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「はぁ…?」

 ついさっきのこと。
 ぼくは、このマガジンにまったく別のことを書こうとしていました。
 十行ほど進んだところで、急にオシッコがしたくなったんです。
さっそく、ソーシャルディスタンスを守りながらぼくの言葉をパソコンに入力してくれていたSくんに、お願いしたんです。ベッドの上でのけぞるほどになっちゃって…。
 彼は入力を中断して、要領よくシビンを受けてくれました。

 無事、オシッコを出しきった瞬間、ぼくははっきりと言ってしまったんです。
「マル!」。
 一瞬の間がありました。
「はぁ?」。
 ぼくの目の前には、タブレットの画面があり、オシッコで中断前のところにカーソルがまばたきしていました。
 そうです。セッカチで、ちょっとボケはじめている脳ミソがおバカな信号を出しちゃったんです。
 つまり、「マル」は「。」のことだったんです。
 ふつうに、正しい信号を出していれば「終わった」だったんですけどね。
 そりゃ、Sくんにしたら「マル!」なんて言われても、「なんのこっちゃい」ですよね。
 「あっ!」、Sくんも息子のようなヘルパーさんの一人なので、すぐに「?」を察して、吹きだしていました。
 でも、もし、「終わった」でほんとうに終わっていたら、こんなほんわかしたエピソードにはならなかったしねぇ。

 この春、一番のおバカな出来事かもしれないけど、たまたま、すぐに入力できる状態だったから書き残せたわけです。
 最近は書き残したいことがあっても、なにかが起これば新しい記憶へすり替わってしまうんです。
 だから、この「珍事(ダジャレが隠されている)」は、ぼくに幸運をはこんでくれたみたいです。

 ぼくの住む街は、久しぶりに肌寒い午後をむかえています。

 
 


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