【アイドレス】芝村メソッドについて(1)大目標を考える

はじめに

前回の記事では、目標の整理の中で芝村さんが過去(2017年8月)に掲示した芝村メソッドについて触れました。

これに関して、今回からしばらくは、芝村メソッドとは具体的にどんな作業をしたらいいんだろう、ということを考え、自分なりのイメージを書き記していこうかと思います。

芝村メソッドとは

同じことの繰り返しになりますが、芝村メソッドについて改めて概要をお話しようかと思います。
まずは、実際のページから。

記事のタイトルは「藩王、華族、リーダー向け資料 芝村メソッド」とあります。
藩王、華族は藩国のリーダーなので、藩王、華族、またはリーダー、というよりも、「藩王や華族など、集団のリーダー向けの資料」ということでしょう。

リーダーとは

記事の始めに、リーダーについての定義の記載があります。

〇リーダーとはなにか
 リーダーとは計画、説得、組織化の活動を通じて集団の統合を維持し、集団の課題達成に方向性を与える役割を担う者です。

端的に記載されているのでこれ以上の説明もいらないように思いますが、リーダーの活動の目的と手段は下記、ということになります。

リーダーの活動の目的:
・集団の統合を維持する
・集団の課題達成に方向性を与える

手段:
・集団の計画をする
・集団の説得をする
・集団の組織化をする

引用元の文を分解しただけなのでなんの情報も増えていませんが、整理はできたかなと思います。
これ以降にお話しすることは、引用元も私が記載することも、上記、目的のための手段を更に具体的な手順に段階的に落とし込むことを目的としています。

計画とは

では、まずは1段階だけ具体化してみます。
手段の1つ目、「集団の計画」とはなんでしょう。
元記事から引用します。

〇集団の統合のために計画とは
 何をするにしても集団は一つにまとまらないと意味がありません。一つにまとまって、まとまり続けるために計画がいります。

こちらに計画の目的が定義されていますね。
計画の目的とは下記ということになります。

計画の目的
・集団を一つにまとめること
・集団を一つにまとめ続けること

しつこいと言われそうですが、私自身が理解を深めるためには、こうやって1段階ずつ認識を構造化しなければならないので、ご容赦ください。

なぜ集団をまとめる、まとめ続けるのに計画が必要なのでしょうか。
こちらは、前回の記事で私が陥ったような、今実施している作業の目的を見失い、なんのために作業しているか分からなくなる事例などが、集団がまとまらなくなる事例なのかもしれません。

今回の引用文には目的に対する手段は記載されていません。
これは、引用元でその後に記載されているチェックリストが手段に該当するからでしょう。

チェックリスト2
□集団に大目標がいります。皆が進んで辿り着きたい永遠の大目標を設定してください。
□集団に小目標がいります。差し当たって大部分の皆が進んで辿り着きたい1週間でできる小目標を設定してください。
□まとまり続けるための活動を企画、計画し、人員とスケジュールを押さえないといけません
□集団の大目標、小目標を達成するためにストーリー(筋道)が必要です。どんなストーリーで目標に到達するのか考えましょう。

これらが計画のための手段となります。

大目標とは

□集団に大目標がいります。皆が進んで辿り着きたい永遠の大目標を設定してください。

今回の記事ではこのチェック項目について考えてみようかと思います。
最初に考えるべきは、大目標ってなんだろう、という点でしょう。

引用文には「皆が進んで辿り着きたい永遠の大目標」とあります。これをそのまま定義にすると「大目標とは皆が喜んで辿り着きたい大目標である、では大目標とは……」というループに陥ってしまうので、もう少し別の言い方におきかえてみます。

注目したいのは、文中の「永遠の」という点です。
永遠の目標というと、いつまでもたどり着かないという意味に思えます。

ただ、個人的にはここで言う永遠の大目標とは、達成したら集団が役割を終える、集団の最終目標という方が解釈としてはしっくりくるように思います。
集団の存在意義、と言い換えても良いかもしれません。
各人それぞれで色々と考えることは異なりますが、藩国なりその他の集団なりに所属したならば、その集団全員で共有できる目的が存在するはずです。
それを探り当てるのが大目標の設定ということなのではないかなと思います。

また、翻って、大目標が集団全員で共有した目的だとするのならば、その集団内では大目標に関係のない作業は、原則として行うべきではないと思います。
(芝村メソッド内には目標と関係ない作業として課題が定義されていますが、この時点では触れません)

あるいは、大目標に関係のない作業だが集団全員が受け入れている作業が存在するのならば、それは大目標の方に誤りがあるのでしょう。

まとめてみると、下記になりました。

大目標とは
①集団の最終目標。達成したらその集団は役割を終える
②原則、集団は大目標と関係のある作業だけを行う
③大目標と関係ないが集団が受け入れている作業が存在するなら、大目標に誤りがある

大目標を考える

以上を踏まえて、具体的に大目標を考えてみます。
今回は、この記事を読んでくださっている方々にもイメージがしやすいよう、集団は「アイドレスプレイヤー全員」として検討してみます。

なお、言うまでもなくこれは私個人が試しに考えてみただけの内容です。アイドレスプレイヤーの大目標はこれだ、と決めつけるものではないことを、予め述べさせて頂きます。

まずは前項の①で記載した部分について考えてみます。
この時点ではあまり考え込んでも仕方ないので、ぱっと思いついたところで「グレートエンディングを迎える」と仮置きしてみましょう。

グレートエンディングとは、現在判明している中で最高と言われているエンディングです。
その条件や内容はまだ不明なことばかりですが、B世界との和平が一つの条件といわれています。

アイドレスで最高のエンディングを迎える。それができたなら、アイドレスプレイヤーはその役割を終える。
そう考えるとしっくりきます。大目標として設定するにはいい目標ではないでしょうか。

大目標を検討する(1)

では続いて、②、③について検証します。
始めに、②で記載した「大目標と関係のある作業」とは何かを考えてみましょう。

グレートエンディングを迎えるために、やらなければならないこととはなんでしょうか。
徒然と考えてみると、そもそも達成条件が分かりません。何をどうすれば、グレートエンディングを迎えられるか調べる必要があるでしょう。
大目標にぶらさげてみます。

グレートエンディングを迎える(大目標)
┗ グレートエンディングの条件を調べる

他にも、現在判明している(と思われる)条件があります。前述した通り、B世界との和平です。
更にもう少し細かく考えると、B世界と和平を結ぶには、交渉のテーブルにつかせるための軍事的勝利が必要でしょう。
また、現在B世界とは没交渉です。誰と交渉するのか、どうやって交渉するのか、といったことも検討する必要があります。
これらもぶらさげてみましょう。

グレートエンディングを迎える(大目標)
┣ グレートエンディングの条件を調べる
┗B世界と和平を結ぶ
 ┣軍事的勝利を得る
 ┗ 交渉ルートを見つける

実際に作業を進めるにはもっと細かくまで考える必要があるでしょうが、なんとなく大目標に関係のある作業のイメージはつかめたように思います。

では、アイドレスプレイヤーが行っている作業は、全てこういった内容なのでしょうか。

その答えは、Noであると思います。

例えば、全ての藩国は、内政用の施設や政策アイドレスを作っているかと思います。これは、全てグレートエンディングのために作成しているのでしょうか。
藩国が豊かになればB世界との軍事的勝利にも関連しますので、影響はあります。ですが、それが第一義ではないでしょう。

では、内政用のアイドレスは何を目指して作成しているのでしょうか。
これはシンプルに、それぞれの藩国のプレイヤーのみなさんが、自分の理想の藩国を作りたいからではないでしょうか。

これは、グレートエンディングとは別の話だと思います。
考えてみれば、そもそもグレートエンディングの存在を知る前から、プレイヤーの皆さんは自分たちの藩国を育ててきた訳なので、当然の話であるようにも思います。

となると、③より「グレートエンディングを迎える」は大目標ではないことになります。グレートエンディングを迎えるのも必要である以上、より上位の大目標が存在するのでしょう。

ちなみに、例として藩国を挙げましたが、実際には共和国や帝国全体を理想の状態にしたい、という方もいらっしゃるでしょうし、独自組織を理想の状態にしたい、という方もいらっしゃるかと思います。
ここではこれらを総称して、「理想のニューワールド(NW)を作る」としたいと思います。

ここまでをまとめてみると、こんな感じになりました。

???(大目標)
┣グレートエンディングを迎える
┃┣ グレートエンディングの条件を調べる
┃┗B世界と和平を結ぶ
┃ ┣軍事的勝利を得る
┃ ┗ 交渉ルートを見つける
┗理想のNWを作る
 ┣理想の藩国を作る
 ┣理想の帝国を作る
 ┣理想の共和国を作る
 ┗理想の組織を作る

では、ここで「???」と置いた大目標は何になるのでしょうか。
この「???」は自分たちの理想のNWを作り、グレートエンディングを迎えることができたら達成できる目標になるという事になります。

ここは個人的な意見になるかもしれませんが、自分たちの理想のNWができた後、グレートエンディングに期待することとなると、めでたしめでたしでアイドレスが終わり、ゲーム終了後も理想のNWが続いていくこと、ということ、という事になるのではないでしょうか。

そう考えると大目標とは、少し長いですが、「理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていくこと」となるように思います。
まとめると、こういった形になるでしょうか。

理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていくこと(大目標)
┣グレートエンディングを迎える
┃┣ グレートエンディングの条件を調べる
┃┗B世界と和平を結ぶ
┃ ┣軍事的勝利を得る
┃ ┗ 交渉ルートを見つける
┗理想のNWを作る
 ┣理想の藩国を作る
 ┣理想の帝国を作る
 ┣理想の共和国を作る
 ┗理想の組織を作る

ぱっと思いついた大目標について検討してみると、一段階上の大目標が見つかりました。

大目標を検討する(2)

では、検討の結果見つかった、一段上の大目標についても検証してみます。
アイドレスプレイヤーのすべての作業は、「理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていくこと」という大目標に基づくものでしょうか。
実際、ほとんどの作業はこの大目標に基づくように思います。
なので、少し見方を意地悪な方向に変えてみようかと思います。

例えば、System4開始時には、比較的大規模に新規プレイヤーの募集が行われました。こうした活動は、「理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていく」ために行われているのでしょうか。

こちらも、前回の検討と同様、大目標と関連しない訳ではないですが、第一義ではないのではないでしょうか。もちろん人手が多ければ多いほど、理想のNWを作るのもグレートエンディングを目指すのも容易になります。
ただ、本質的には、一緒にアイドレスを遊ぶ仲間が増えたら楽しい、という点が目的なのではないでしょうか。

深く考えずに「一緒にアイドレスを遊ぶ仲間が増えたら楽しい」と記載しましたが、この「楽しい」という点は、元の大目標「理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていくこと」にも共通するように思います。

「楽しい」だけでは①で定義した「集団の最終目標。達成したらその集団は役割を終える」という点とうまく適合しないため、この場合は、「(アイドレスを)楽しみきること」という事になるでしょうか。

この内容でこれまでの記載をまとめてみると、次のようになりました。

アイドレスを楽しみきること(大目標)
┣理想のNWを作り上げ、それがゲーム終了後も続いていくこと
┃┣グレートエンディングを迎える
┃┃┣ グレートエンディングの条件を調べる
┃┃┗B世界と和平を結ぶ
┃┃ ┣軍事的勝利を得る
┃┃ ┗ 交渉ルートを見つける
┃┗理想のNWを作る
┃ ┣理想の藩国を作る
┃ ┣理想の帝国を作る
┃ ┣理想の共和国を作る
┃ ┗理想の組織を作る
┗新規プレイヤーの募集を行う

ここまでくると、大目標に関係のない作業は私にはちょっと思いつきませんでした。
この先、また色々と検討を行っていけば、さらに上の大目標が見つかるかもしれませんが、今回の検討はここまでにしようかと思います。

終わりに

長々と検討して、最終的なアウトプットとして出てきた大目標が「アイドレスを楽しみきること」というあたり、一体なんの役に立つのか、といった感じの成果物になってしまいました。

ただ、こうして検討した大目標は、以降の芝村メソッドの作業を行う全ての土台になるため、重要ではないかと個人的には思います。

どうしてそう考えたのか、賛否は別としても過不足なく伝わるよう、自分の意見をまとめられたらいいなと思います。

次は、この大目標を元にした小目標やストーリー(筋道)について書いてみたいなと思っています。