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子どもの「会いたい」を支える育て親の気持ち

Yさんの「私の誕生日」を読んだ育て親のBさんから、「うちの上の子・Aの出来事を思い出しました」と、メッセージをいただきました。

産みのお母さんに会いたい!

Aが小学校1年生の頃、図工で書いた絵が、学校で選ばれて、県のコンクールに出品されました。
その時に、「産みのお母さんに見せたい!」と言ったので、すぐに環の会に相談をして、会う約束をしました。
しかし、いざ会える!と思った時に、コロナで世の中が一気に自粛となり、会う事は出来ませんでした。
そこから、Aの落ち込みは激しく、ご飯が食べられなくなったり、学校で吐いたと連絡が来たり、とても心配な日々が続きました。

ある時、「お母さん(私のこと)は、(養子として迎えた)弟がいるから、淋しくないよね?産みのお母さんは、1人ぼっちで淋しいかもしれないから、私が一緒に暮らすから」と言って来ました。驚きました。
私は「Aちゃん、自分の事を自分で出来るようになって、少し産みのお母さんのお手伝いが出来るようにならないと!今一緒に暮らすのは、厳しいかな。大きくなって、何でも出来るようになったら、行ってらっしゃい!」と伝えました。

コロナ禍でも「会いたい」という気持ちは、揺るがず、世の中の外出制限の様子を見ては、会う予定を立て、約束をしては、コロナが増えてダメになってしまう事が続き、落ち込む一方でした。
そんな時は「Aちゃんに会いたくないとか、会えないとかではないんだよ。産みのお母さんもAちゃんに会いたいけど今は、コロナだから、会えないんだよ」と、励ましながら日々を過ごしていました。

4年生になった頃、もうコロナとは、一生のお付き合いなのでは?と、私の心が折れてしまい「Aちゃん、産みのお母さんに会って何を話したい?何を知りたい?」と聞いた事がありました。
「んー!何を話したいというより、産んでくれたお母さんがどんな人かな?って思って。会ってみたい」という答えでした。
会いたい理由なんて要らないのに…意地悪な質問をしてしまったと、反省し、どうにかしてあげたいと模索しました。

産みの母は、体調があまり良くないと聞いていたので、Aとは、「コロナのリスクがあるよね」とよく話をしていました。
「テレビ電話でも良いならもっと希望が持てるかもしれないよ!」と、再度検討を、環の会にお願いし、5年生のGWに念願が叶い、テレビ電話で産みの母と祖母(産み母のお母さん)と対面する事が出来ました。

Aは、学校での出来事を話したり、習い事の話をしたり、とても嬉しそうでした。
Aが動物好きな所は、産みのお母さん譲りでした。祖母からは、「NHKの『ダーウィンが来た!』を楽しみにしている!」という話もあり、『ダーウィンが来た!』がやっていると、今頃このテレビを見ているかな?と思いを馳せています。
そして、最も印象深かったのは、Aが「私は、お母さんが2人いて嬉しい」と言ったことでした。
わぁ!そうなんだね。と、胸が一杯になりました。

テレビ電話でしたが、Aは、とても嬉しかったようで、励みになり、その後の生活に張りが出て来たように思います。

Yさんの「私の誕生日」はこちらから

https://note.com/wanokai_telling/n/nb0fbab7ff394?sub_rt=share_b

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