ハロウィンは、僕達の想いを近づける日でした。
今日は10月31日
仮装したり、パーティーで夜は賑わう日。
でも僕の地元は、都会ほどハロウインがイベントになっていない。
まぁ、ちょっとしたイベントはあるが。
でも、僕には関係ないはず。
ないはずなのに…!
〇:なんで僕も、バイトしなきゃいけないんだよ!
ひ:そんなん言ってもしょうがないじゃん。
〇:ひかる1人でやれよ…
ひ:幼なじみ1人にやらせるつもり?ありえなーい。
僕の地元では、仮装をして、イベントに参加しているカフェやスーパーなどに行き
"お菓子をくれなきゃイタズラしちゃうぞ!"
と言うと、お菓子を貰える。
という小さなイベントをしている。
そして、うちの学校もそれに参加していて…
そのバイトに…なぜか…僕までも…巻き込みを…
校門前で、なぜ…こんなことを…!
ひ:ちょっと!
〇:は、え、なに。
ひ:ぼーっとしすぎ。ちゃんとして。
〇:いや、よくできるよね?バイトっていってもほぼ、ボランティアだよ?!
ひ:そんなん関係ない。街のイベントなんだから。
どんだけ真面目なんだよ…
〇:ばーか。
ひ:あーほ。
〇:どーじ。
ひ:のろーま。
〇:メガネザル。
ひ:はぁ?バカにしすぎでしょ。言い訳魔人のくせに
〇:あ、うっざ。ちーび。
ひかるが僕を見てきたので、少しドヤ顔をしたら
〇:いっだぁぁ!
ひ:ん?なんか言った?
〇:なんでもないわ…
足を全力で踏むなよ…歩けなくなるかと思ったわ…。
よくそんな笑顔でいられるよな。怖いわ。
??:あ、ひかるさーん!
ひ:ん!愛季ちゃん!こんばんは。
あ、近くの幼稚園の子か。お母さんと一緒にか。
幼稚園生の制服も、かわいいな。
愛:ひかるさん
愛:お菓子くれなきゃ、いたずらしちゃうぞっ!
ひ:かわいい…!はい、お菓子どうぞ。
愛:ありがとっ!ひかるさんも、可愛いよ〜!
ひ:ほんと?照れちゃうなぁ。笑
愛:じゃあ、またね!ひかるさん!
ひ:うん、またね!ハッピーハロウィン!
お母さんと小さく会釈して、手を振った。
〇:あの仮装、かわいいな。
ひ:うん、かわいい。
〇:まぁ、ひかるも似たようなもんか。
ひ:ふーん。それは、どういう意味かな?ねぇ?
はい、目が笑ってないです。
〇:ごめんなさい。
ひ:はい。ほら、来たよ。
??:こんばんは…。
〇:あ、こんばんは…、?
なんでよりによって、静かな子なんだよ!
ひ:ん、あ!瞳月ちゃん?
瞳:あ、は、はい…。そう、です…。
ひ:黒猫かわいい!似合ってるよ!
瞳:あ、ありがと…うございます…。///
顔が、みるみる赤くなってく…。
瞳:あ、あの…〇〇…さんっ!
瞳:お菓子くれなきゃ、いたずら、しちゃうぞっ!///
なっ、これはやばい…、ちょっと…
〇:かわいすぎる…。
ひ:…なっ…。えっ…。
瞳:恥ずかしい…です。///
〇:あ、お菓子どうぞ。
瞳:やったっ…〇〇さんから、お菓子貰えた…!
この街に、こんな可愛い子がいるとは…
この街も捨てたもんじゃないな…。
瞳:〇〇さん、私、黒猫似合って…ます…か?
〇:うん、かわいいよ。
瞳:えへへっ。やったっ!ありがとうございます!
〇:いえいえ。ハッピーハロウィン。
瞳:はい!やった、〇〇さんと話せた…///
優しく手を振りながら、帰る姿を見ていた。
瞳月ちゃん。か…。
これは贔屓案件だな。
ひ:なに、気持ち悪いこと考えてんの。
〇:考えてないわ。
ひ:瞳月ちゃんね、可愛いよね。
〇:うん、可愛い。好きかも。
ひ:ふ、ふーん。へ。へー!い、いい、よねっ、!
〇:え、だ、大丈夫か…?
ひ:うるさい。ほら、そろそろ忙しくなるよ。
〇:あ、うん。
ひ:黒猫…瞳月ちゃんが…かわ…いいっ…。ばかっ…。
・・・
めっちゃ忙しかったんだけど…。
空も若干暗くなってきて、片付け作業に入った。
2人だと手が回らないぐらいの人が来て、瞳月ちゃんの後から休み無しで動いたぞ…
でも、バイト代なし…。
ぜったい、二度とやんないわ…。
…あれ、てか、ひかるどこいった?
ひ:〇〇…どうかな…?
〇:え、?ど、どうしたの…?
や、やば。ギャップ萌えというか…なんというか…
ひ:かわいいかな…?
〇:う、うん。かわいいよ。
ひ:そう、よかった…///
な、なにこれ…。心臓が掴まれたような…。
ひ:瞳月ちゃんと、どっちが可愛い…?
〇:え?
ひ:だから…!
ひ:瞳月ちゃんと、どっちが可愛いの!
〇:そりゃあ…ひかるの方がかわいいよ…
ひ:そう、やった。笑
黒猫ひかる、ほぼチートじゃん…。
ひ:あ、そうだ。〇〇。
〇:ん?
ひ:お菓子くれないと、いたずらしちゃうぞっ!
〇:やっば…かわいい…。
ひ:はっずかしっ···///
〇:あ、はい。お菓子どうぞ…
ひ:ん、ありがとう。笑
〇:、なんで、猫になったの…?
ひ:えっ。それは…そのぉ…
指をいじいじするのも、かわいい…
ひ:瞳月ちゃんに…嫉妬したから…かな…?
〇:嫉妬?
ひ:あーもう!
ひかるは大きく1歩前に出て、僕の胸の辺りに来た。
ひ:〇〇は私だけ見てればいいの!
〇:え?
ひ:隣にはずっと私がいるし!そこら辺の人より〇〇の事ずっと愛してるし!〇〇以外見ないから!
ひ:〇〇も、私だけをずっと!見てればいいの!
ひかるの発した言葉に理解が追いつかず、瞬きの
回数が増えた。
ひ:あっ···///
〇:ど、え、?
ひ:まぁ、そういう事だからっ!
〇:え?ど、え?
ひ:あーもう!ほっっんと、ばかっ!
徐々に暗くなっていく空の下
夕焼けに照らされた僕たちの影は、重なっていた。
黒猫が背伸びをして、キスする姿は
まるで、猫のひかるが人間になったような
そんな、おとぎ話のワンシーンに思えた。
ひ:ん、まぁ、これが私の想いだから!
〇:じゃあ…同じ想いだったんだね。
ひ:え、それって…
〇:好きじゃなければ、こんなバイト途中で逃げ出してたわ。
ひ:そ、そう!じゃあ、これからも、よ、ろしくね?
〇:う、うん!そう、だね!よろし、く!
ひ:う、うん。
少し気恥ずかしくなって、急いで片付けを進めた。
でも、嬉しかった。
パーティーも仮装もしてないけど
僕には今日が、とんでもなく幸せな
最高のハロウィンの思い出になった。
ひ:来年も一緒にバイトしようね?
〇:ん、まぁ、いいよ。ひかるもいるなら。
ひ:じゃあ約束ね。来年も一緒に過ごすってことで。
〇:うん、来年も黒猫してな。
ひ:絶対に嫌だよ!
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