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「人に知られたくない」と思っている人が稼げるようになります。

「私は有名かつ無名になりたい」───ドガ

情報化社会は、「人に知られたい」と思う人が稼げなくなって、「人に知られたくない」と思っている人が稼げるようになります。この二極化が起こるのです。

コンサルタントたちは、大事なのは仕事のクオリティであって、とにかく時間をかければいいということではないと気づいた。

運は日々の暮らしの積み重ねである

努力と偶然は生来の才能と同じぐらい重要、とするのは、やる気を失わせるようなことに思えるかもしれない。しかし、私は励みになることだと思う。遺伝的要素はわれわれにはコントロールできないことだが、努力の程度はわれわれに委ねられているからだ(中略)また偶然の作用も、何度も試みれば成功の確率を上げられる、という程度までは、われわれにコントロールできるからだ。

なにが分けるのか、といえば、情報量の差

「運をつかみたい」と言う人は、ムダなことをすればいいのです。運はムダなことから生まれます。「そんなことからこんなことが起こるとは思わなかった」というのが「運」です。効率からは、運は生まれません(中略)すぐに役に立つことばかりしていると、支配階級にだまされます(中略)おもてなしがだんだん上達してくると、気づかれないことを喜ぶようになります。「サービス」と「おもてなし」は違います。サービスは、気づかれる喜びです。おもてなしは、気づかれない喜びです。

「引き寄せの法則」(中略)信頼できる誰かを探しちゃダメってこと。信頼できる情報なんてなかなかないわけだからね。となったら、たくさんの情報にあたって自分で分析するしかないでしょ(中略)信じるってやってたら、100%騙されるよ(中略)だから、幸せを引き寄せられない。要は情報量が少ないんだよ。で、もっと危険なのは自分の情報量が少ないことにすら気付かない人たちね(中略)権威ある言葉を発している人たちの利益がなにかってことをちゃんと見ないと不幸を幸せだと感じるってこと。CMは広告主のためにあるわけで、視聴者のニーズを満足させるためのものじゃないでしょ。テレビも政権政党のために存在していて、視聴者のための有益な情報を出しているわけじゃない。そういう当たり前の事実を再確認しないとね(中略)だから、言葉を発している人たちの利益がなにかってことをちゃんと見ないといけないわけだ(中略)情報を取捨選択して、心からほしいものがなにかを吟味し続けることだよ、逆にそうすることによって引き寄せになる、なるというか、引き寄せているわけじゃなくて、もともと目の前にあるものだからね(中略)情報を選び取ればいいだけでしょ。だけど、自分が未熟だって知らず、圧倒的な知識不足の中で、幸せだ、幸せじゃないって言っているから全部後追いになっちゃうんだよ(中略)IQなんてみんなたかが知れているわけだからさ。大学の教授と中学生のIQがどれだけ違うかっていったらそんなに変わらないよ(中略)じゃあ、なにが分けるのか、といえば、情報量の差でしょ。

運転は、毎日同じことが繰り返される映画「恋はデジャ・ブ」のように、学習経験を積み重ねて

雪の中で運転するコツについて思い出してほしい。車がスリップしたときは、滑っている方向にハンドルを切るということだ。ふつうは滑っているのとは逆にハンドルを切ろうとするのが自然な反応だ。これは反射的なもので、抵抗するのは難しい。そのためその衝動を抑えるには、多大な努力と自制心が必要になる。

スキッドパッドでの目標は、脳が何をすべきかわかるまで横滑りを体験すること(中略)脳と同様に、車は驚嘆すべきマシーンで、ドライバーがその動かし方を知っていれば、融通がきき適応性がある

活躍する経験豊かなアウトドアのベテランの男から、かつて聞いた話だが、彼はできるだけ四輪駆動にせずに走ることにしているという。常時四輪駆動にしてると、いつか流砂にはまりこんだとき、脱出できなくなる。というのも、そのときはすでに安全マージンを使いはたしてしまっているからだ。「四駆はトラブルから脱出するのに使う。トラブルにはまりこむために使いはしない」と彼はいう。

ローレンス・ゴンザレスによれば、生命の危機に直面したとき、九〇パーセントの人間は硬直して立ちすくみ(フリーズ)、パニックに陥ってしまうが、残りの一〇パーセントはクールで精神を統一し、あくまでもサバイバルへの希望を棄てないという。ここでいうクールとは、著者の父が言うように「自分から無駄な死を招くことは、クールではない」という意味の「クール」である(中略)運は日々の暮らしの積み重ねである。

運はムダなことから生まれます。

娘が泣きながら駆け寄ってきて、真っ赤に腫れた足首を指差す。クラゲに刺されたのだ。さいわい、こんなこともあろうかと、友人がミートテンダライザー〔肉を柔らかくするパパイン酵素の粉末〕の小瓶を持参していた。テンダライザーを水と混ぜてペースト状にし、刺されたところにすり込むと、たちまち娘の足の痛みが消える(本当に効くのでお試しあれ)。

すぐに役に立つことばかりしていると、支配階級にだまされます

ドライブという語感は日本語ではクルマの運転、などという意味にも取れるし、何者かに駆り立てられる、という意味でも使われる。

進化は、最終的な製品を念頭において基本計画に沿って進むのではなく、マイクロソフト・オフィスの最悪の時代と同じく、新しい機能を偶然見つけては、適当に組み合わせていく

車を走らせていたサーフィン好きの化学者キャリー・マリスに、あるアイデアがひらめいた。のちに彼がノーベル賞を取ることになったアイデアだ。

マリスはある晩、ドライブ中にそれを思いついた

ヒトゲノムプロジェクトがスタートしたのが1984年(中略)この時にキャリー・マリスが発表したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が、ネアンデルタール人のゲノム解読を大いに加速させる(中略)PCRはバクテリアを用いるめんどうなクローニングに取って代わる、まさにブレークスルーと呼ぶべき発明(中略)PCR法は1983年に一匹狼の科学者キャリー・マリスによって開発されたシンプルかつ洗練された技術で、この上なくパワフルだ。原理的には、40回繰り返せば、たったひとつのDNA断片から約1兆個の複製を得ることができる。この技術があればこそ、私たちの研究は実現したのだ(中略)ネアンデルタール人のゲノムとの比較により、デニソワ人少女のゲノムは、ネアンデルタール人やデニソワ人より前に人類の系統から分岐したホミニンのDNAを受け継いでいることが明らかにされた。また、デニソワ人がネアンデルタール人と交配したことや、彼らがメラネシアの人々だけでなく、現在アジア大陸に住む人々にも、わずかながらDNAを与えたことがわかった(中略)「Neanderthal(ネアンデルタール人)」は、ドイツのネアンデル谷にちなんで命名された種小名で、「Thal」は「渓谷」を意味する古いドイツ語

ケアリー・マリスはこの細菌を利用してDNAを簡単に複製する方法を考案

ネアンデルタール人が絶滅したのは、ホモ・サピエンスが虐殺したからだと推測する人もいるぐらいだ。しかし実は、両者が争ったことを示す明確な証拠は今のところない(中略)ふたつの集団が出会うと、遺伝子は等しく双方向に流動すると考えられがちだが、実際には、そのようなことはまれだ(中略)2008年、わたしたちのグループが発表するデータに常に関心を寄せてくれていたスイスの集団遺伝学者、ロラン・エクスコフィエが、ふたつの集団間の遺伝子流動に関する論文を発表した。それは遺伝子流動が起きた後に一方の集団が拡大し、もう一方がそのままか、縮小したらどうなるかを報告するものだった。そのような場合、変換された遺伝的要素は、拡大していく集団に保存される可能性が高い。そして変異を含む集団が「波頭(ウェーブフロント)」(波の盛りあがり)のごとく数を増やせば、その変異(対立遺伝子)も数が増え、頻度がきわめて高くなる。エクス・コフィエはこの現象に「対立遺伝子サーフィン」(allelic surfing)というふさわしい名をつけた。集団の波頭に入った対立遺伝子は、波の勢いに乗って一気に数を増やすという意味だ。

サーフィンがどのように遺伝子の発生に関係してくるのか

PCRは、バイオテック企業の化学者だったキャリー・マリスが一九八三年に発明した。マリスはある晩、ドライブ中にそれを思いついた。PCRでは、まず二本鎖DNAを加熱して一本ずつ分離する。次に、それを鋳型にして冷却しながら酵素によって元の二本鎖を複製する。この二段階を繰り返して、DNAを倍々に増やしていく。「PCRは、たった一個のDNA分子から始めて、ほんの半日で同様の分子を一〇〇〇億個生成できる」と、マリスは記している。

進化が主な指針にしているのは、繁殖適応度

Taqポリメラーゼは、トーマス・ブロックがイエローストーン国立公園の高熱の温泉で発見したサーマス・アクアティカスから抽出された。この超好熱性細は20年以上、研究室の片隅で衰弱していたが、アメリカの生化学者ケアリー・マリスはこの細菌を利用してDNAを簡単に複製する方法を考案した。優秀だがかなり個性的なマリスは、仰々しい演説と型破りの講義(自分のガールフレンドがきわどいポーズでサーフィンしているスライドで、しばしば中断された)で学界を憤慨させていた。それでも、PCR法に関する業績を認められて一九九三年にノーベル化学賞を共同受賞(中略)Taqポリメラーゼは、極限微生物から抽出された酵素

自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えている

サーフィンがどのように遺伝子の発生に関係してくるのかというと、こういうことだ。人間にはスケッグそのものはないが、遺伝子の奥底にコードされた類似構造が発生に不可欠な役割を果たし、正しい遺伝子が正しいときに発現するような環境を築く。とはいっても、大方の読者にとって、この構造はおそらく初めて聞く名前に違いない。それは、胚発生時期(あなたがお母さんの子宮内で潰れたガムみたいな形をしていたとき)に現れる「ノード繊毛(せんもう)」と呼ばれるものだ。ノード繊毛は、その極めて重要な時期に、のちにあなたの頭になる部分から、小さなタンパク質の触覚のように突き出している。そしてちょうど、水の上でサーフボードの舵を切って、そこそこの波を刻むサーファーをスケッグが助けるように、ノード繊毛も発生中の胚の周囲で体液(羊水)を動かして(ある状況では体液を感知して)、必要とされている化学物質の濃度勾配を空間の中に作り出す(中略)つまり、体液を特定の方向に動かして、胚の周囲に渦巻きのような流れを作り出す。これを受けて、浮遊しているタンパク質の量が正しい順序で変化し、それが遺伝子発現を通して、適切な時期に身体部位の発生を導く(中略)ノード繊毛が遺伝子変異によって正常に機能しないと、身体の発生のバランスは完全にひっくりかえってしまう。沖合の岩礁や予期せぬ潮のうねりなどでスケッグが折れてしまったサーファーのように、動作のおかしくなった繊毛は、胚に押し寄せるタンパク質の量に不均衡を生じさせる場合がある。

なにが分けるのか、といえば、情報量の差

ダーウィンは「不器用で無駄が多く、不注意で粗野で、恐ろしく残酷な、自然の働き」について記した。進化には、知的な設計者の指紋も、慈悲深い神の指紋も残されていないことを彼は発見した(中略)進化は、最終的な製品を念頭において基本計画に沿って進むのではなく、マイクロソフト・オフィスの最悪の時代と同じく、新しい機能を偶然見つけては、適当に組み合わせていく。進化が主な指針にしているのは、繁殖適応度、つまり、どの特徴が、より多くの子孫を残すことにつながるかであり、したがって進化は、コロナウイルスやがんを含むありとあらゆる病気が、子どもを産む役目を終えた生物を苦しめることを許し、おそらくは奨励さえする。だからといって、わたしたちは自然に敬意を表してコロナウイルスやがんへの対策を探すのをやめるべきだ、というわけではない(中略)クレイジーな人たちがいる。はみ出し者、反逆者、厄介者と呼ばれる人たち。四角い穴に丸い杭を打ち込むように、物事をまるで違う目で見る人たち。彼らは規則を嫌う。彼らは現状を肯定しない。彼らの言葉に心を打たれる人がいる。反対する人も、賞賛する人も、けなす人もいる。しかし、彼らを無視することは誰にもできない。なぜなら、彼らは物事を変えたからだ。彼らは人類を前進させた。彼らはクレイジーと言われるが、わたしたちは天才だと思う。自分が世界を変えられると本気で信じる人たちこそが、本当に世界を変えているのだから。───スティーブ・ジョブズ


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