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フリオ・ウリーアス、2023年FA問題について考える。

19歳という若さでMLBデビューを果たした本名フリオ・セサル・ウリアス・アコスタ(Julio César Urías Acosta)も遂に2023年オフにFAを迎えます。LAD投手陣を支えてきたウリーアスは、ここ数年で印象に残る活躍を数多く見せてきました。20年PSでは、チームを32年振りの世界一に導く大車輪の活躍を披露し、22年はNL最優秀防御率のタイトルを獲得。間違いなくMLBの上位に位置する実力を持った選手に成長しました。FA時点の年齢は27歳と、2023年オフのFA市場においてCOLのヘルマン・マルケスに次いで2番目に若い選手であることに加え、参戦してくる投手がシャーザーを始めとした高齢化した選手が多いため、FA先発市場の中でトップクラスの評価を得ることが予想されます。争奪戦となることは必然でしょう。

今回はフリオ・ウリーアス、2023年FA問題にLADがどのように対応するのか考察していこうと思います。

これまでのフリオ・ウリーアス

メキシコ出身のウリーアスは、2012年に暴れん坊ことヤシエル・プイーグの視察に訪れていたスカウトの目に止留まり、同年8月にLADと契約を結びました。彼は元々生まれつき左目が殆ど見えていないというハンディキャップを抱えていましたが、投げるボールは一級品。2015年に左目の手術を経て、いくらか視力が回復したこともプラスに働き、順調にマイナーの階層を駆け上がると、2016年シーズン開幕前にMLB.comのプロスペクトランキングで球界全体4位という非常に高い期待を受けることとなりました。

LAD黄金期過ぎないか?


同年の5月27日に19歳という若さでMLBデビューを果たした彼は15試合に先発するとERA.3.38の成績を残し、球界全体の評価が間違っていなかったことを証明します。ウリーアスの同郷の英雄、フェルナンド・バレンズエラの再来と呼ぶ声もあり、将来のエースとして期待されました。2017年は5試合のみの登板に留まると、2018年の2月には左肩の手術を受けることとなり、2シーズン続けて思うような活躍は出来ませんでしたが、その後2019年は怪我の影響を考慮しリリーフに回ると、ERA2.49と活躍。20年から先発に復帰した後は徐々に投球内容を改善させ、2021年と2022年は先発ローテの1角として欠かせない活躍を見せ、オールMLBチームセカンドチームに2年連続で選出されるほどの選手となり、プロスペクト時代に期待されていた姿を見せてくれています。
"色々あった"けど、手塩にかけて育てた甲斐がありましたよ😭

俺(ウリーアス)か俺以外(の奴を優先する)か

前置きはこのくらいにして本題に入ります。
フロントは彼を残すのか。

結論から言うと200%残すと思います。これは断言できます。なぜそう考えるかについてですが、以下の4つを挙げてみました。

1.みんなが思ってる3倍はフロントが彼を評価している
これは投稿者の推測も入っていますが、フロントのウリーアスに対する評価は非常に高いと思われます。
プロスペクト時代からも当然高い期待を寄せられていたウリーアスですが、先程も触れた通り怪我などの影響で2シーズンはまともに活躍出来なかったこともあり、彼が先発に復帰して活躍できるかは未知数でした。2020年に先発に復帰した訳ですが、当時の投稿者は
「 ほぼ3年間まともに先発なんてしてないでしょ。大丈夫かね。」と心配していました。2020年は先発としてそこまで目立った活躍はありませんでしたが、2021年はERA2.96、2022年はERA2.16と素晴らしい成績を残しました。肩の怪我ということもあり、先発として活躍したのはルーキーシーズンのみだったウリーアスを先発に戻すという判断は、少々懐疑的な見られ方もしたはずです。普通なら躊躇してもおかしくないところですが、彼の才能をしっかりと見極め、評価していたからこそ、あのような成果が出せたのだと思いますし、彼への信頼度が高いことが窺えます。

2.23年オフはペイロールに余裕がある
今年は贅沢税回避に全力を注ぐ姿勢が見えるLADですが、23年オフのペイロールは現時点で計算すると$90MM程度。カーショウと再度$20MMの契約をしても$110MMであり、ペイロールには非常に余裕があります。元々贅沢税など気にしなくても良い程度に金満ムーブが出来るチームですが、来年のオフは金の暴力でウリーアスだろうが大谷だろうがぶん取ることが出来る訳です。(暴力とか言っちゃった💦ウリーアスの話題では禁句でしたわ😅)

3.とにかくスタッツが良い
彼の指標を詳しく見たことがない人もいるかと思いますので、下記の画像を見て下さい。

軒並み上位20%の赤い数値が数多く並んでいます。特にHardhit%は上位4%に入っており、強い打球を打たれない能力が高いことが分かります。2023年からシフト規制により極端な守備を敷くことは出来なくなりますが、GB%はチェンジアップを除くと30%そこそこの為、そこまで不利に働くことはなさそうな点も良き。

Hardhitを打たれないことに加え、シフト規制による影響をほとんど受けないと思われるウリーアスを、みすみす逃す理由はありません。

4.カーショウ引退後の左腕先発を確保しておきたい
現在34歳のカーショウは、CY賞を獲得していた全盛期に比べると、怪我が重なった事が影響してか球速は低下し、確実に衰えは来ています。未だに一線級の投手として活躍はしていますが、近年は1年契約を繰り返していることからいつ引退をしてもおかしくありません。傘下のプロスペクトを見渡すとマダックス・バーンズ、ロナン・コップがいますが、ETAは2025年であり、彼らのマイナーの成績を見るとまだ時間がかかりそうだという印象を受けます。よって彼の後を継ぐのはウリーアスしかいません。

大谷翔平の獲得も噂されるLADですが、個人的には大谷の獲得と同じレベルでウリーアスの残留は必要な事だと考えています。

大谷、一緒に夢を叶えようぜ。


契約規模予想!

ウリーアス絶対残留を掲げた投稿者ですが、残留に際しては大きな障壁があります。代理人スコット・ボラスの存在です。「ボラス案件」と呼ばれ、その敏腕振りから各球団のフロントを大いに悩ませてきた訳ですが、ウリーアスに関しても例外では無いでしょう。ウリーアスの今季年俸は約$13.7MMですが、当然この価格を上回るAAVになることは確実です。

LADは現在、5年以上の契約を結んでいる選手はベッツとフリーマンしかいません。それだけ長期契約に関してはシビアに考えていることが伺えます。ですが、ウリーアスを残したいと考えるのであれば、必ず5年以上の契約をオファーするはずです。彼を残留させる為に厳正なる審査の結果、以下のプランを考えました。

・6年$165MM or 7年$190MM

今オフのFA市場があまりにも高騰した為、市場評価が読みにくいですが、恐らくこの金額あたりに落ち着く(落ち着いてくれ頼む)と予想します。契約規模に関しては、NYYと契約したカルロス・ロドンの契約が一番参考になるでしょう。

※ロドンもボラス案件の投手であり、当初は7年$200MMを要求していたようですが、最終的には6年$162MMの契約に落ち着いています。

恐らくロドンクラスの契約は確実だと思います。年数に関しては7年まで予想はしましたが、そこまで伸びるとは思っていません。長くても6年契約と予想します。(ただ、長期契約にしてAAVは抑えるトレンドが続くのなら7年契約も可能性が出てくるかも)AAVはそれぞれ$27.5MM、$27MM位なので完全にロドンリスペクトの予想をしております。

予想が当たったら褒めてください🥺🥺🥺

こんな感じで、ウリーアスの契約に際して結構ポジティブな話を続けてきましたが、なんか思ったより予想金額低くね?ロドンより3歳も若いし、AAV$30MMとか出してもおかしく無いのでは?と思われた方もいるかもしれません。投稿者はあえてそこまで高い契約を予想しませんでした。というのも、彼については触れておかなければならない懸念事項があるからです。


懸念事項(主に身体的な疑問)

ウリーアスについて、LADファンほぼ全員が感じている疑問が1つあるはずです。

「ウリーアスって、毎試合まだ投げられそうなのに交代させられてないか?」

彼の登板試合を見たことがある人は、少なからずそんな印象を受けるのでは無いでしょうか?
あまり今季のウリーアスを観ていない方の為に、彼の今季の成績を載せました。

いかがでしょう?2022年のウリーアスはローテを飛ばすことなく31試合に登板し、175.0イニングを見事に投げ…

ひゃ、175イニング???なんか少なくね????

なんと、ローテを飛ばしていないにも関わらず、175イニングに留まっています。最優秀賞防御率を獲得するほど支配的な投球をしていたにも関わらず、なぜここまでイニングを喰えていないのでしょうか?

「球数がかさんだ結果降ろされてるんじゃね?」
いいえ、そうではありません。

31試合全てに先発登板したウリーアスですが、90球未満で降板した試合がなんと19試合もあります。
開幕直後の4月や、打ち込まれてやむなく降板した試合を除くと13試合ほどになりますが、まだ投げられそうなのに90球未満で降板している試合が非常に多いことが分かると思います。

※ちなみに、2021年は32試合で185イニング投げてますが、21試合は90球未満で交代しています。去年の方がヤバくね?

あまりにも早く降板させるロバーツ監督に対して、TwitterのLADファンからも疑問の声が挙がっています。

・ロバカスの無能ムーブ出たよ
・もっと投げさせろ、 2巡目が終わっても野球は続くぞバカタレ
・ロバーツ、お前のキャリアは盗塁で止まってんだよボケ
・"戦術ウリーアス"は20年PSの思い出だけに留めておけよアホ

と巷では言われているとかいないとか。しかし、投稿者の考えになりますが、これは決してロバーツが無能だからでは無く、フロントが主導となって起用しているからだと思うのです。

実はウリーアス、先発投手交代の目安と言われる100球以上を投げた試合がここ数年で数えるほどしかありません。と言うよりも、2016年のデビューから100球以上投げた試合が、たったの3試合しかありません。これが、彼と契約する上での最大の懸念事項となります。

キャリアで3試合?それって少ないの?と思う方もいるかもしれませんが、少な過ぎです。今年規定投球回を達成した選手限定で投球数を全て確認しましたが、今シーズン平均で8回は100球以上を投げています。

※ちなみに、規定に乗った投手の中で100球以上を投げた試合がないのはクルーバーのみ。
ただ、21年〜22年まで広げると、最も少ないのはウリーアスの2回です。


怪我の影響でそもそも先発していない年もあるため、少なくなるのは当然ですが、キャリアを通じて3回というのはやはり異常に少ない数字です。
ここまであからさまに投球数が少ないと、何かあるのではと考えてしまいます。
なぜここまで少ないのか。投稿者なりに2つ理由を考えてみました。

1.チーム全体の方針として、先発投手が100球を超える投球を制限しているから

先程からウリーアスの投球数の少なさについて触れてきましたが、LAD先発陣はどうなのか?と思い調べてみました。すると、興味深いことが分かりました。
(ルーキーのペピオ、グローブは除いています)

・2022年のLAD先発陣で、100球を超える投球を行った選手はビューラー、ウリーアス、アンダーソン(LAA)だけ。カーショウ、ゴンソリンは1度も100球を超える投球を行なっていない。
・アンダーソンが2回、ビューラー、ウリーアスは1回しかなく、全体的に先発投手は球数が非常に少ない。

上記の通り、2022年のLADは先発投手を100球未満で交代させる傾向にあると言えます。アンダーソンが良い例で、彼はショートスターターから先発として登板するようになってから、ウリーアスと同じように、100球未満で交代する試合が目立っています。先発投手の球数を抑えたいというチームの思惑が伺えるのではないでしょうか。今年の話ではありませんが、2021年にLADは当時所属していたマックス・シャーザーに対して球数制限を設けたところ、シャーザーから「もっと投げさせろ」と不満を露わにされたことがあります。それだけLADは先発投手に対して過保護になっているとの見方もできます。

じゃあ、球数が減って当然だよな!一件落着!としたいところですが、

・カーショウ、ゴンソリンはそれぞれ肘、肩の故障からの復帰を果たしたシーズンであり、無理をさせていない。
・ビューラーについては投球内容が…ワル…ダカラ、100球にそもソ…届くマエにコウタ…頭がぁ!!!!

上記の諸事情がある選手も多いので、根拠としては弱い気がします。
(ヒーニーは故障が多すぎたので先発投手の枠から外しました。もちろん100球以上投げた試合はありません)

2.18年に手術した左肩怪我の状態を重く見ているから

投稿者が1番恐れていることであり、恐らくこれが原因ではないかと考えています。冒頭でも触れましたが、彼は18年に行った左肩の手術の影響で、まともに先発が出来なかった時期があります。投稿者は契約規模予想で、AAV $30MMの予想をしませんでしたが、これは怪我のリスクが大きいと考えているからです。来オフ、FA先発市場の第1オプションとなるはずですが、せいぜいAAV $25MMを超える程度で、AAV $30MMまで提示する球団は無いのではと勝手に思っています。

もう怪我から4年ほど経っているにも関わらず、100球を超える球数を投げさせたくないと考えているのであれば、これはかなりの懸念材料になります。
ただ、球数を投げていない為か、本格的に先発に復帰した21年〜22年の間、ILに入ったのは1度だけ。その理由も2021.8.13のNYM戦で打席に立った際、トレバー・メギルから受けたデッドボールが原因の左足打撲で、大事をとってのIL行きでした。肩や肘などの怪我が1度も発生していない事はポジティブに考えても良いのかもしれません。
また、フロントがここまで慎重に起用しているからこそ、ここまでの成績を残しているとも言えるので、彼の今後をサポートする上でも、LADこそが最適な環境であると思います。
さらに、6年〜7年契約までにまとめることが出来れば、30代半ばまでの契約となる為、身体的な問題が顕在化する前に契約が満了、若しくは1年〜2年程度怪我で離脱したとしても最小限のダメージで抑えることが出来るのではないでしょうか。

絵になる男ウリーアス


こんな感じでウリーアスの契約規模、懸念事項については以上になります。出来ればFA市場に出る前の今オフ中にさっさと、契約をまとめて欲しいんですけどね…
噂すら聞かないのはなんででしょうね😡😡😡

総評(お前にはドジャーブルーの血が流れてるはずだ)

ウリーアス、お前は球団にとてつもない恩があるはずだ。そうだよ。"アレ"だよ。分かってるよな?おーん?
今日、俺はたくさん君を褒めました。今度は君がそれに応える番ですよ。

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