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事件です!× 警視庁第二機動捜査隊乃木坂分駐所 EP3 怪しい男



櫻坂署会議室

強盗殺人事件の捜査本部が置かれ、本庁から遠山管理官がやってきた。

遠山:まず、被害者の状況報告から。

刑事1:名前は東田康次郎、65歳。都内でレストランを数店舗経営している実業家です。死因は登山ナイフで刺されたことによる出血性ショックで、死亡推定時刻は今朝の朝7時から8時の間と出ています。

遠山:犯行現場の状況報告。

刑事2:犯行現場の部屋は荒らされており、他の部屋も同じような状態になっていました。また、被害者の財布から現金が無くなっているのと、金庫をこじ開けようとした痕跡があることから、強盗殺人とみて間違いないです。

遠山:ご苦労、今回の事件は報告の通り強盗殺人の線から捜査をする。捜査の割り振りは後ほど行う。それまで待機。

刑事たち:はい!

捜査員たちは解散し、それぞれ捜査を始める。

蘭世:強盗殺人かあ…めんどくさい事になったね。

〇〇:まぁね、あの管理官噂だと結構厳しい人らしいし。

蘭世:目つけられないようにしないと…

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一方取り調べ室…

小池:お名前は?

男:…

小池:黙秘しちゃうかあ…

男:山田太郎

小池:役所みたいな名前だね。年齢は?

男:3歳。

小池:3歳ね…って、そんなわけないだろうが。

男は小池刑事をジーッと見つめる。

小池:なんでさ、万引きしちゃったの?

男:…

小池:盗んだのはお茶にパンにお菓子…魔が差しちゃったのかな?

男:…

小池:お仕事何してるの?

男:フリーター…

小池刑事が男を見ると、目が虚ろになり視線も定まらない。

小池:もしかして…お酒飲んでるかな?酔っ払ってる?

男:…

さらに目線を下にやると、首元から汗が出ている。

小池:この部屋暑いか?水持ってこようか?それとも…

"アレが切れちゃったかな?"

その一言を聞いた途端、男は小池刑事の方を見つめる。

小池:首からの汗…そういうことだよね?

男は立ち上がり、帰ろうとするも小池刑事は腕を掴む。

小池:身体検査しようか…いいよね?

確認をし、ポケットの中を確認する。

小池:これは…お財布か…

中にはびっしりと1万円札が、少なくとも15枚は入っていた。

小池:こんなにお金あるなら、万引きしなくてもいいのに…免許証もあるね?

免許証を取りだして名前を確認する。

小池:湯沢真也さんね?31歳…

そう言った瞬間男は暴れ出し、脱走を図ろうとする。

小池刑事はすぐに取り押さえようとするも、男も必死に抵抗してくる。

小池:おい!誰か来てくれ!

男:離せ!離せよ!

〇〇:おい!何してるんだ!

たまたま声を聞いた〇〇が駆けつけ、2人がかりで男を取り押さえる。

〇〇:蘭世!手錠かけろ!

蘭世:わかった!15時38分、公務執行妨害で現行犯逮捕します!

男は手錠をかけられるとようやく落ち着く。

〇〇:とりあえずこの状況で取り調べは無理だな、下の留置所に連れていきます。

小池:はぁはぁ…ご苦労…

男は虚ろな目をしたまま、〇〇と蘭世によって連行される。

由依:小池くん大丈夫?

小池:なんとか…久しぶりに犯人と戦いましたよ…

土田:無理はするなよ?

小池:はーい…いてて…

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翌日、小池刑事は逮捕した男を取り調べ室に連れていく。

由依:土生課長!外国人スリを現行犯逮捕しました!取り調べ室使います!

土生:今小池くん使ってるから待ってて?

由依:わかりました…ほら!あんた座ってなさい!

外国人は椅子に座り取り調べ室が空くのを待つ。

〇〇:あの…すいません。

土生:鈴木刑事に寺田刑事、どうかしました?

〇〇:警ら中に車上荒らしを見つけたので現行犯逮捕しました。

土生:ご苦労さまです!今部屋が空いてないので少々お待ちください!

〇〇:わかりました。

蘭世:全く…朝から何してんだか…

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捜査本部

刑事:凶器のナイフが見つかりました!

遠山:どこでだ!

刑事:櫻坂駅近くの河原です!捜索中にみつけ、鑑識に回しています!

遠山:それで犯人の目星は着いたのか?

刑事:調べていたら一人の男が出てきました。板屋翔一29歳、昨年登山ナイフを買っています。被害者との接点はありませんが…

遠山:任意でそいつを引っ張ってこい。

刑事:わ、わかりました!

刑事はすぐに部屋を飛び出していく。

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刑事課

〇〇:まだかよ…遅いな…

刑事:あの、よければこっちの取り調べ室使います?今終わったんで。

〇〇:ありがとうございます、使わせてもらいますね。

〇〇は被疑者を取り調べ室に連れていく。

里奈:すいません!あの、パトロール中に銃声が聞こえて…

土生:銃声!?

里奈:んで、調べてみたら猟銃の誤発砲らしくて…

男:すんませぇん…うちで手入れしてたら間違えて引き金引いちまって…

土生:わかった、とりあえず書類書いてもらいますからお連れして?

里奈:わかりました!

男:その前に…トイレ行っていいですか?

里奈:部屋出て右にありますよ?

男は猟銃をデスクの上に置いてトイレに向かう。

その頃取り調べ室では、湯沢は黙秘を貫いていた。

小池:コーヒー飲むか?持ってくるよ。

小池刑事はコーヒーメーカーに向かう。

コップをとってセットしようとしたその時、手が当たる。

〇〇:あっ、小池さん。

小池:どうも…どうぞ?

2人の雰囲気はなんだかぎこちない。

飛鳥:あー!疲れた!きゅーけーきゅーけー

美月:〇〇さん、私にもコーヒーください。

〇〇:はいよ。

〇〇がコーヒーを淹れている間に、小池刑事は取り調べ室に戻る。

だが湯沢の姿はなかった。

小池:まさか…!

湯沢はゆっくりと刑事課を歩いているが、みんな忙しくてそんなことを気にしている暇はない。

そして湯沢はデスクの上に置いてあった猟銃を手に取る。

ちょうど土生課長が書類を出しに席を立ったとき、後ろで「カチャッ」という音がした。

湯沢:動くな…

土生課長は恐る恐る後ろを振り返ると、首元に銃口が突きつけられていた。

湯沢はそのまま土生課長のデスクの上に乗っかり、大声で叫ぶ。

湯沢:動くなあぁぁぁぁ!!!

部屋の中の人達は一斉に湯沢の方を向く。

小池:おい!馬鹿な真似はよせ!

湯沢は小池刑事の方に向かって発砲する。

幸いにも弾は当たらず、そのまま床にのめりこむ。

湯沢:おい、そこ鍵閉めろ…

部屋のドアを指す。

〇〇:ちょっと待て、関係ない人は解放しろ。残るのは警察関係者のみだ。

湯沢:…わかった、2分待つ。さっさと出せ!

捜査員たちで無関係の人達を部屋の外に出し、刑事課に鍵をかける。

湯沢:全員床に座れ!

湯沢の指示通りに床に座る。

長い戦いの始まりだった…

つづく


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