

ちゃんと心を込めて言ってるんだけどな…


ひ:私よりアイスの方が好きなんでしょ!

〇:そんなことないよ。ひかるの方が好きだって

ひ:うそ!アイスの方が私の手料理より美味しくて、アイスと私でもアイスの方が優先順位高いんでしょ!

〇:なんでそうなるの!?俺はひかるの方が好きなんだって!

ひ:もっと心込めて言ってよ!

〇:込めてるって!本当に思ってるよ!

ひ: …今日の〇〇信じれない。

なんだよ、それ、、彼氏の事信じれないのかよ…

〇:意味わかんないだけど…

ひ:私のセリフだよ…


気まずいとは違う、少しの怒りの沈黙が流れている。

ここで大人になって空気を切り替えれば良かったのに怒りをもっと口に出してしまった。



〇:この際だから言うけど色んなものに嫉妬しすぎ。

ひ:え、なに、?

〇:今だってアイスに嫉妬してるんでしょ?普通に意味わかんないじゃん

ひ:そりゃあ嫉妬するでしょ…嫉妬しない〇〇の方がおかしいよ

〇:いや、なんで嫉妬してないと思ってんの?

ひ:だって全然嫉妬してる素振り見せないし

〇:はぁ。口に出さないだけで嫉妬はしてるよ。

ひ:じゃあお互い様じゃない?

〇:え、どこが?

ひ:お互い嫉妬して、私は口に出してるだけ

〇:じゃあ出さなかったらいいじゃん

ひ:なに、私が我慢すればいいの?なにそれ。



〇:、男性に嫉妬するのはいいとして、物に嫉妬は意味わかんない。

ひ:例えば?

〇:動物に可愛いって言うぐらい許してよ。食べ物に嫉妬とか余計に意味わかんないし。

ひ:それは、、じゃあ〇〇も口に出せばいいじゃん!

〇:いや無理でしょ。嫌だし。

ひ:なんでよ!私は全部受け止めるよ!

〇:受け止めるとかじゃなくて!俺が嫌なんだよ!

ひ:じゃあ私の嫉妬も受け止めてよ!

〇:受け止めてるじゃん!でも、物はしょうがなくない?嫉妬するなら人までにして欲しいんだよ…



ひ:無理だよ…好きなんだから、これが私だから…




〇: …なに俺が悪かったの?

ひ:そうじゃなくて!〇〇が悪いんじゃなくて、、私が悪いんだと思う…

〇:なにそれ、俺が悪者みたいじゃん…


ひ:〇〇は私の事嫌い…?


〇:別にそうは言ってないじゃん…

ひ:じゃあ好き...?

〇: …どうだろうな…

ひ:なんでよ、好きって言ってよ…

こんな状態で言えるわけがない。

本当は”好き”って言葉じゃ足りない程好きなのに。

素直になれずプライドが邪魔している。


〇:もう好きかわかんないや。


ひ: …え?ほんとに...?

〇:うん。わかんない

ひ: …なんで…


ひ:もう〇〇なんて嫌い!

〇:あっそ。ひかるが嫌いなら俺も嫌いだよ。

ひ:なんでそんなこと言うの…

〇:最初に言ったのひかるだろ…

ひ:もういい!〇〇なんて"だいっきらい!"

そういい ひかるは寝室に閉じこもってしまった。

頬に光るなにかがあったのを見て、俺の心は落ち着きを取り戻した。


はぁ、、やりすぎちゃったな…

ひかるに怒ってる訳じゃなくて素直になれない自分に怒っていた。

でも、その怒りをひかるにぶつけてしまった。


頭の中で 大嫌い が何回も再生されてしまう。

…大嫌い……大嫌い………大嫌い…………


深呼吸をする気にもなれずこの同じ空間にいるのが嫌で外に出ようとした。

玄関まで来て靴を履こうと思った。

思ったけど、、



ひ:っ.…….ぅ.....ぐすっ.....〇〇っ..…..




声を殺しながら泣いている声が玄関にまで聞こえていた。

靴を履く手を止めてしまった。

必死に溢れそうな涙をせき止めてまた靴を履いて外に出た。


・・・


秋の風は少し肌寒くてTシャツ1枚で来たことを後悔した。

でもこの風が涙を乾かしてくれて、少しは後悔を減らせる気がした。

呼吸をする度に、僕の怒りは徐々に空気となって消えていき

その代わりに冷たい落ち着いた空気が心を徐々に埋めていった。

でも、心が、体が、寒くなり家に帰ろうとした。


でも、手ぶらで帰るのも気が引けて 謝罪と感謝を
両方込めてコンビニに寄った。


〇:帰ったらちゃんと仲直りしないとな…


・・・


玄関に入ると、もうひかるの泣き声は聞こえなかった。

今度は、ちゃんと深呼吸をして気持ちを整えるように靴を脱ぎ寝室にいった。



〇:ひかる、入ってもいい?

ひ: …勝手にすればいいじゃん…

〇:うん、じゃあ入るね


寝室に入ると、ひかるは毛布にくるまっていた。


〇:ごめん、さっきは言いすぎた。

ひ: …え?

〇:好きなのかわかんない。って言ったけど、本当は
今もずっと ひかるが好きだよ。


ひ: …ばかっ、、っ、、


ひ:ばがぁぁぁ……っ……ぅあ……!



声を上げて泣きながら俺の胸に飛びついてきた。

〇:うわっ、ちょ、びっくりした…笑

ひ:ぐすっ、、ほんとに嫌われたと思ったじゃん…!

〇:ごめん。ほんとにごめん。1ミリも嫌いじゃないよ。大好き。

ひ: …私だってずっと大好きだし……っ、、!

優しく頭を撫でながらハグをした。

俺の心の気持ちも全部伝わるように、優しく。

優しく。強く。ハグをした。



ひ: ごめん、服濡らしちゃった…

〇:ううん。大丈夫。ひかるだって泣いてたんでしょ?

ひ:え!なんで知ってんの…?

〇:泣いてる声聞こえてたし


〇:目めっちゃ赤いし。笑

ひ:え!うそ!恥ずかしいんだけど…

目も真っ赤で頬にも乾いた涙の跡があった。

それだけ 泣いてたんだな…



ひ:ん、その袋なに?

〇:あ、そう!はい、さっきはごめん。


袋から ひかるが楽しみにしてたアイスを出した。

ひ:え、、買ったの?

〇:うん。食べちゃってごめん

ひ: …ううん。買ってくれたから許す!笑


〇:ありがとう。笑

ひかるがまた笑ってくれた事が何より嬉しくて安心した。

ひ:あれ、〇〇の分は?

〇:俺はいいよ。ひかる食べな

ひ:えぇ、それはなんか… あ!一緒に食べようよ!

〇:え、いや、いいよ。笑

ひ:だめ!食べるのー!

半ば無理やり口に入れられた。

〇:っ、、うまっ。笑

ひ:ほんと!私も食べよ。 …っ!うまっ!笑

寝室には数十分前の空気感は一切なくて、いつもの笑顔の空気感に満ちていた。



〇:ほんと、さっきはごめんね。

ひ:もう謝るの禁止!もう許したし!

〇:そう、なら良かった。笑

ひ:あ、でも…


ひ:これからも色々な物に嫉妬しちゃうけどいいかな…?


〇:うん。笑 いくらでも嫉妬していいよ。嫉妬してるひかるも好きだから。笑


ひ:良かった。笑  …いや、良くないよ!嫉妬させないように頑張って!

〇:あ、そうだね。笑 嫉妬させないように頑張る。笑

ひ:それなら良し!



ひ:もうひとついいかな…?

〇:ん?

ひ:できれば、私達の愛を確かめたいなぁ…って……

〇:ん?愛を確かめるって、何するの?笑

ひ:あーもう!ばかっ!


ひかるに押し倒され強く口付けをされた。

〇:んっ… ひかる…?

ひ:私を寂しくさせた分、責任取って沢山甘えさせてよね…!

〇:んっ…っ… ちょっと呼吸が…



ひ:んっ… 今日は寝かせないから覚悟してね… んっ…


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