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木蓮の花開くころ

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ここでは、かっこよくない障害者のぼくの半生を語ります。そこで出逢った友人はかけがえのない財産です。
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#記憶

逆さ読み

 今日、手のひらに装着するタイプのワンキースイッチを使って、初めてひとりで本を読もうと思…

夕焼け

 福知山の自宅から、金閣寺の近くにある施設へもどる道すがらだった。 おやじが運転をして、…

大きなお月さん

 その夜、ぼくは揺り起こされた。  「やっちゃん、起きて」  小さな声だったけれど、はっき…

 忘れられない色がある。 よく磨かれた黒板の深緑だ。  たったひとりの教室。 まだ誰の手に…