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 皆さんは普段、何時間くらい寝ていますか?ヒトの平均睡眠時間は6-8時間といわれています。ここで、一旦、視野を広げて他の動物の睡眠時間を見てみましょう。ワシントン大学がおこなった調査結果、長い順だとコアラが22時間、トラが15.8時間、ライオンが13.5時間と続いていき、ウマが2.9時間、キリンが1.9時間です。このような野生界で生きる動物の睡眠時間は「食」と大きくかかわっています。コアラは特別な生態で、主食のユーカリが持つ青酸カリ系の毒素を消化するのに大量のエネルギーを使うため長時間睡眠を必要としますが、一般的には肉などの高栄養価食物を主食とする肉食動物は余裕をもって長めに寝ることができて、草などの低栄養食物を主食とする草食動物は寝る時間よりも食事の時間を長く取る傾向にあります。

 さて、本題のヒトの睡眠時間についてお話していきましょう。日本睡眠学会所属医師・坪田聡氏によれば、ヒトの睡眠タイプは「ショートスリーパー」「ロングスリーパー」「バリアブルスリーパー」の3つに分けられるそう。ショートスリーパーとは、睡眠時間が6時間未満でもアクティブに活動できる人のことで、日本人では5~8%が該当するようです。ロングスリーパーは、睡眠時間が10時間を超える人のことで、日本人の割合は3~9%です。アインシュタインもこのタイプで、毎日10時間以上眠っていました。ちなみに、このロングスリーパーがショートスリーパーになれる可能性は極めて低いそうです。そしてもうひとつが、バリアブルスリーパーと呼ばれるタイプです。睡眠時間が6~10時間の人を指します。日本人では、全体の80~90%がこのバリアブルスリーパーで、平日は6時間睡眠で生活していけるけれど、週末になると昼過ぎまで眠ってしまう、なんていう人も含まれます。

 ヒトの睡眠時間に関しては諸説ありますが、遺伝的要素が挙げられるようです。最後に、睡眠の質を向上させる方法を4つまとめておきます。いづれも多忙な現代人としてはなかなか実践しにくいですが、意識しているとそのように行動できるようになると思います。

①眠りのサイクルを利用する
 睡眠中は「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」という2つの眠りが約1時間半ごとに交互に現れます。1.5の倍数時間を目安に寝てみてください。

②日光を浴びて体内時計をリセットする
 人間の体内時計は25時間のため、朝に日光を浴びることで周期を合わせる必要があるようです。できるだけ毎日同じ時間に寝て起きることも大切です。

③ぬるめの入浴で副交感神経を活発にする
 38~40度のぬるめのお湯に10~15分つかってみましょう。副交感神経が優位になります。人間が眠気を感じるのは、体温が下降しているときなので就寝2時間前の入浴が理想的です。

 以上、動物における睡眠について科学しました。

参考サイト:https://www.francebed.co.jp/umoureform/faq/sleep/animal-sleep.html、https://forzastyle.com/articles/-/55095#a1

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