読書記録『未来を生きるスキル』 鈴木謙介:著

 どうも!おはようございますからこんばんわ!まで。

 なんか、読み終えたばかりですぐに備忘録的な物を書きたくなったのでこうして筆をはしらせています。

 一言で言えばある程度確立の高い答えが見えていた時代では当たり前的に捉えられていた考え方への固執では生きていくのが難しく、固執せず色んな考え方を模索し実践する、実践の過程で出てくる色んな考え方・多様性を許容する器が社会に求められているという論なのかなと印象を持ちました。

 例えば、第3章第2節では高等教育における学ぶという意味を学んだ内容ではなく学ぶ姿勢に置き換えた方が良いのではないかと著者の鈴木謙介は主張しています。実際、大学のゼミで取り入られている傾向にあるアクティブラーニングも要素分解していく過程でたどり着くのはPDCAサイクルを回すことだと私は思います。その基礎をトレーニングするのがアクティブラーニングで、実際には取り扱う商材が社会学や法学と言った学問からビジネス毎における商材や企業規模,会社の立ち位置(創業仕立てのベンチャーでどうやって新規開拓をしていくかや商材や会社をPRするためにどの客層をめがけてPRするかやどのような手法でPRすれば効果が高いのか等)といった物に変わるだけという、単純な理解になると私は思いました。昨今、大学教育を巡っては実学や専門学校チック化が叫ばれていますが、丁寧に要素分解していけば高等教育が積み重ねてきた手法は、時代の移り変わりの過程で陳腐化されにくい物に生まれ変わる可能性があると思いました。

 また例えば、第4章第2節では商品経済に依拠しない要素(脱商品化)も必要ではないかと提唱していますが、あくまでもここでいう脱商品化は昔ながらの町内会や自治会のようなコミュニティではなく、例えばお隣さんから調味料を貸し借りしてもらえるような関係性や立ち飲み屋さんみたいな経済合理性だけで見たらチェーン店に負けるけど、居心地の良い馴染みの店みたいなイメージだそうです。地域内におけるコミュニティ(町内会,自治会)が疎遠になり衰退する背景の一つとして、コミットすることでのメリットが見いだせない側面はあると思います。だけど、単独で生きるということが難しい中で、極度に束縛するような感覚ではないけどなだらかなつながりを持ちたいと考えたとき、単純に経済合理性だけで考えたら不合理だけど、程よいつながりを構築することを投資コストとして考えたら本当は合理的だったという側面があると思いました。

 とまぁこんな感じで備忘録を書いてみましたが、世の中の移り変わりが早くて激しい時代だからこそ、一度その速さを精査するために一読してみても良いと私は思います。 

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