見出し画像

#10 ブライダルカメラマンとして過ごした 10年の出来事08

コンビニに入った瞬間、
『ありがとうございました〜』と言われたので
危うく引き返して帰るとこだった

香川県で写真撮ったり、映像作ったり
様々なプロダクトプロデューサーをしている
エンタメ写真家のwallyです。
(追い返すのやめませんか?

本日はサクッと続きをどうぞ。

1話〜7話↑↑↑
(速読で20秒あれば読み終えれます、たぶん

8話↓↓↓

ブライダル関係の繁忙期は春と、秋から年末にかけて。

年末も近いその時期に、例年のごとく、
スタッフは遅くまで作業に取り掛かかっていた。

香川県から、わざわざ毎日2時間かけて通勤してる僕も、
「今日はおきよー」と言われることもなく、
(僕は香川県から2時間かけてきてるんですよ?
遅くまでパソコン編集作業に追われていた。

この日も、雪こそは降らないが
一際寒さが目立つ日だった。

僕の作業場所は窓際だったため、
室内でも寒さが込み上げる。
ダウンジャケットを羽織り、寒さをしのぎながら
黙々と手を動かしていく。

時間は19時30分。

お腹も空いてきたので、
夜食でも買ってくるかと思い
「チョット出てきまーす」とスタッフに軽く声をかけ、
会社を出て行った。

夜食はいつも悩む。
近くにあるスーパーか、ドラッグストアか、
マックか、コンビニか、、、

食べすぎると眠くなるし、
足りないとやる気出ないし、、、

作業中眠くならないように、気を紛らわための必須アイテム
永遠に食べ続けれる「無限柿ピー」も、
遅くまで作業する時の必須アイテムだった。
(↑※大量の柿ピーを食べ続けることの意。

「んー今日は外食で済ますか!!」

足早に近くの飲食店に入店し、
空腹を満たすことに成功した。

仕事以外の僕の移動手段は基本「徒歩」
移動距離は会社から15分圏内と決めていた。

腹も満たされ「よーし、帰って続きやっちゃうか!」
気合も入れ、寒空に浮かぶ自分の白い吐息を
ボーッと見上げ、
冬の寒さに耐えながら会社に戻った。

、、、

ん?

何か、、、会社を出る前と雰囲気が違う。。。

明かりが、、、暗い。
え??消灯してる?

会社の出入り口はカギが閉まっていた。
室内も明かりが消されて真っ暗。

僕の荷物は全て会社の中。。。

入り口は開かない。。

僕の地元は香川県。


、、、

えーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!?!?

どうしよーーーーーーーーーーーーーー!?!?


田舎の徳島県、

青年の驚いた声は
誰にも届かず深い闇に吸われていき、
青年を真っ黒な闇に、
引き込んでいくかのようだった。

寒さが身体をむしばんでいく。
そんな冬の暗闇に放り出された青年の頭には、
ある情景が浮かんだ。

「パトラッシュ……疲れたろう。
僕も疲れたんだ。
なんだかとても眠いんだ……パトラッシュ……」


、、、いかんいかんいかん!!

なぜ同じ四国、
しかも隣の県、徳島県で殉職せねばならぬのだ。
しかも隣に犬いねぇよ

「生きねば」

とりあえず連絡先の知ってるスタッフへ連絡だ。

トゥルルルル、、、

「現在、携帯の電源が切れてるか、もしくは、、、」

『繋がらない、、、
しかも個人の連絡先知ってるのこの人しかいないよ、、』

ここで青年の状況をおさらいだ。

・冬の寒空の中、荷物は全て会社の中
 (財布とガラケーのみ所持

・会社は鍵が閉まり、スタッフにも連絡つかない。
(嘘だろ!?

・交通手段は徒歩のみ
 (徳島の地理感なし

・お腹は満腹
 (エネルギー満☆タン


近くに漫画喫茶でもあればいいが、
なんせ地理感がなさすぎて、無駄に歩いて
体力を消耗するわけにはいかない。

まずはこの寒さを、、、

、、、、んっ?

僕の目に入ってきたのは、
会社で使う資材をいれる小さな「収納庫」

『これだ!この中なら少し寒さを和らげれるはず、
ここでスタッフが来る朝まで耐えよう』

収納庫を開け、自分が入れそうなスペースを確保し、
そこで身をかがめ、耐えることにした。

しかし収納庫に季節外れの「蚊」が一匹侵入し、

プーーーーーーーーーーーーーーーーーーン。。。

の音に困惑させられながらひたすら耐えた。
生き地獄とはこの事だ。

寒さと蚊の攻撃により、
目を閉じても自分は起きてるのか、
寝られてるのか分からない、、、

長い長い夜が続いた。

もうろうとした意識の中、携帯で時間を確認すると

6:00

兆しが見えた。
しかし、少しでいいから暖まりたい。

そう思い、フラフラしながら近くのコンビニで
どん兵衛(そば大盛り)を買い、汁も余すことなく
飲み干した。

暖まり、生き返った気がした。

7:00

あたりも少しずつ明るくなってきた。
すぐ近くに朝から開いてるコーヒー屋さんの
存在を知っていたので、そこで休息を取ることにした。

「耐えた、、、」そう思いながらすする
珈琲は特別だった。

8:30

いつも専務が出社するくらいの時間が
これくらいと知っていたので、
それを見計らって僕も会社に向かった。

「あれ?どしたん?朝早いね?」

そこで状況を話すと、、、

「ハッハハハハハ、それは大変だったねー( ˊ̱˂˃ˋ̱ )」

『!?』

有能なスタッフが殉職しかけたのにも関わらず、
まるで人生のネタが出来てよかったね、と
言わんばかりの笑い声が響いた。

9:30

通常通りスタッフが揃い、
過酷な夜を過ごしたにもかかわらず、
僕はその後、何も変わらない日々のように
仕事をした。
(普通休ませろよ

当時は地獄だった経験も、
今では笑い話にできてします。

まぁ人生ってそんなもんだ。

photographer wally
Instagram : https://www.instagram.com/wally_k_clown

It's never too late to start.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?