【妄想ドラマ企画28】いつか見た刑事
「いつか見た刑事」(女性20代)とは・・・
上京したての大学生の俺は、近所の不動産屋で紹介された中野にある格安シェアハウスで暮らしながらも、なかなか親しい友達は出来ず、寂しい日々を送っていた。
楽しみといえば漫画喫茶で好きなマンガを読む事や、料理好きなことから安い食材を探した商店街めぐりや、目的もなくぶらぶらと東京の町を歩くことぐらいの孤独な日常だった。
そんな俺の日常に少しの光が差し始めた。
というのは、ときどき近所のコンビニで見かけるキレイ目のお姉さんと、偶然にも3日前の満員電車で隣り合わせになったこと。電車が揺れたので、その時ちょっと押してしまい「すいません」とあやまった時に「いいえ」と小声で答えてくれたんだ。
それだけでも、俺の無味感想の日々はハッピーなのに、今日アルバイトが終わった後に奇跡が起こった。
高円寺南口商店街の雑踏の中でまた彼女とすれ違った。
思わず挨拶した俺に、彼女もちょっとドギマギしながら微笑みを返してくれた。
これって絶対意識されてる、俺のこと認識している。
彼女この辺に住んでんのかなぁ、勤務先はどこなんだろう。
きっと何かが始まる予感!
同じ日
深夜1時の警視庁の大会議室では、公安部アジア課の管理官を中心に捜査会議が進められていた。
大手企業の脅迫を意図する連続爆破事件で、最初の犠牲者が出たのが2週間前。ホームセンターでそろえられる大量生産品を組み合わせて作られた時限爆破装置の残骸からは、犯人の足跡をたどることは困難を極めた。
毎日の捜査会議と定期的なマスコミ会見で、警察内部は何でもいいから市民が安心できる情報と、警察組織のプレゼンスを示せとの号令が下されている。
そんな中、最初の脅迫メールのアクセスログをたどってモグリネットカフェのパソコンが特定された。
そして防犯カメラには直前まで使用していたらしき男が映っていた。
唯一の手がかりから夜を徹した懸命な捜査の末この不審人物を特定し、ここ一カ月徹底的な尾行による行動確認が行われていたのだ。
大会議室では、新人公安刑事の飯田里佳子(27)が公安部アジア課長から叱責を受けていた。
「なぜマルタイの正面からすれ違うようなことをしたんだ」
「すいません」
「おまけに会釈までして、それで良く尾行がつとまるな」
「すいません」
今度は里佳子の上司の係長が謝っている。
「今日の尾行の現場指揮官は君だったな、そもそも5組10人の尾行チームを編成しながら、一人の学生にまかれてしまい。一番の新人の顔が割れてしまうってどういうことだ」
「まことに申し訳ございません。しかしこのアジア革命テログループの一員の男、我々の尾行を察知しているのかしきりに意味の無い動きをして我々をまこうとしており。尾行班もチリチリばらばら、孤立した飯田としては精一杯の偽装でした。とても手ごわい相手と思われます」
管理官は警視庁内で自らの追い詰められた立場に苦悩し、起死回生の妙案を考え続けていた。
「そうだ、顔がばれているのは幸い女性刑事1人だ、この際徹底的にマルタイに接近し一気にその背景を特定し、テロ組織の殲滅に結びつけると言うのはどうだろう?」
会議室では管理官の意図をつかみきれず沈黙が支配する。
「虎穴に要らずんば虎児を得ずだ。飯田巡査、君に特命捜査を命ずる。マルタイの恋人になって、テロ組織との関係を暴き出してくれ!」
いつも顔を合わせる女性が自分に気があると勘違いし、尾行中の女性警察官に一目ぼれしたテロリストに間違われている男。
尾行捜査とは知られたくない女刑事。
恋と捜査が同時進行しながら、やがて爆弾テロリストの事件阻止に向かう。
それが「いつか見た刑事」!
「時々見かけるかわいい女、かっこいい男、実は皆な公安警察の尾行だったんです」
役者は、女性刑事は永野芽郁、気の弱い大学生は山崎賢人なら当たる!
(お知らせ)
他にこういうのも書いてます。ご感想などいただけると最高にうれしいです。
ドラマ企画100本目指します!