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車いすからベッドへの旅

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毎日、天井を見つめている。ベッドで横になっていると、ぼくの六畳の部屋半分と、ヘルパーさんが仮眠する隣の四畳半三分の一ほどしか視界には入らない。 かぎりなく狭い世界の中で、なにを考…
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#小市民

共感と尊敬

 ぼくは、恵まれて生きてきた。  「障害」は個性だと実感し、いろいろな人に伝えながらも、…

ありふれた一日

 いつものように、日付が変わってから眠りについた。 トイレに一度、寝返りのために二度、泊…

陽のあたる山脈

 先日、昼間からうとうとしていたら、ガラケーのショートメールの着信が鳴った。それだけで、…

自分で決めること、おまかせすること

 「思いこみコロナ」が引き金になり、一日のほとんどが天井を見つめる生活になり、一年以上が…

二千二十一年 五月十一日

 夕食を終えて何か一本書こうと思っていたら、一時間ほど居眠りしてしまった。  先週末、不…

ヘルパーさんごめんなさい

 みなさん、気がついておられますか?梅雨に入る半月ほど前に、すごくさわやかで天候が安定す…

ひとりの時間②

 ぼくの頭の中には、いつもテンビンバカリが用意されている。  毎日の買いものから人生の分岐点に至るまで、コスパを計算したり、取り組む過程での充実度や挫折したときのセーフティーネットをシュミレーションしたりしながら、自分自身にとっての損得勘定をはじきだしてきた。  物心ついたばかりのころ、毎日のように帳場の畳に寝かされて、商いをするおふくろの背中を見つめていた。  山陰の地方都市の小さな呉服屋とはいえ、着物や帯は高価なものに変わりはない。 必然的に、お客さんとのやりとりでは「

ひとつの柱

 たまたま友部正人さんのYouTubeを検索していたら、素人弾き語りのタイトルで、ある男性の胸…

ストレスのみなもと

 ぼくにとってはすごく重たくて、他人にはわかりにくいストレスがある。  昨夜、気心知れた…