【キネマ救急箱#28】ザ・ロストシティ 〜ジャングルとゴリラとブラピと〜
こんばんは。
ニク・ジャガスです。
先週末、待ちに待った『ザ・ロストシティ』を鑑賞してきました。
思い返せば昨年末、この写真をTwitterで発見したときは、嬉しさでどうにかなりそうだった。
「チャニング・テイタムが本格的にスクリーンバックしてくれる!」
という嬉しさと、
「どういう状況…?」
という可笑しさで、期待値が爆上がり。
本国アメリカでは3月に公開されており、評価も上々だっただけあって早く見たいと切望した半年間。
この度、やっと本懐を遂げる事ができたので、感想を書こうと思います。
可哀想なチャニング・テイタムが狂おしいほどに可愛い
本作、日本では大々的なプロモーションを行っておらず、吹き替え版を俳優の田中圭が務めることや、アンミカ&ZAZYによる劇中シーンの再現など、洋画が公開される際の定番イベントが開催されました。
ただですね、本作に関するニュースの見出しを見てみると。
・サンドラ・ブロック&ブラット・ピット
・サンドラ・ブロック&ダニエル・ラドクリフ
・ブラット・ピット&ダニエルラドクリフ
このような組み合わせばかり。
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> チャニングは!? <
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主演のはずが、存在を抹殺されるチャニング。
「かわいそう!」と思う反面、そこが愛くるしくもある、という微妙なファン心理。
日本のファンに向けたインタビュー動画でも、「チャニングみたいになりたい!」という男性に対して、直前までニコニコしてたのに「どうして俺なんか…」と急に意気消沈。
People誌の「最もセクシーな男」に選ばれ、全米でショーをプロデュースする程のイケメンが、自己肯定感の低さを露呈するとは!
そんな可哀想だけど愛おしいチャニング、昨年公開の映画『フリーガイ』のサプライズ出演を除けば、実に5年ぶりのスクリーンバック。
チャニングは勿論、豪華俳優たちの度を超えた演技が光る、最高のロマンスコメディでございました。
「脳ある鷹は爪を隠す?」コメディ俳優たち
コメディ俳優は「脳ある鷹は爪を隠す」の良い例なのでは?と、いつも思います。
売れっ子の恋愛小説家、ロレッタ(サンドラ・ブロック)は、夫を亡くしてからずっと引きこもり状態。
そんなインドア女性が、ド派手なジャンプスーツを着せられ、変態富豪に孤島へ拉致され、古代都市を巡る冒険を強いられる。
例えるなら『トゥームレイダー』のララ・クロフトと真逆の人物。
戦闘能力ゼロ、サバイバル能力ゼロなのに、何故か体力だけ有り余っている。
コメディ作品の主人公は、どこか憎めないポンコツだったり、ことごとく人生が上手くいかないなど、観客の視線を少し下げるような設定が多い。
例えば、ラブコメの金字塔『ブリジット・ジョーンズの日記』で主人公ブリジットを演じるレニー・ゼルウェガー。
映画を見ていると、現実のレニーもブリジットのようなドジっ子で、どこか抜けている女性なのでは?と思わず想像したくなります。
ですが実際は、月日をかけて徹底した役作りを行い、現場スタッフからの信頼も厚く、頼れる女優さんだそう。
似たようなギャップを『ザ・ロストシティ』のサンドラ・ブロックにも感じます。
絶妙な間、過剰すぎない演技、本当に身近にいそうな人物像。
笑いを誘うセリフを、違和感なく自然に発しなくてはならない。
大スターが観客に「しょうがない奴だなぁ〜」と思わせるには、かなり繊細な演技センスが必要なのでは、と思います。
昨今のハリウッドでは、ジェシカ・チャスティンやマーゴット・ロビーなどを始めとして「俳優」と「製作」の双方で活躍する女性が台頭してきましたよね。
サンドラ・ブロックも例に漏れず、本作の構想をずっと温めていたそうで、プロデューサーにも名前を連ねています。
「この作品を最後に、しばらくハリウッドと距離を置く」と宣言している彼女。
9月公開のブラット・ピット主演『ブレット・トレイン』にゲスト出演はしますが、以降のスクリーン復帰は白紙です。
数々の映画をヒットに導いた「アカデミー賞女優」で「ラブコメ女王」の最後(?)の勇姿を是非、映画館で堪能してください。
ジャングルとゴリラとブラピ
本作、多くがジャングルのシーンで構成されています。
てっきりスタジオのセットだと思っていたのですが、どうやらドミニカ共和国で本格的なロケ撮影を敢行したようです。
ならば製作スタッフ、俳優たちは相当過酷な環境に身を置いていたのでは…と想像して素直に笑えなくなります。笑
まぁ、それは大袈裟にしても、苦しい状況で涼しい顔をするには「努力の痕跡を完全に隠す」ことが必須ですよね。
変態富豪役のダニエル・ラドクリフを猛暑の中でも汗ひとつかかないキャラにする為、常に複数のスタッフさんが横で扇風機を回していたそう。
日差しは強いし、衣装は蒸れるし、常に動物や虫に囲まれたでしょう。
…本っ当に、面白い作品を見せてくれてありがとう!
あとは何と言っても、ブラット・ピットが最高。
スクリーンに映っている間ずっと笑って、ほっぺの痙攣が止まらなかった。
非の打ち所のないイケメン、抜群の身体能力、時に老子の名言を引用しながら颯爽とロレッタを救う……横で子犬のようにブラピを慕うゴリラ、チャニングも激烈に愛くるしい。
頼もしい冒険家は1人も出てこないアドベンチャー・ロマンスコメディという新ジャンルの一作。
是非、日常の小さな疲れを癒しに、劇場へ足を運んでみてください。
本日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました☺️