私の記憶 テレ東ドラマシナリオ
テーマ:パスワードが間違っています
なぜ私がこんなにもmixi削除にこだわっているのか
それは少し前のこと
たかし「ねえ、サキ。サキってどんな女子高生だったの?」
サキ「いきなりなに?(笑)」
たかし「いや、ふと気になって」
サキ「されがあんまり思い出せないんだよね」
たかし「またそれ?」
付き合っているたかしにはよく過去のことを聞かれる。
そのたびに思い出そうとするが、なかなかよく思い出せない。
とくに中学生、高校生のころは。
社会人になったときのこととか、たかしさんとの出会いは覚えているのに。
たかし「mixiとかやってなかったの?」
サキ「あ~なんだか懐かしい気がする」
たかし「それ見たらわかるんじゃない?」
サキ「うん、見てみる。でもたかしには見られたくないかも」
たかし「なにか知られたくないことでもあるの?」
サキ「いや、わかんないけど。すっごく見られたくない…でもま、確認してみるね。たかしさんありがと」
たかしが私の家から出るのを見送り
さっそくmixiにつないでみた。
サキ「えっと、ログインログイン…パスワード?
そんなの覚えてないよ…」
サキは適当に数字を打ち込んでみるが、まったく開かない。
サキ「ログインパスワードを忘れた人のために秘密の質問
これならさすがに分かるでしょ」
質問は3つ
・昔飼っていたペットの名前
・小学校1年生の時の担任の先生
・初めて付き合った彼氏の名前
サキ「これを全部答えれば開くのね。さすがに覚えてる。よかった~
昔飼っていたペットの名前は、柴犬のはるちゃん…っと。
え、違うの???」
サキは愕然とした。
ペットの名前を間違えるわけがない。
カタカナ表記やローマ字などいろいろ試してみるが、ロックされたまま。
サキはお母さんに電話してみた。
サキ「あ、お母さん?ちょっと聞きたいことがあるんだけどいまいい?」
母「どうしたの?」
サキ「昔飼ってた柴犬の名前ってはるちゃんだよね」
母「え…」
サキ「え、違う?」
母「サキが生まれる前には飼ってたけど…」
サキ「え?冗談やめてよ~うそでしょ?」
母「ほんとよ。でもなくなっちゃって。
サキが生まれたころは、トイプードルのココアを飼っていたけど…」
サキ「そうだっけ…」
母「写真送るわね。じゃあ、お母さんもう寝るから」
と、矢継ぎ早に電話を切られてしまった。
サキ「おかしいな」
母から送られてきた写真をみると確かに、
トイプードルと遊んでいる幼いころの私が写っていた。
サキ「パスワードは、ココア?」
半信半疑で打ち込んでいると次の質問にうつった。
サキ「ココアで合ってた…覚えてないな…ちょっと疲れてるのかな
もうねよ…」
このときサキはまだきづいていなかった。
頭にあるのはサキの記憶ではないことに。
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秘密の質問をみつけていくことで
自分の記憶と、周りの記憶とのずれを感じていくサキ。
実はサキには年の離れた姉がいて、
脳が移植されており、どんどん姉に侵略されてしまうという話。
たかしは実は姉と付き合っていて、姉に戻ってほしくて
サキにmixiをつかって、いろいろなことに
気づいてほしいと思っている。
上で「たかし」と「たかしさん」呼びがあるのは
サキの呼び方と姉がしていた呼び方が入り混じっているから
サキは本当の自分になれるのか。
姉が消し去りたい、姉の過去とは。
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