習近平は文化大革命を輸出する

■リーマン・ショック級が予想される事態
 習近平は全ての国民を豊かにしたい。目的達成のために、国民の半数に該当する富裕層への増税をすることになる。習近平は国民の半数から金を集め、半分の貧困層を救済するとしている。

 これまでの中国は、人民解放軍の近代化と核戦力の増強に邁進している。核戦力を縮小し、貧困層を救済することは無視。そんな時に中国の不動産開発大手である、中国恒大集団の経営破綻が想定される事態になった。

 仮に中国恒大集団が経営破綻すれば、リーマン・ショック級の影響が出ると言われている。そうなれば中国経済そのものが破壊されるか、世界から信用を失う。だが習近平は、積極的に対応していない。それどころか放置している。

■皆を豊かにするはずが
 習近平は国民の半数を富裕層、半数を貧困層と認識している。次に習近平は皆を富裕にしたいので、半数の富裕層に増税。富裕層から集めた金で、半数の貧困層を支援する策を持っているらしい。

 現段階では、人民解放軍は約230万人で、世界最大規模の常備軍とされる。装備の近代化と核戦力の増強に邁進しているので、核戦力を縮小するだけで節約になる。だが習近平は、軍事力を増強しながら貧困層の支援をしようとしている。

 結論から言えば無理。貧困層の救済なら、教育を与えて選択肢を増やすのが最善。何故なら小卒よりも高卒になれば、就職の段階で採用枠の選択肢が増える。収入が少ないから学校に行けないので、結果的に就職の段階で選択肢が無いも同然。これで貧困から抜け出せない。

 貧困層に金をバラ撒いても、貧困層の不満を一時的に減らすだけ。だが習近平は、貧困層への支援すら考えていない様だ。基本的に軍隊は雇用の受け皿。さらに軍隊では整備が必要なので、整備にも学力・知識が求められる。

 徴兵で兵士を集めたら、軍隊内部の教育部隊で知識・技術を与える。徴兵が終わると、知識・技術を持った者は、民間に戻り技術者として生活できる。17世紀以後のヨーロッパ各国の軍隊では、軍隊が雇用対策と教育機関を担う様に変わっている。

 日本の明治からの近代化が成功した理由の一つとして、日本軍で兵士の教育を行ったことが挙げられる。電気を知らない者が軍隊で電気を知る。そして、電気の知識・技術・機械操作などを知る者が地元に戻り、技術者として生活する。こうなると、民間企業も即戦力が得られるので助かった。

 今の人民解放軍ならば、貧困層の若者を人民解放軍が受け入れることで対策になる。さらに、民間で必要な知識・技術・学歴を与えることで対応策になる。人民解放軍内部で貧困層向けの学校を作れば、退役した後は就職の選択肢が増える。

 習近平は人民解放軍を雇用の受け皿とは認識していない。さらに人民解放軍で受け入れて、教育を与えて社会に還元する考えも無い。これでは皆を豊かにすることは不可能。完全ではないが、人民解放軍を活用しなければ第一歩にはならない。

■文化大革命の再現と輸出
 習近平が文化大革命を再現しているのは明らか。宗教破壊と学校への介入。社会主義・共産主義の思想を、宗教と学校に押し付けている。これで宗教の神は中国共産党に変わり、子供は中国共産党の独裁を正義とする。毛沢東の文化大革命を肯定し、毛沢東を超えた結果を出そうとしている。

 習近平は民間企業を国営に戻そうとしているのは明らかで、従わない者を排除しようとしている。富裕層への増税は貧困層へのアピールではない。富裕層から富を奪い、富裕層を貧困層に落とすことが目的。

 これは皆富裕ではなく、皆貧困へ変えたいのだ。豊かなのは一部の共産党員だけ。一部の共産党員が宗教の神となり、独裁者として君臨する。皆が貧困ならば、恐怖の世界で中国共産党に従うことになる。これは生きるために従い、生ける屍として中国共産党を支える。

 だが習近平の目的は、中国国内に留まらないと推測する。習近平が毛沢東を超えたいのであれば、文化大革命を世界規模で成功させるはず。文化大革命を世界に輸出し、世界の富裕層を排除する。そして世界の貧困層を味方にして、習近平が救世主として世界の貧者から崇拝される世界。世界の貧者が富裕層から富を奪うことが正義になれば、文化大革命を喜んで受け入れるだろう。

 この仮設を否定することは難しい。何故ならフランス革命(1789~1794)は、封建制度の否定と神の否定。権威を否定し、富裕層から富を奪う行為が正義になった。フランス革命では自由・平等・博愛の精神が唱われているが、暴力による革命が正当化された。

「理性に基づけばあらゆる社会の改造や暴力も正当化できる」

 理性とは何か?人間は意思・理性・感情で動く。ダイエットすると決めることが意思になり、「食べれば太る」と考えるのが理性。理性が機能すればダイエットは成功するが、しかし理性は時として感情に負ける。
 
 怒りと悲しみは時として理性を無視するので、人間は時として怒りと悲しみに負けて食べる。これでダイエットは失敗する。人間の理性とはこんなもの。理性を用いたとしても、感情に負けて正当化する。だからフランス革命は、暴力革命が正当化された。

 中国恒大集団が経営破綻すればどうなるか?リーマン・ショック級の経済混乱が発生すると言われている。だが中国共産党は積極的に回避に動いていない。仮にリーマン・ショック級ならば、中国経済も危険になる。だが習近平は、文化大革命の輸出の好機と見ている可能性が有る。

 中国発の世界恐慌が発生すれば、世界の富裕層と貧困層の対立は明らか。貧困層は金を求め、文化大革命の甘言に惑わされたら、富裕層からの富の略奪を正義に変える。人民解放軍がアメリカ・イギリスの軍隊に勝てないので、文化大革命の輸出で対抗していたら?世界は自国民との対立を強制される。

■中国経済とは縁を切れ
 習近平の文化大革命が進行すれば、中国企業は国営化される。そうなるとサプライチェーンは、中国共産党の意思・計画に左右される。市場原理ではなく中国共産党の意思・計画に従うなら、生産遅延・停滞は明らか。

 中国経済・中国市場は既に魅力を失っており、人口の多さは利益を生み出さない。これまで中国市場に参入した企業で、富を得ただろうか?むしろ技術提供を強制され、自社の利益を損なう企業が多いはず。

 習近平による文化大革命が進行しているなら、中国で売れる物は激減するだろう。貧者向けの商品では利益は出ず、富裕層は国外逃亡する。ならば中国市場は価値を失い、中国をサプライチェーンから外すことが対策となる。中国恒大集団が経営破綻すれば、習近平の目的が明らかになる。世界経済を巻き込んだ文化大革命になれば、武漢ウイルス・パンデミックに続く、世界の災厄になるだろう。

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