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休日のため息

今年は落ち着いて休めそうだな…

僕はそう思っていた。

妻は31日まで仕事だから、子供たちの世話をしなければいけない事になっていた。
別に嫌でもなかったし、仕事のことを忘れてこの数日間は思いっきり息子たちと休みを満喫してやる事にした。

大体の施設が29日まで営業しているので、最初の2日間はすぐに予定をたてることができたし、30日は家で掃除を子供と遊びながらやって、31日は一日中家のなかでテレビで子供番組やらを見てすごそう。

そう目論んでいた。

実際、僕の計画はこの上なくスムーズに進みだした。

途中、下の子供が冬の公園を走り回ったせいか、体調をくずしかけたが、なんとか持ちこたえてくれた。

ところが、29日の夕方ごろから問題が発生し出した。

ちょうど、子供たちが昼寝をしていたころだ。

洗濯物をたたみ終え、ソファーに寝転がりながらスマートフォンでTwitterを眺めていた。

まだ、今日も仕事をしている人はいるみたいだな。

むしろ、自分がフォローしている人たちはほとんど仕事の内容を呟いている。

そうか…

僕は年始から仕事だし、年末は休んで当然だろ。

年末の際まで働かないといけないなんて、まったくゆとりのない社会だな。

もっと楽しいことを増やさないといけないよ。

何度か心のなかで自分に言い聞かせて見たものの、僕の頭に浮かんでくるのは、今年中に終わらせる予定だったが完成させることの出来なかったプレゼン資料のことだった。

他の仕事も残っていたため、早くやってしまいたい気持ちもあったが、年末は休むと決めていたた。
仕事納めの日に舞い込んだ別の仕事のせいにして今年中の完成を諦めるつもりだった。

けれど

本当はそれでいいはずなのに、わかっているのに、やらくてはいけない気がして心のなかをゾワゾワさせる。

自然とため息がでる。

僕は何をしているのだろう。

休日を満喫しているはずなのに
本当に子供たちとの楽しい時間を過ごしているはずなのに

なぜだか焦りがある。

時計をみると午後4時を過ぎた頃だ。
子供たちはあと一時間半くらいはねてくれるだろう。

そのうちに少しやってしまおうか。

よし、一時間集中できれば、結構進むぞ。

意気込んで、立ち上がった。

子供たちが脱ぎ散らかした靴下を見つけたので、脱衣所に向かう。

洗濯かごに投げ込んだが、手前に落ちて、コロコロと転がった。

大量に残っている洗濯物をしまうのを忘れている。

その光景を目にしたとき、僕は勢い良く靴下を放り込む気力がなくなっていたのだ。

あぁ。

忘れてた。

これを片付けないと。

ついでに、晩御飯のおかずも作ろう。 

あぁそうだ。靴箱の整理もしたかったんだ。

もしかしたら、なんとか理由をつけたいのかもしれない。

サボる理由を

体はそう言っているのかもしれない。

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