大弟
牛乳1リットル。
キャベツ1玉。芯まで。
カルシウムのサプリメントを4錠。
鳥の笹身2本。
私の朝食である。12歳の誕生日から5年間、毎日続けている献立だが
体のどこにも影響はない。身長にも、胸にも、1ミリたりとも。
小さなテーブルの向かいの席に座っているのは、身内の贔屓目で見なくても「美形」という言葉がぴったりの少年だ。
姿勢正しく座り、バターの付いたトーストを上品にちぎっては口に運んでいる。
清潔そうなショートボブに整えられた黒髪が、食べる動作に合わせてさらさらと動いている。
きめ細かな白い頬に濃く長い睫毛が影を落としている。桜色の小さな唇はバターの光沢でグロスを塗った様に艶々と光っている。
ふと、唇の間から可愛らしい舌が覗き、口の端についたパンくずを
「姉さん、何見てんの」
弟と目が合った。
「別に」目を逸らし、精一杯素っ気無く言ったつもりだったが声が裏返った。
今年で13歳になる弟は、小さな頃から愛らしかったがついこのあいだ第二次性徴を迎えたと共に、妙な…
「色気」まで出はじめて…弟が色気のある美少年なのは、実の姉としては色々やり辛いのだ。
2年前に弟の身長が私の身長を越してから私は弟を可愛く思う気持ちとは裏腹に、彼に対し少々そっけない態度をとるようになっていた。
可愛い弟に余所余所しくしてしまうのにはもう一つ理由がある。
「…ごちそうさま。姉さんも早く食べ終わりなよ、電車そろそろだし」
朝食を食べ終えた弟は優雅な仕草で立ち上がった。食器を持った両腕に寄せられた豊満な乳房が「たぷん!」と波打つ。Eカップはあると見ている。
制服のシャツをパンパンに押し上げている柔らかそうな肉がボタンとボタンの間から覗いている。
ノーブラである。
Eカップ。
弟。
弟は巨乳である。
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