世界を変える方法

電車での出来事。
誰かが飲み終えて放置した空き缶が、電車の中にありました。
電車が揺れるたび、空き缶はあっちにコロコロ、こっちにコロコロ。
乗っている誰もが不快な感じです。

そこに一人のヒーローが登場しました。
おばさんでしたけど(笑)
彼女はその空き缶をサッと拾うと、電車から降りて行きました。
電車の中に、一陣の爽風が吹きました。

すごい! 素晴らしい! と思うと同時に、これでいいのか! こういうことか! とも思いました。
落ちてる空き缶は邪魔なら拾えばいい。で、駅のゴミ箱に捨てるだけ。万一、手が汚れたら駅のトイレで洗えばいい。
ということです。
気づきです。
彼女が与えてくれたのは、そういう気づきです。そして、次はオレもやってみると思わせた勇気です。
そこに乗り合わせた乗客の10%くらいは、そう思ったのではないでしょうか?
その10%が同じことをすれば、次の10%に伝えられます。そうして、少しづつですが、世界は、世の中は変わっていくのです。
劇的な変化なんて世の中にも自分自身にも起こりません。
急激に痩せるとか、急激に勉強ができるとか、急激にお金持ちになるとか、あり得ないのです。世の中は常に、少しづつ地道に進んでいくのです。

先日、ついに私にも世の中を変えるチャンスが訪れました。
電車の中に転がっている空き缶。
よし、世界を変える瞬間だ!
私は立ち上がり空き缶を拾おうとしました。その時、電車は大きく揺れて空き缶はあらぬ方向へ。見ると、若い女性の足元に転がっていきました。
これを拾うと痴漢の嫌疑がかかりそうな、そういう位置です。
彼女はスマホに夢中で素知らぬ顔。

私がヒーローになるのはまたの機会になりました。

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