秘密の関係で内緒の…ねっ…?
天:おっはよー!夏鈴っ!
少し肌寒い教室。
雰囲気も落ち着いてる中、彼女の声がクラス中に響いた。
恥ずかしいからやめて欲しいんだけど…
夏:おはよ。
天:課題やってきた?
夏:もちろん。
天:さすが夏鈴〜。見せてっ?
まただ…
高一の時から高二の今でも、ずっと課題見せてっ?って…
夏:はい。貸してあげる。
天:ありがと。やっぱ夏鈴は優しいね!
夏:しょうがないからってだけ。
天:ふーん。ほんとは?笑
小悪魔っぽい笑顔で、私の顔を覗き込んでる。
…可愛すぎて軽く目がやられる。
夏:うるさい。早く課題写して。
天:素直じゃないとこも可愛いよ!
夏:ばかっ、学校で言わないでって…!
天:えぇっ?別に、かわいいぐらいよくない?
夏:だめなの…恥ずかしいじゃん…
天:やっぱ可愛い。笑 あっ保乃だ!おはよ〜!
あぁ、行っちゃった…
天は人気者だから友達も多い。
そういうとこが好きなとこでもあった。
でも、今ではちょっと、寂しい。
友達と一緒に笑う姿を見るだけで、心が締め付けられて、あぁやっぱり、私、
『恋、しちゃってるんだな。って…』
私と天は、2人だけの大切な秘密を
気持ちを、共有し、
付き合っている。
・
天:おーい、かーりーんー!!
夏:うわっ。びっくりした…
天:ぼーっとしてどうしたの?
気づけば、お昼休みだった。
あれ、私授業中なにしてたっけ…
天:一緒にご飯食べよ?
夏:あっ、うん。
天:お腹すいた〜!いただきます!
食べるのはやい…
机をくっつけて、私も食べ始めた。
一緒にお昼ご飯を食べるのも、付き合い始めてからはできるだけ毎日している。
まぁ、これぐらいなら友達でもするし…!
天:今日、私の家でお泊まり会しない?
、、、
夏:ごめん。私の耳悪くなったかも。
天:えぇっ!?大丈夫!?
ちょっと大丈夫じゃないかも…
夏:お泊まり会って…言った?
天:うん。今日私の両親いないから。する?
夏: …え、いや、でも、
天:しようよ!ほら、お泊まりデート!2人っきりって、もう二度とないチャンス!
夏:ちょっとここで言わないでって…!
天:えっ……お泊まりしたくないの…?
そんな寂しそうな目で見てこないでよ…
ずるい、断れるわけないじゃん…
断る気もなかったけど…
夏:いいよ。お泊まり、したい…//
天:ほんとっ!やった、なにしよっかな〜。笑
普通のデートも何回かしたことあるけど
緊張で心臓が持たなかった。
それがお泊まりって…2人きりって…
もう、熱さまシート持ってこうかな…。
夏:はぁ…平常心保てるかな…
・
天:ねぇ、夏鈴はお泊まり会でなにしたい?
夏:わかんない。
今は帰り道。
天の家に、一緒に向かっている。
天:即答で言わないでよ〜
夏:したことないし。
天:私も〜。まぁ楽しもうね!
夏:あ。熱さまシート持ってない…
天:ええっ!?熱あるの?大丈夫?お泊まりやめて家に帰って安静にしよ!
夏:え、まって…!
天:ん?
夏: …お泊まり会…ちゃんと、やりたい…。//
恥ずかしくなって目線を下にしちゃった。
数秒経つと、天の優しい笑い声が少し聞こえて
顔を覗き込まれた。
天:顔赤いね?笑 かわいい〜!撫でていい?
夏:もうっ…!いいから行くよ…//
天:そんな照れなくていいのに〜。笑
ばかばか…
なんでこんな恥ずかしいこと言ってんの…
・
夏:お邪魔します…
天:どうぞどうぞ〜
靴を脱ぎ、ゆっくり1歩ずつ進んでいく。
私今…好きな人の…家に…
恋人の家に…
普段住んでる所に…入ってる……
どんどん心拍が、早くなっていくのがわかった。
天:はい、ここ私の部屋。先入ってて!
夏:えっ。あっ、うん。
ドアが閉まる音。
ここが普段天がいる部屋…
呼吸してて、過ごしてて、寝てる、部屋。
ベッド…ダイブとかしちゃう…?
でも、だめだよね…
いや、でも…今しかできないかも…
だからって……
いや、やろう…!
1.2.3.でいく、ダイブする…!
夏:よしっ…いち、にっ、さ、
天:夏鈴!熱さまあったよ!
夏:あっえっ…!?ちょっと、あ、うん、ありがと…!
天:ん?どうかした?
夏:いや…大丈夫…!
あぶなかった…あと0.5秒でも遅ければ私…
呼吸を整えてると、前髪になにかが触れて
直後に、おでこに冷たい感覚が走った。
天:よし。これで大丈夫!
夏:えっ…あっ、ありがと…//
天:あれ顔赤い…ほんとに大丈夫…?
夏:大丈夫大丈夫!それよりお泊まり会しよ…!
天:あっ、そうだね。なにしよっかな〜
熱さまを貼ってるはずなのに、顔が熱かった。
でも、おでこに感じる冷たいのが
天からの優しさを直で感じれてるようで
とても嬉しかった。
天:あっ。一緒に家事やらない?
夏: …えっ?
天:ちょっと色々溜まってて!よし、やろっ!
腕を引っ張られ、そのまま階段を降りた。
お家デートで家事って…
あ、いや、普通…なのかな…?
・
天:まずはリビングの掃除!
夏:えぇっ〜……
天:あっ。結婚した時の練習みたいな!
…
夏:えぇっ…!?
天:うわっ。そんな驚かないでよ…笑
夏:だ、だって…結婚って……したい…の?
天:うん。したいよ?
そう思ってくれてたんだ…
恥ずかしさと嬉しさが混じり合って
自然と表情が緩んでしまう。
天:夏鈴はしたくないの?
夏:えっ?
天:結婚。私と、したくないの?
夏:えっ…そりゃあ……
夏: …結婚…できたら嬉しい…けど……//
天:やっぱ夏鈴……かわいいねっ!
夏:あーもう…いいから掃除しよっ!
はぁ…あっつい……。
そりゃあ結婚したいでしょ…!
・
リビングの掃除は少しやったものの
夜ご飯を作る時間になって、料理に変更した。
掃除は、まぁ少し綺麗になった…かな?
献立はオムライス。
料理苦手だけど、天に教えてもらいながら作った。
天:玉ねぎのみじん切りできる?
夏: …やってみる。
天:無理しなくていいよ?
夏:やる、できる…し…。
うそ、やったことない。
みじん切りって、どれぐらいの大きさだっけ…
包丁をもって、色々試行錯誤してると
天:もう。こうやるんだよ?
後ろからバックハグされながら包丁を掴まれて
そのままみじん切りをしてくれた。
…なに平然と恥ずかしいことやってんの…//
天:こんな感じ!って…顔赤くない…?
夏:別に…玉ねぎのせいだし…//
天:これじゃ同棲した時、家事担当私だね?笑
夏:同棲…天の家事…天に包まれながらの生活…
あっ…幸せすぎて死んじゃいそう…。
天:次は〜、夏鈴これ切って?…って、夏鈴…?
夏: …//
天:えっ。おーい。おーーい!
想像の世界から帰れそうにありません…。
ってこともありつつ、オムライスを作り
食べさせ合いっこして
ケチャップついてるよ〜?
と、カップルの定番イチャイチャをしたり。
ケチャップの酸味より、私達の恋の甘酸っぱさの方が遥かに強く味わった夜ご飯だった。
・・・
天:ふぅ…おなかいっぱい…
夏:わたしも…
天:でもお風呂入らないと…
夏:あっ…そうだね…
天:一緒に入ってくれたらすぐ動けるな〜!
…なにいってんの…。
天と2人きりでお風呂って…もうあの…その…色々…
天:ねぇ夏鈴。一緒にお風呂入ろっ?
夏: …やだ…
天:えぇお願い!入ろっ?ねっ?
夏:とにかくむり!一緒は恥ずかしいから!
天:はぁ。1人で行ってきますよーだ!
あっかんべーされたけど、お風呂場に向かったっぽい。
…ちょっと待って
今、天がお風呂に入ってる。
そして次私が入る。
ってことは…
私、天が入った残り湯を体に纏わせるってこと…?
あ、それはだめ!恥ずかしい、だめだめ!
夏:ちょっと天!って…
もう遅いよね…
はぁ…天の残り湯…かっ…。
・・・
夏:はぁ…どうしよ…
天とお風呂を交代して、湯船に浸かっている。
そして私が考えてるのはこれからの事。
寝るのも、寝る前のも、なんか、その、
色々考えたいことが多すぎて…!
夏:一応ムダ毛処理とか…って、なに考えてんの…!
って自分で言ったんじゃん…!
って、なにノリツッコミしてんの…!
天:はぁ…夏鈴遅いなぁ…。
・・・
お風呂からでて、髪も乾かし、天の部屋のドアの前まで来た。
よし、大丈夫。いつも通り…!
ドアを開けて、
天:ちょっと遅い!いつまで入ってるの!?
夏:えっ?
天:2時間、いや3時間入ってるじゃん!
夏:あっごめん…
天:時間が無くなっちゃったじゃん!
天:沢山イチャイチャしようと思ったのに…。
色々と考えていたけど時間のことは忘れていた。
時刻は23:10
天:もういい!今から倍速イチャイチャする!
夏:ん、?
天:まず隣きて!は、や、く!
言われた通り、隣に行った。
ベッドの上だけど。
その直後に体が温もりで包まれた。
天からのハグだと気づくのはすぐだった。
天:で、私の好きなとこ言って!
夏:えっ、あ、んー、
天:は!や!く!
夏:あっ。かわいくて、優しくて、みんなに好かれてて、努力家で、明るくて、冷たくしてもずっと話しかけてくれて、
天:うん、わかった、もう大丈夫…!///
えっ、まだ100分の1ぐらいなのに…
天:よし!次は手繋ご!
いきなり手を握りしめられた。
指も絡ませあって。
夏:えっ!?
天:ねぇ、ポッキーゲームしよ!
夏:えぇっ!?
天:はい、こっち咥えて?
右手でハグしながら、左手で恋人繋ぎしながら
ポッキーゲームをはじめた。
もう…どういうこと…?!
そして、徐々に近づいてくる綺麗な天の顔。
私も食べ進めていくと、あと少しで
キ、キス、しちゃい、そう、で、
んっ…
天: …キスしちゃった…ね?笑
夏:あっ…好きっ…//
天:私も好きだよ?
夏:はっ…あぁぁっ……///
天:そんな恥ずかしがらないでよ。笑
天の体に引き寄せられ、上目遣いで天を見つめてしまう。
でも、だって、
しょうがないじゃん…
夏:だって、天が、
天:ん?
夏:天が、かわかっこいいからじゃんっ!
天を押し倒して、私が上から天を見つめる。
わかんない、私でもなんでこんなことしてるのか。
でも、もっと、私の心の中にある
夏:好きを伝えたい…///
天:夏鈴…?
夏:もっと私の好きを、伝えたいの…!///
天: …えっ、かわいすぎる…。
夏:あーもう!んっ…
私から初めて唇を奪った。
でも、これもしたかった。
天の手を掴み、私から、また指を絡ませる。
これもしたかった…
天:んっ…夏鈴…?
夏:ねぇ、ずっと、天が大好き。
天:えっ…?!
夏:もっと早くこうしたかった…
夏:一生くっついていたいぐらいに天が好きなの…!
ずっと、大好きなのっ……!///
初めてこんなにも心の想いを伝えた。
こんなものじゃないけど、初めて言えた。
天の顔が赤いように、私の顔も真っ赤。
天:ずるい…そんなん言ったら私も大好きっ…!///
夏:はぁっ…もう、私だって…!んっ…
天:んっ…
時刻は0:00を回っていた。
夏:ねぇこれからはもっと甘えていい…?
天:うん、沢山甘えてきてっ…?
夏:ほんとは…学校でも見せびらかしたい…
天:私もずっとそうしたかったよ?
夏:あっもう…明日の学校なんて知らない…
夏:もう離れないっ、夜が明けるまでずっとくっついてるっ!私の愛、沢山注入するっ…!!
想いが溢れた、お泊まり会の夜。
この夜、2人の距離はもっと近づきました。
明日の学校には2人の姿がなく、お泊まり会の延長会をしていたのかも…?
2人だけの、秘密の、延長会を。
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