事件です!EP1
全国約26万人の警察官は、日本の治安を日夜守っている。
しかし、その組織構造は酷く硬直化しており、厳格な縦割り社会となっている。
そんな警察組織を打ち破る、1人の男がいた。
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〇〇:本日から刑事課強行犯係配属になりました!小池〇〇と申します!よろしくお願いします!
この男、小池〇〇は今日から念願の刑事として働くことになった。
土生:よし、じゃあ〇〇くんはそこのデスクだからよろしくね?
土生課長が指さすデスクに座る。
〇〇:あっ、どうも!よろしくお願いします!
隣のデスクの刑事に声をかける。
土田:土田だ、よろしくな?
土生:土田さん、こないだの万引き事件の報告書と健康診断証明書、早く出してください。
土田:はいはい…
『警視庁より入電、櫻坂駅にて痴漢事件発生』
〇〇:事件すか!
土生:じゃあ小池君と土田さん、現場へ行ってください。
土田:おれ報告書書くからパス。
土生:じゃあ…小林さん暇でしょ?現場行って?
由依:はーい…
後ろにいた女性刑事が準備を始める。
〇〇:よろしくお願いします!
由依:よろしく。
1階に降り、警察署を出ると女性刑事はタクシーを呼び止める。
由依:早く乗らないと置いてくぞ〜?
〇〇は慌てて乗り込む。
由依:すいません、櫻坂駅まで。
運転手に伝えると、タクシーは出発する。
〇〇:パトカー使わないんですか?
由依:あんな手続きめんどくさいもの使わないわよ。所轄刑事はタクシー必須。
〇〇:なんだ…
由依:警察は所詮公務員。私は小林由依、よろしくね?
小林と名乗る女性刑事が、〇〇に名刺を渡す。
〇〇:警部補…でも若そうですけど…?
由依:あらありがとう。今年で25。
〇〇:俺なんか29でまだ巡査部長なのに…
由依:まあ、数年後にはもっと上になってるかもだから、よろしくね?
〇〇:はあ…
話しているうちにタクシーは駅に到着する。
由依:あっ、領収書お願いします。
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駅の事務室に入ると、被害者の女子高生と犯人のサラリーマンがいた。
由依:櫻坂警察署です、痴漢事件はこちらですか?
駅員:はい!
由依:私は女子高生の方に話聞くから、あんたはそっちの男をパトカーに連れて行って?
〇〇:はーい…ほら行くぞ?
連れていこうとしたその時、男がこちらに向かって殴りかかってくる。
〇〇:え?は、ちょ!
その時、すかさず小林刑事が出てきて男の腕を掴んでひねり手錠をかける。
由依:9時27分、公務執行妨害で現行犯逮捕ね。小池くん、パトカー連れてって。
〇〇:わ、わかりました!
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再び櫻坂警察署…
男:だってさ…目の前にJKのケツがあったからつい…
由依:そういうのはお店でやりなさい、全くもう…
男:お姉ちゃんのも触っちゃおうかなあ?
由依:触ったらあんたを現行犯で再逮捕するわよ?
男:すんません…
由依:じゃあ小池くん、報告書書いといて?
〇〇:え?俺っすか?
由依:私強行犯係じゃないもん。
〇〇:は、はあ…わかりました…
デスクに戻って書類を書き始める。
土田:大変だろ、刑事ってのは。ほら。
缶コーヒーを手渡しながら土田刑事が話しかける。
〇〇:なんか、地味っすね…
土田:所轄の仕事は所詮これよ。毎日書類書いて、出動して、また書類書いての繰り返し。
〇〇:そういえば、後ろの席の小林刑事って…何者なんですか?
土田:彼女はいわゆるキャリア組でね、官僚候補ってことだよ。
〇〇:あんな若いのに…俺より階級上なんすね。
土田:まあ、それが現実だ。
『警視庁より入電、管内アパートにて男性の刺殺体を発見』
〇〇:事件だ!行ってきます!
土田:ちょ!おい!
つづく
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