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★競馬心理戦 第一章【偽りの鞍上強化&鞍上弱化】

実績の表面には出ていない
負けた理由、上手く走れなかった理由、

馬主への手前、それを馬鹿正直に伝える騎手はほとんどいない。

自分のミスだと認めてしまえば
降ろされて当然の状況を作ってしまうことになるからだ。

だとしたら我々は、
「乗り替わりの“真意”」を推理していく必要がある。

例えばこのようなケースを想像してほしい。

中堅以下の騎手が乗る「2000m前後で頭打ち状態だった馬」が
鞍上を強化して一気の距離短縮で1400mに出てきた場合

陣営は「その条件」に自信がある、もしくはある程度の算段がついたから
「勝負に出てきた」という見解になる。

つまり「距離短縮がプラス」となる可能性は限りなく高く、
前走以上の着に入る確率、馬券圏内に入る可能性は
格段に高いと判断できる。

また、別のパターンとして、
中堅以下の騎手が乗る「2000m前後で頭打ち状態だった馬」を
一気の距離短縮で1400mに出してみたら思いの外激走したため、
次走、同条件に鞍上強化で出てくる
…という場合も同様である。

次走、同条件に鞍上強化して出てきた場合は、
当然陣営としても「勝負」に出てきたことになる。

上記のようなイベントが起きたとき
「これまでとは別馬になる可能性がある!」と
誰もが気付ける理由をあたかも「盲点」かのように
喜々と語り散らす予想家がとても多い気がする。

しかし…
蓋を開ければたいていが上位人気。何もオイシクナイ。
(著名YouTuberとかこの辺の馬が好きなの多い気がする)

ここで一つ聞いてほしい。

本当に“オイシイ”のは…
『この状態で負けた後』である。

このような変革イベントが起きたうえで
「表向きな失敗」に終わった場合
大荒れを起こすレースが目の前に迫っていると考えていい。

勝負(と思われる)レースで凡走した場合、
実質ピンチヒッターとして呼ばれていた強化騎手は
自主的か指示かはわからないが大概が降りることになる。

そうすると馬券野郎たちの脳裏には…

「なんだ、あの一戦はまぐれか」
「この条件でも駄目なのか」
「●●が乗ってこれじゃ…」

といったイメージが根付くことになり
そのタイミングで元の中堅以下騎手に戻されることとなる。

「ついに完全に見限られたな」
「また●●のおもちゃに舞い戻り」

大半の馬券野郎の心理がそうなってしまえば
最高の“人払い”の完成である。


なかには「結局こいつが手の内が合うんだからこれでいいんだよ」と
賢明に思える評価を下すタイプが居残ることもあるが
こちらはただ「私情」で当該馬を追いかけているだけの「ファン」であり
オッズに影響の出るような賭け方をするような人間ではない。


長々と話してしまったが、
つまり事実上の鞍上強化をしたにもかかわらず「勝負条件」で凡走した馬が
同一条件で“元サヤ”に戻って出走してきたときが期待値最大!
ということ。

技術的には劣っていたとしても本馬の性質を一番知ってる人間
「最適条件」が回ってきたことになる。

まさに、鬼に金棒である。

にもかかわらず、
馬券購入者側はそのような見解を持てない人間が大半であるため
「事実上の鞍上弱化」という判断でオッズは高くなる。

川田で負け続けてた馬が国分に乗り替わって激走!
といったケースを見たことがあるかと思う。

前々走 2番人気→8着
 前走 3番人気→6着
 今回 8番人気→?着

上記のような成績になる馬は
“これ系”のイベントが起きてる馬が割といるんで、
見つけたときには確認してみると面白いかも。

これまで話してきた内容に合わせるには若干調整が必要な例ではあるが
実際に直近で的中させた例なので挙げさせてもらう。

マーゴットメネス

中距離を走っていた同馬が、5月26日にマイル戦への距離短縮とともに、
一般的な評価の高い西村騎手に乗り替わり鞍上強化。
(デリンはあまり西村上手いと思ってないけど)

そして直線弾けるような脚で上がってくるも、
1ハロン手前でパッタリ脚が上がってしまい敗北。

あからさまに「もういっちょ距離短縮すれば凄いことになる」の布石。

そして迎えた6月15日(土)東京4R 。

中距離路線を使ってた際に乗り、
同馬を良く知る菊沢騎手へ乗り替わることで「偽りの鞍上弱化」

そして条件は前走からさらに距離短縮となる「最適条件」である。

このような「偽りの鞍上強化・鞍上弱化」が起こる背景(妄想)を
これから伝えるんで読んでほしい。

上記で話したようなイベントが起きる場合、
「鞍上強化」の指示の大半は“馬主”や生産側(社台)によるもの。

トレーナーとしては「その騎手で勝たせたいからそれまで乗せてた」という本音が潜んでいる場合がほとんど。

なので、上記のような「偽りの鞍上弱化イベント」が起きた際、
「最適条件」に「乗せたい騎手でまた挑める好機」が訪れるわけなので
『最高の仕上がり』で持ってくるのは容易に想像がつく。

つまり1頭の馬の成績を見る際には、
「その馬が本来“誰”の馬なのか」を把握しておく必要があり、
調教師とその騎手(もしくはエージェントと騎手)との関係性を検証しておく必要がある。

それができれば、たとえ事実上の「鞍上弱化」であっても、
それが「プラス」として判断できるようになり、
「穴馬」というより『“穴の状態”の馬』を拾えることになる。

「調教師(エージェント)と騎手の関係性」については、
誰もが知ってる師弟関係などのデータだけを把握していても駄目。

■新馬戦から数戦誰を乗せたか
■初ダート、初芝などの転換点で誰を起用したのか
■クラスが上がるとき、初重賞のとき、誰を起用したのか。

みたいな着眼点が大事。

その戦績をじっくり見れば「その馬の特性」だけじゃなく、
『関係者の人間関係』も割と浮かび上がってくることが多いので、
1頭1頭そういう観点で見てみると結構面白いからオススメ。

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