散文詩「あるいは米」ー

お前たちは夏が来るとそれまで散々にこきおろしていた冬を切望するようになるが、私は違う。春も夏も秋も、ずっと冬を待っている。そして、いざ冬が来ると、服を脱いで喜び倒すのだ。雪を食い、からっ風を飲む。裸で。人と違うのは、楽しい。
私は冬以外の季節をただ見下している訳では無い。春にも夏にも秋にも、それぞれの良さはある。この3つの季節の中で1番は秋。冬に1番近いから。2番目以下は冬に近い順。お前は冬が好きだろうか。有無を言わせるつもりはない。雪を食え。からっ風を飲め。服は着ることを許可する。あるいは秋。新米は、しっかりとうまい。お前も、新米を食ってみないか?

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