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なぜ最近昭和、80年代前後の文化が流行っているのか

近年、アメリカ、日本のカルチャー問わず70〜90年代のものが注目され、再燃しているように感じる。(もちろん著者も大好きだ。デニムにスウェットをイン、ブレーザーにコンバース。最高だ。)

流行は回ると言ってしまえばそれで終わりだが、それでは一体なぜこの時期に回ってきたのだろう。筆者なりに考えてみた。

まず最初に言えるのは海外、アメリカやイギリスで日本のシティポップが再評価されたのが始まりだろう。そこから韓国が大衆向けに再解釈し、アイドルや歌謡に取り入れた。そこから日本に渡ってきたのだと思う。近年の流行の流れといったらこれが本流だ。

しかし私は、これは表面的なものであり、日本で流行る事になった本質は我々20〜30代の日本人の心の奥にあると思っている。

小学生低学年だった頃、家族と箱根に行ったこと。旅館と言ったらいいのかホテルと言ったらいいのか分からない和洋が混ざったような宿に泊まり、浴衣を着た中年が数人薄暗いカラオケルームに入って行ったこと、何か分からない憧れを抱いたことを今でも覚えている。そんな私は、ゲームルームへ行き、父に300円ほどせびって物珍しいロックマンやインベーダーゲームをやっていた。

私と同世代の人間であればこのような経験があるのではないか。これが近年の昭和ブーム発祥の原因だと思っている。私たちの世代は幼少期にギリギリ昭和の名残というか面影を社会に見ることができた世代だろう。あの頃の普段売られていないゲームばかり並ぶ「異界」のような場所や、カラオケやスナックに客が入る瞬間のみドアの隙間から見られる華やかで謎めいた空間。そこに私達は憧れと好奇心を募らせていたのではないか。年を経るにつれて多くのことを学んでいくが、「あの頃」の記憶の答え合わせができないまま成人を迎えたわけだ。その時都合よく海外から80’sブームが来た。飛びつかない訳が無い。


あの頃自分たちは入ることのできなかった場所、もっと見ていたかったが自分たちの世界にはなかったものを私達は無意識に追い求めていたのではないか。

少なくとも私はそうだ。