男性器出したい人

ある土曜日、水無月という名前とは裏腹に、暑さと湿気で目を覚ました。裏腹にとは言ったが、水が無くなるのはあくまでも天界であるので、別に裏腹でもなんでもない。全身を汗と熱気が包んでいた。夢の終わり頃、黒服の男に小籠包を50955517766個ほど食わされたのはそんなふざけた睡眠環境のせいであると寝惚けた頭で確信した。


耳元の時計に顔ごと目を向ける。汗が潤滑剤となり、枕と頭の間をすり抜けていく。ふたつの針は、律儀にも、蒸されてパーになっている脳に残酷な現状を突き突きつけてきた。この寝坊こそ、彼にとって最悪の事態である。


湿気が吸い出した良いとも悪いともつかない部屋の匂いを吸い込んで、自らが犯した過ちを強く、強く強く噛み締めた。


彼は過度な怒りと悔しさに伴ってoverflowした涙を轍にして、ベランダへと熱い体を運んだ。

当たり前ながら、時間が経つにつれて太陽の角度は変化する。それが、この男にとってすれば死活問題だったのだ。しかし、寝過ごしてしまったものは仕方がない。朝から辛酸を舐めるような気分でズボンとパンツを下ろし、空に向かって見事にそそり立つ局部が、朝の太陽光に白く照らされる。これが、何ともない彼の生活における特異な点だった。屋外で、局部を露出する。こうすることで、彼のメンタルには1日契約の平穏が訪れる。

下半身を再び覆い隠して部屋に戻るときには、起きた直後のフラストレーションは無に帰していたから不思議なものである。テレビをつけ、大して興味のない民法のワイドショーを流す。彼は、いつまでもこうして生きていくのである...


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