見出し画像

肌が弱い28歳男性のヒゲ脱毛ルポ

「筋トレやサプリメント、プロテインなどは服用していないですか?」
「してますね〜…」

2023年7月4日火曜日、15時50分。雲ひとつない快晴の空の下、私は脱毛サロンの前にいた。

今まで美容を意識したことがなく、やっていることといえば「アトピーがひどいので、保湿クリームを髭剃り後や寝る前に塗っている」くらいの私がなぜ脱毛をしようと思ったのか。
それは「いつも髭剃ると血が出るから」である。

髭が生えてきたのが遅く、20歳くらいだったのでずっと簡易的なT字カミソリを使ってきて、社会人になってからも貧乏性から少し良い敏感肌用のT字カミソリを使い続けていた。
その間ずっと出血し続けていた。なぜここまで何もせず「痛ぇ〜」で放置し続けてきたのか。我ながら痛みに鈍感すぎて驚くが、やはり傷ができると痕が残ってしまうのが人間の肌というものだ。そういうこともあって脱毛をしようと決意した。

そして来たる7月4日火曜日。16時の予約でサロンを訪れた私に、店長の男性から投げかけられた言葉が冒頭の言葉だ。どうやら筋トレなどテストステロンが増えることをすると毛が濃くなってしまうらしい。そりゃそうだな。

すでに前途が見えなくなってしまったが、これから肌が弱くて、口周り血まみれ男の脱毛生活が始まる。

※通っている店に許可を得ず書いているので、店名や従業員の方の名前は伏せます。


7月4日 カウンセリングと支払い

入店すると、まずなぜ店を知ったか、脱毛の経験があるかなどアンケートを記入した。数分後、机が一脚、椅子が二脚置いてある個室に案内された。

個室で脱毛をする上で大事な説明を四つほど受けた。
・脱毛の種類と毛について
・脱毛を行う期間
・脱毛をする際の注意事項
・脱毛にかかる値段

まず脱毛の種類と毛については、どのような周期で毛が生えるかということからだった。
毛には「成長期」「退行期」「休止期」という三つのサイクルがあるらしい。
「成長期」は毛が伸びる期間。
「退行期」は毛が勝手に抜ける期間。
「休止期」は毛が無くなっている状態。
で、このうち「成長期」に脱毛を行い、徐々に毛が生えなくなるようにしていくのだそうだ。

そして脱毛の種類について説明を受けた。
「ニードル脱毛」「光脱毛」の二種類があるらしい。
「ニードル脱毛」は文字通り毛穴に針を通して電気や高周波を流し毛根を潰す(長期間ムダ毛が生えないようにする)脱毛。
「光脱毛」は脱毛箇所に光を当てて成長を遅くする脱毛なのだそうだ。

続いて期間だが、光脱毛で2年もしないくらいらしい。というのも、一度の施術後、大体3週間ほど間を空けるため1ヶ月に1〜2回の頻度で行うのがマストだ。
毛の濃さにもよるが、だいたい20回から30回の施術で脱毛箇所がきれいになる。

脱毛する際の注意事項。これが一番大事だと思うのだが、日常生活で気をつけなければならないことが多い。

まず飲酒。ざると呼ばれるくらい強ければ問題ないが、少しの飲酒でも皮膚に赤みが出る場合は脱毛直後などは痛みが伴うそうだ。
これは汗も同じで、肌に急激な熱を与えると痛みが出てくるため、スポーツは可能であれば控えるよう言われた。
ただ脱毛と言っても私が行うのは美容に分類される「光脱毛」であるため、過度に心配することはないと言われた。
(「医療脱毛」と呼ばれるレーザーでは細心の注意を払いながら生活する必要があるらしい)

最後に金額についてだ。
これは店によって変わるだろうが、やはり施術の種類や永久脱毛にするかどうかでかなり変わるらしい。
私はヒゲ(口と鼻の間、あごヒゲ、首周りの毛(分類上はヒゲらしい)、口角周りのヒゲ含む)のみであり、元来そんなに濃くないので20回目安できれいになるというお墨付きもいただいた。
これで総額90000円ほどとなった。

額を見たとき少しのけぞったが、これが全身脱毛になると30万以上かかる場合もあると聞いて、それであれば安い方だと無理に納得した。

全ての説明が終わり、最後に支払いとなった。正直カウンセリング後すぐに支払うとは思っていなかったため、現金の持ち合わせがなくカードで払った。
家電も現金で払うくらいの現金派である自分としては、カード支払いで過去最高額となった。月末の請求が恐ろしい。

最後についに施術の予約の話になった。特に理由はないが早い方がいいので、早速二日後に予約した。

この流れで1日目は終了した。

7月6日 施術1回目

来たる7月6日木曜日。14:30に予約をしたため14:20には現地に着こうと思っていたが、緊張しすぎて14:10に到着した。

しかし、平日の昼過ぎは相当空いているのか、待つこともなくベッドが置いてある個室に案内された。

荷物をロッカーに入れ、ベッドに仰向けに横たわるとまたもイケメンがやってきた。前回の店長とは違う人物で年も同じくらいに見えた。

準備が整ったら、念の為再度脱毛の方法について説明され、ヒゲ脱毛をする旨の確認を受けた。

そして緊張の瞬間。施術にあたり強い熱を持った光を照射するため、目を傷つけないよう隠すのだが、ガーゼ、ゴーグル型のアイマスク、分厚いタオルを重ねるという厳重ぶりである。ここでかなり怯えていた。

そして直で肌に光を当てるとかなり熱いらしいので、光を当てる箇所を冷やして行うのだが、その小さいアイスノンのようなものが液体窒素に直に触ったのではないかというレベルで冷たすぎて痛い。

ただ言われた通り、一瞬感覚がなくなるレベルで冷やされても熱を感じるので最大限配慮されていることはわかるが、それにしても冷たい。このとき脱毛を受けているという実感より冷たいきついと考える方が忙しかった。

粛々と照射が続いたが、やはり光を照射しているためか口ヒゲ周辺は目に光が入ってくる。かなり強い。溶接をやっているんじゃないかと思うくらい光が強い。
つい、「光が目に入ってきますけど大丈夫ですか」と聞いてしまった。すると「それはもうあるあるです。目は閉じていてくださいね」と言われた。施術する方も脱毛を経験しているので、実感がこもっていて信憑性は高いが、初めて受ける方は「目を閉じていてもかなり眩しい」という感想が先行してしまう。そう目を閉じていたけど光が強くてつい質問してしまったのだ。

ここは根性でなんとかするしかないので我慢して、およそ15分ほどの施術で1回目の脱毛が終了した。
光の照射が終わった後は皮膚が熱を持っているため、冷感ジェルを塗りたくり10分近くそのままにして拭き取り、全ての作業が終わった。

最後に1日は皮膚に熱がこもっているため、もし痛みが強く出たりヒリヒリ感が抜けない時は相談するよう注意を受け、サロンを後にした。

私は痛みに鈍感すぎるのか、5分くらい歩いたら何も感じなくなっていた。


7月27日 施術2回目

なぜだろう。
前回受付前で「14:30」の予約を「14:00」と書いていたのはなぜだろう。

悠長に昼ごはんを食べていたら、電車に乗り遅れて遅刻しかけたため13:55の時点で店舗に「5分ほど遅れます!!」と息せき切りながら電話をかけたのだが、冷静に「14:30からの予約ですので、その前に来ていただけたら大丈夫ですよ」と諭された。

近くにあった喫茶店で時間をつぶし、いよいよ2回目の施術を始めた。

前回終わり際に「もっと出力を上げてレーザーを照射する」と言われていたので少し緊張していたのだが、こちらの心境を知ってか知らずか担当の方はサクサクと施術を始めた。

今回担当してくれた方は世間話が好きらしく、私が2回目であることからよく1回目ではかなり緊張していても、3回目、4回目になるとリラックスする客が多いことを教えてくれた。
しかし私はいつまで経っても慣れそうにない。というのもやはりレーザーの光が目の保護用につけているアイマスクの中に漏れてしまってまぶしいからである。

前回よくあることだと言われてしまったため、光については我慢して、前回と同じ過程で行われた施術にただただ身を任せていた。

そして、終わった後気づいたことがある。
拳をずっと胸の辺りで握っていて、ファラオをようになってしまっていた。

結局見えないところで施術が行われているため、まだまだ緊張が抜けないのだ。

どのような施術がされているか見えず肌で感じるしかない。またレーザーを照射するという日常生活で行わないことをしており、肌に合わなければヒリヒリ痛むかもしれない。

2回目と言えど、まだまだ怖さは残っていた。

これに慣れるのか、まだまだ不安ではあるが次回の予約を取ることにした。
私は欲張りなので、すでに4回目まで予約をとった。

これだけ見ればかなり本気だと担当者に伝わってしまうが、その実早く終わらせたいだけである。


8月13日 施術3回目

今日は雨が降ったり止んだりと不安定な天気だった。その所為か足取りが重く、予約時間を1分過ぎての到着となった。
早く来過ぎた前回とは違い、少し遅くなってしまった。
しかし特に言及されることもなく、施術を行う個室に案内してもらった。有名なチェーン店だけあって、対応が丁寧である。

そんな対応の丁寧さに感動しつつ行われた施術は前回と打って変わって厳しくなっていた。
やはり遅刻はダメなのだろうか。

というのも、施術前に「前回よりも強度を上げてレーザーを当てますね」と軽く言われた。
これがただ時間をかけることなのかどうかも判断がつかぬ内に施術が始められたのである。

結論としては、やはり「強度を上げるということはもっと痛みが増す」ということである。

1回目の施術で「アイスノンのようなものが冷たくて痛い」と感想を述べたが、その痛いほど冷たいアイスノンの痛みを凌駕するほど、レーザーの痛みが強かったのである。

長時間施術箇所に熱を帯びたわけではないので問題はないのだろうが、針で刺されるような痛みが施術中伴っていた。

これは3回目だから慣れているだろうという判断なのか、それとも3回目には強度が上がるというのが脱毛では一般的なのだろうか。脱毛に初めて恐怖を覚えた瞬間だった。

施術時間はいつものように約15分ほどで完了した。今日は慣れていると思われたのか、1,2回目よりも手際が良く、体感としては5分くらいで終わった感覚だった。

それでも強度が上がるとやはり痛みが伴うということがわかり、少し恐れ慄く気持ちが芽生えた。

次はどうなってしまうのだろう。不安は尽きない。


8月28日 施術4回目

レーザーの強度が上がると聞かされ、恐怖に怯えながら向かった施術4回目。私はやらかしていた。

というのも、最初のカウンセリングで「前日の夜に髭は剃っておいて、当日の朝は剃らないでください」と言われていたのに、すっかり忘れて朝髭を剃ってしまったからだ。

朝髭を剃ることによって何があるか聞かされた気もするが、あまり覚えていない。そのため、二重に恐怖を抱きながらいつものサロンに向かった。

店に入ると、前回と同じ方が出迎えてくれて施術も担当することになった。

前回から思っていたが、かなりフランクな接客で施術もよく言えば素早く悪く言えば雑な感じだった。

もちろんそれは今回も変わらない。それでもしっかり希望箇所を満遍なく施術されていたため、もしかすると優秀な人なのだろう。(最初にカウンセリングをした店長ではなかった)

そんなこんなでおよそ15分ほどの施術が終わった。

ここで一つ疑問が生まれる。
前回「次はレーザーの強度を強くしますね」と言われていたが、それをあまり感じなかった。

聞いてみようかとも思ったが、あまりにも挙動が早く終わったらすぐに施術部屋を出て行ってしまったため聞けず仕舞いとなった。

そこで、私は一つ考えた。
そもそも施術2回目の時に「3、4回目でリラックスする客が多い」と聞かされていた。もしかすると私が雑に感じると思った施術は、こちらがリラックスしているのを察して効率よくした結果なのではないだろうか。

実際、私も1回目であんなに気にしていたレーザーの光がゴーグルの隙間から入ってくる問題を気にしなくなっていた。

そうか。これが慣れというやつだ。

こうしてみると、次回からの施術も気持ちとして楽になっていく。

最初は少し怖いとすら思っていたが、折り返し地点になって楽しく感じようになってきた。

次は少し間が空くが、どんどん髭が消滅していくのを楽しんでいこうと思う。


9月14日 施術5回目

前回4回目の施術の終わりにこんなことを言われた。

「次(9月14日分、今回)の予約を前回(3回目)お取りしましたが、お客様の予約を集まりやすい夏場はダメなようで、次回から次回分のみの予約をお取りします。」

私としては特に問題はないのだが、こんなこともあるんだとちょっと驚いた。

佇まいはスマートで顔もキリッとしているのに、すまなさそうに謝る店員。なぜかこちらが申し訳なくなってくる。

そして、施術に関してだが、正直に申し上げると特にもう変わったところがない。

はっきりいうと、自分が遅刻しそうになって走るエピソードと店員との心温まるハートフルな会話しかお届けできないのだが、今回もそういうエピソードが満載なので紹介しよう。

まず遅刻しかけた。

場所が絶妙に遠いため、油断して電車に乗る時間を間違えがちになる。詳細をお伝えしたいところだが、説明が難しいので、とりあえず「なぜか毎度遅刻しかけるか早めに着いてしまう」と認識していただきたい。

しかし、そんな自己管理ができない客にも優しく接してくれる店員さん。日本のホスピタリティは世界に誇るべきものである。

そして、いつものように施術が始まった。

もう施術自体は流れ作業になるが、冒頭で「髭薄くなってきましたね」とお墨付きをいただいた。

そう、朝起きてボーボーだった髭は徐々に生える本数を減らしていたのである。

写真でお伝えしたいところだが恥ずかしいのでご容赦願いたい。

やはり、当初に説明を受けていた通り5回を超えると徐々に変化が現れるのでやっと実感が湧いてくるようになった。

元々髭がそこまで濃くない部類ではあるが、口蓋の部分や口髭は生える面積が少なく、基本そこまで濃くならないためか、まずそこがなくなってきた。

しかし、顎髭は依然として生えてくるため、今度はここを中心に根絶やしにしていくということだ。

ただ施術自体は10回通して全く変わらないそうで、特筆すべきこともなくなってきたが、最後の追い込みをじっくり見守っていこうと思う。


10月5日 施術6回目

毎度遅刻したり早く来すぎたり時間を全く確認せず向かうため、今日こそは余裕を持って行こうと頑張った。

そして、全く人がいないお店に入って施術の準備をしていると、

「変化は感じられるようになりましたか?」
「3,4回目から毛が少なくなってきた感じはします」

という会話がなされた。この時点でも「施術前と施術後の比較のために写真撮っておけば良かったな」と後悔した。

そんなことをぼんやり考えているのも束の間、また衝撃的なことを言われる。

「それであればもっと出力を上げていきますね。もし痛みがひどいようでしたらおっしゃってください」

…まだ強くするの?

正直3回目で強くしてから多少施術中に痛みはあり、これ以上出力上がったらどうしようと思っていたため、その悪い予感が的中した感じだ。

とはいえ、正直早く終わらせたい思いもあったため、痛みは耐えてこそ日本男児の精神で出力が上がることを承知した。

そして、施術が始まる。

最初は首まわり。皮膚が厚いからか少しヒリヒリする程度で痛くはない。

次に顎周り。さすがに痛かった。しかし耐えられるレベルだ。

そして鼻の下、口髭まわり。さすがに痛かった。自然と胸の上に置いていた手に力が入る。

そして何よりも毛穴を焼くときに出る光が相変わらず眩しい。最寄りの駅の脱毛サロンには黒いゴーグルしかしていない写真が広告に掲載されているが、それだけでは絶対に目がやられる自信がある。
通っているところがタオルまでかけてくれるサロンで助かった。

そんなこんなでおよそ10分ほどの施術は終わり、特に違和感はなかったため問題はないが、それでも少し怖くは感じた。

脱毛ももう折り返しなので、これからの変化が楽しみでもある。


10月20日 施術7回目

ついに終わりも見えてきた施術7回目。

すでに時間を確認しなくても、予約時間までに訪問できるようになっている。慣れたものだ。

しかし、一番最初に言われた。「前日の夜に髭を剃っておいてください」という注意は全く守れていない。
だって疲れた体で風呂入ったら忘れるんだもん…

そんなことを思いながら、施術に入ると担当してくれた方がいの一番にこう言った。

「ひげ少なくなってきましたね!!!」

え?なんでわかるの?

もしかしたら知らない間に対応してくれていたのかもしれない。顔も名前も初めましてなのだが。

しかし、そんな疑問も次の言葉で吹っ飛んだ。

「これなら前日の朝に髭を剃る感じでも問題ないですね!」

何かわからないが、前日夜の髭剃りをしなくても良くなった。これ習慣化していたらまた毎回「あ〜また剃ってきちゃったよ昨晩!」と咽び泣いていたのではないだろうか。
完全に(自分のものぐさのせいではあるが)思い出した時にするくらいにとどめておいてよかった。

今回はとてもおしゃべりな方で、仕事の話や年齢の話など様々な話をした。

歯医者などもそうだが、真剣に沈黙しながら施術されると逆に緊張してしまう。
そのため適度に話ながら施術するのは精神衛生上も良いことだと思う。(とはいえこちらも口が動いて向こうも手を動かしながらなので明らかにレーザーを照射するところが違っていたりしたが)

前回恐れていた強めのレーザーも担当してくれた方のおかげでなんとか心穏やかに受けることができた。

そしていつものようにわずか15分ほどで施術は終わり、次回の予約日を決めることになった。

どうやら冬に脱毛を始める人も多く、平日でも空いている日が少なくなるらしい。
いつも2週間きっちり空けて予約をしていたが、今回は時間の都合上3週間空けての施術となる。

そして、私もそうだがなぜ皆平日の昼間に脱毛サロンに通う暇があるのだろうか。世の中不思議だ。


11月13日 施術8回目

もうコメントすることも少なくなってきた8回目。

もう電車に乗る時間などを調べなくても、時間ぴったりに到着するための家を出る時間や歩く速度などが感覚でわかるようになってきた。

もう緊張も何もせずルーティンのように、髭を剃る感覚で14時30分に入店したのだが、今日は久々に事前面談を行った店長と思しき人物が施術を担当してくれることになった。

どうやら店長は説明をするために愛想を振りまいていたようだが、普段は物静かな人のようで、スムーズに施術のための部屋に案内されいつも受けている説明を淡々と話し、施術の準備をしていた。

これはこれで慣れている感覚があって頼りになるが、そんな店長?から思いもよらない一言が出てきた。

「もう慣れてきたと思うのでもう少し出力を上げてみますね」

…まだ上げるの???????

前回の時点でもそこそこ痛みがあり、それが最大出力だと思ったのだがまだ上には上があったらしい。

しかしテキパキ店長はこちらの反応も見ずにすぐに冷却に入る。

アイシングが冷えすぎていて痛いのはいつも通りなので慣れたが、その後に当てられたレーザーがいつもの倍以上痛かった。

少し太い針で刺されている感覚で、一番最初に施術された時よりも刺激が強く、自分ではわからないがおそらく顔を顰めていたと思う。

テキパキ店長はいつもの三分の一くらいの時間で施術を終わらせてくれたが、レーザーを当てたところが20分くらいヒリヒリしていた。

私は典型的な東京人なので「痛みは大丈夫ですか?」「大丈夫です〜」のやりとりをしたが、その間結構なヒリヒリ具合だった。

次回について何か言われることはなかったが、正直もう出力上げなくていいよと心の中で念じていた。

…多分また出力が上がるのだろうことは予想できてしまうが、あと少しで終わると思って耐え抜こうと思う。

毎度思っているが、全身脱毛をしている人はこのレーザーの痛みを全身に受けているということだろう。よく耐えられるな。

素直に尊敬する施術日だった。


12月8日 施術9回目

私は一つ勘違いをしていた。

カウンセリングで「元々毛が薄いので10回ほどで完了できそうですね」と聞いていた気がするのだが、どうやら勘違いだったらしく20回行うそうだ。

それはそれとして、今日もほぼ予約時間と同時に店舗に着き、施術が始まった。もう慣れたものだ。

すでにルーティンのようになった作業だが、やはり客商売であるためか、担当者の皆さんは丁寧さを忘れない。

良い意味でマニュアル通りに対応しているのがわかる。


施術については少し変わったことがあった。

いつもトチって施術日の朝に髭を剃ってしまったり、前日の朝に髭を剃ってそのままだったりとセルフメンテナンスを怠るモンスター客である私だが、いつも施術自体に影響はなくそのまま始められていた。

しかし今日はまず「髭剃り」から始まったのである。

そんなに濃かったか…などと言える雰囲気でもなく、粛々と髭が剃られていき、そこからいつも通りの冷やしてレーザーを当てる作業に移った。


また、レーザーがいつもよりも痛いのである。

いつも我慢ができるレベルで後にひくような感じでもなかったが、今日は施術中ずっとヒリヒリしていた。

そのため、冷却する顔面パックのようなものを被せられ、休み休み施術が行われた。

あれ…?もしかして出力ってまだ上がるの?

おそらくその通りなのだろうが、それについては特に説明がないので少しモヤモヤした状態で施術が終わった。

もちろんそのままにしておくのは良くないので、ヒリヒリが続いています…となんとなく訴えてみたが、「もし数時間後も続くようでしたらご連絡ください」と言われ、店を出ることになった。

まあ確かに痛いからとずっと居座られても困るよなと納得して、帰路に着いた。


ちなみに痛みはどうなったかというと、普通に1時間もしたらひいた。

意識しすぎなのかもしれない。


1月5日 施術10回目

新年仕事始めの翌々日に脱毛を行う意識の高い私はこの日、予定が立て込んでいた。

というのも、朝仕事の会議に出て、夕方から所用で新潟に行かなければならなかったのである。

そのため、焦りを隠せず予約時間の14時より10分も早く店舗に到着してしまった。


当然のように受付のベンチで待たされた。


14時になり、いつものように施術室へ案内され寝転がると、担当の方から「今日剃ってきました?」と質問を投げかけられたが昨日の朝に剃って以来だったため、着実に効果が出ていることを実感した。

もう慣れつつある強めのレーザーを受けていたのだが、今日の担当の方は喋るのが好きなのか、色々な質問を投げかけてきた。

最初は施術中にしゃべってもいいものだろうかと困惑していたが、10回もやると流石に慣れてレーザーを当てている口角のあたりを動かして普通に喋るようになった。

痛みに一喜一憂していた自分は何処へやら。冬休みの過ごし方や担当の方の彼女が一緒に外出してくれないというお悩み相談まで引き受けることになった。

いつもと同じ15分ほどの施術が終了し、経過を確認した担当の方が、「今日で折り返しになるのですが、もう首はあらかた大丈夫そうなので顎と口周りに注力していきますね」と報告してくれた。

予定では全20回なのでようやく半分まで来たという実感が込み上げた。

感慨に耽っていると、一回各部位の施術が無料になるキャンペーンの紹介をされた。
方法まで書くと特定されかねないので省略するが、従業員の方とそれとなく話すようになり友達のような感覚になっていたのだが、やはり向こうは従業員でこちらは客のビジネスなんだなということを痛感した。

これからは同じような流れにしかならないと思うが、終わるまで書こうと決めたので、撮れ高ならぬ書き高を見つけて更新していこうと思う。


2月2日 施術11回目

慣れによる余裕というのは時に油断となって襲いかかる。

今日午前中に筋トレをして、12時30分頃に昼ごはんを食べ、電車に乗ったのが14時10分頃。

そこから電車に乗って施術に向かったのだが、予約は14時30分。私は30分ほどを見込んでいる店までの道のりを10分遅れで辿っていた。

最寄駅に着いた瞬間に店に連絡し、息を切らせながら遅れる旨を伝えた。

すると、

「承知しましたが、施術内容が一部できないかもしれませんのでご了承ください」

と言われた。

あ、先に予約している人を優先して案内するとかじゃないんだ…

新しい遅刻へのペナルティを知ることができた。


そしてなんとか走って5分くらいの遅刻で止め、店に入ると後の予約が詰まっているのか足早に施術室に案内された。

そして服を脱いだりするのに時間がかかるため、数分置いて施術が始まるのだが、今日は1分もせず施術が始まった。

臆病な私はその時点でどれだけ遅刻がダメなのか刷り込まれた。次からは余裕をもって来よう。


決意を新たにいつもの施術が始まったのだが、ぶっちゃけやることは一緒である。

ただ今回から、前回書いた通り首回りの施術はなく、口元が主となった。

よほど急いでいたのかいつもより若干痛みが強かったが、これも遅刻への罰だと思い、神妙にしていた。

そして、いつもよりも8分くらい早く施術が終わった。


いつも施術終わりに次回の予約を取るのだが、それもほぼ決め打ちで「ここで良いですか」という感じに言われてしまった。

もう私は承諾するしかない。幸い予定も入っていないので問題はなかった。何より待合室のような場所に何人か客が座っているのを目の当たりにしてしまうと、交渉する気も起きない。



私は次から絶対遅刻をしないぞと心に誓った。


3月4日 施術12回目

今日は遅刻せずに行けるかと思ったが、5分ほど遅刻してしまった。

近いわけでもないが、極端に遠い場所でもないとどのくらいで行けばいいかという時間の感覚が少し狂ってしまう。左右盲みたいなものだなと勝手に考えていた。

しかし、今日はセーフだったようで施術はきちんとしていただいた。私の中では遅刻していないということにした。


唇の乾きが気になり、少し荒れ気味であったため口周りの脱毛に支障が出たらどうしようかと思ったが、直に剃るわけではないため特に問題はなかった。

しかし、何故かいつもより痛く感じる。

もしかして、度々遅刻するからって強度上げてますか?

…なんてことを聞くわけにもいかず、顔を顰めながら施術を受けた。

もう12回目ともなると、流れ作業のようになっていき体感時間も短く感じる。

一番初めは30分にも思えた15分程度の施術が5分ほどに感じるようになった。

当初の予定だと20回施術を行うということであったため、あと8回もできれば遅刻せず頑張ろうと思う。

あんまり遅刻しすぎるとブラックリストに載りかねない。


次回!!!!!4月9日!!!!!!「多分今日は遅刻しません!」!!!!!お楽しみに!!!!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?