#これを見た人は人生を狂わせた作品を5つ挙げる

Xでなんと(!)このハッシュタグへの回答をご依頼いただいたのでつらつらとしたためてみたいと思います。

ひとが狂っていることは前提なんですね💃

早々に言い訳ですが、映画やアニメなどの映像作品を観始めたのは去年からという超新参者なので映像作品コンテンツに関する知識は極端に乏しく、おすすめ出来るような候補がなかなか無い状態にあります。
その中でも、
「さらざんまい」
「サイダーのように言葉が湧き上がる」
「ナイルパーチの女子会」(ドラマ)
の3作品は比較的、これが私の嗜好だと胸を張っておすすめ出来る作品様たちです(「ナイルパーチの女子会」については小説版からドラマ版への改変がとてつもなく鮮やかであるというかなり特殊な成り立ちの作品なのでややコンテクストが必要かもしれません)。

それでは、 #これを見た人は人生を狂わせた作品を5つ挙げる
挙げていきます🌾.

1.「夏のこどもたち」(小説)


「だれかを好きになった日に読む本」という甘酸っぱいタイトルで小学校の図書室で読者を待ち構えている短編集に、「電話がなっている」という猟奇的トラウマ作を掲載したことで児童文学界では密かに名を馳せている川島誠先生の、学校を舞台にした生徒たちの生活をえがく短編集です。

川島誠先生の作品は、世間一般的に言えば「概ねやや悪い」(Amazonで言うと☆2..)くらいの評価を受けていることが多いです。
エンターテイメント作品に必須と言ってもいい起伏のあるストーリーの枠組みや伏線、緊張と緩和といった、人の感情を喚起させるものに著しく欠けています。別段生きづらくもなく、ルックスや才能にも恵まれた主人公が何となしに生きて、何となく死の恐怖に怯えて、何となく幸せになって、それで、あ!いきなり終わり!みたいなのが主な作風なので、詮無い事なのかもしれません。
お話の中盤でやや仲の良かった近所のお婆さんが亡くなったことが、主人公たちに何の影響も与えず、それ以降一切話題にすら登場することもなくお話が終わったりします。

この短編集の表題作「夏のこどもたち」の主人公は片目が義眼の美少年で、母親と二人暮らしをしています。
周囲から障がい者として腫れ物のように扱われたり、一方で学校社会の枠組みから外れたものとしてちやほやされてみたり、まるで他の少年と違って無害で尊ぶべきものとして扱われたりする中で、そんなこと全部「どうでもいい」と思っている主人公の目線を彼の独白によってひたすら追体験することになります。

少年の独白なのでちゃんと相応の精神年齢で痛々しかったりします。

思春期の男子たるもの、女教師の身体のラインを片目でじっくり追ってみたり、向かいのややふっくらとした女子大生の着替えを覗いてみたり、そんな事が急に悲しくなったり、色々しています。そして、急に終わります。
私が数段落前にこの作品を、「生徒たちの生活を”えがく”短編集」(本来の文法的には”えがいた”が正しいと思います)と表現してしまったのは、まるでページをめくる度に主人公が新たにその時あった事を書いてくれているような、生々しい筆致にあるのだと思います。
児童文学ですし、いま読んで面白いものだという保証は出来かねますが、間違いなく私の価値観の礎を築いてくれた作品なので、今もたまに読み返しています。

2.カラーレシピ(漫画)


ファイナルファン◯ジー8きっかけでBL文化を知り、しばらくはどっぷり浸かっていた中高生以後の自分にとってバイブルのような本がこの作品様です。
作者であるはらだ先生の御本はすべて大好きで、いまこの文章を書いている背後でも先生のサインが(「インモラルっていいよね!」って書いてある)見守ってくれているのですが、その独特な作家性を帯びた作品群の中でも特に過激で過剰で最高に心地いい吐き気を催すような上下巻2冊であること請け合いです。

ネタバレが要になってしまう作品なので内容への言及は避けさせていただきます。嫌な話がお嫌いでなければおすすめです!

それまでドエロ至上主義だった私が、男性同士の性愛感情というフィールドで出来ることの幅はこんなにも広いと実感させられ、「精神リョナ」等の原風景を(勝手ながら)叩き込まれたような気がしています。
はらだ先生の商業BLは「セックス→男性同士の性愛感情→社会」の3すくみでそれぞれが干渉しあい、官能的に限界ギリギリの脈動で苦しそうにギチギチと動き出すような作品が多く、なんでこれずっと性行為してるのに話進んでるんだろ…?と不思議に思うようなこともあります。

ドラマCDも大学の通学中聞いてました!!!!


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