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宮城まり子さんを知ってますか?

 「ながら族」などしょっちゅうのことだが、先日ネットを見ながらふと気づくと、ぼくが小学2年で、初めてファンになった宮城まり子さんの「靴磨きの少年」いや「ガード下の靴みがき」がかかった。
 懐かしい曲だ。じっと耳を向けていると ― あったあった、子どもの台詞が入るのだ。

   ネ、小父さん、みがかせておくれよ、
   ホラ、まだ、これっぽちさ、
   てんでしけてんだ。
   エ、お父さん? 死んじゃった……
   お母さん、病気なんだ……

 この声が聞こえると、鼻の奥と瞳の奥にこみ上げるものが走った。何だろう、これはどういうことだろう。
 ぼくより少し上の世代の子どもの姿が飛び込んでくる、直弾だ。歌詞に添えられた、生の声で。

墨に汚れた ポケットのぞきゃ   今日も小さな お札だけ   風の寒さや ひもじさにゃ   馴れているから 泣かないが   ああ 夢のない身が 辛いのさ

 これを知る世代が少なくなった昨今、ぼくですら忘れていたのだから、若い人に分かってくれと頼む資格などないのだが…。 

 宮城さんが「好き」になったのは、ラジオに流れる「毒消しゃいらんかね」の歌声だった。しかし、「ガード下の靴みがき」に込められていたもの、それは幼い自分にも響いてくるものだった。

 今では、靴磨きの少年といえば世界恐慌、株の大暴落を指すというから、若い人たちには全くピンと来ないだろう。だからこそ、靴磨きの少年が、駅前はもちろん人通りのある街角に、時には列を作ってお客を待つ光景のあったことを忘れてはいけないと自戒する。

列を作って客を待つ、靴磨きの少女、少年たち

 3番には、次の歌詞が綴られている。

  誰も買っては くれない花を
  抱いてあの娘(こ)が 泣いてゆく
  可哀想だよ お月さん
  なんでこの世の 幸福(しあわせ)は
  ああ みんなそっぽを 向くんだろ

 作詞は宮川哲夫さん、作曲が利根一郎さん。とてもではないが、真実の思いがなければ、この曲は作れない。歌もそうだ。

 宮城まり子さん(1927年3月21日~2020年3月21日)は、女優でもあり、紅白歌合戦に8回も出場した人気歌手だった。しかし、日本初の民間社会福祉施設(「ねむの木学園」)を作って、学校法人、養護学校など、まことに言葉をはるかに上回る活動をされた。上皇さまご夫妻とは若い頃からのお付き合いがあり、お二人は度々ねむの木学園やねむの木学園の美術展を訪問されたという。

これを読まれた方。ぜひ「ガード下の靴みがき」を聴いてください!


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