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事件です!EP20

パキューンッッッ!!!

発砲音が聞こえ地面に弾がのめり込む。

由依:動かないで、今度はあんたの頭撃ち抜くわよ?

拳銃を構えた小林刑事が待っていた。

〇〇:由依さーん!

男:お前から先に殺す…

男は拳銃を構えるとどこからか銃声が聞こえ、被疑者の拳銃が地面に落ちる。

男:誰だっ!?

土生:はーい、もう大人しくしなさーい。

〇〇:土生課長!?

土生:言っておくけどね、私警視庁射撃大会で殿堂入りしてるから。

男:てめえ!ぶっ殺してやる!

土田:ダメだよ君、これ回収。

土田刑事は腕をひねりあげ、拳銃を回収する。

土田:はい、銃刀法違反も追加ね?誰か時間とって。

由依:17時58分です。

土田:誘拐罪、銃刀法違反で現行犯逮捕ね。

土田刑事は被疑者に手錠をかけて連行した。

そして〇〇は倉庫内の小部屋に突入する。中には、ガムテープで身体を縛られた麗奈さんがいた。

〇〇:大丈夫ですか!

口元に張られたガムテープをゆっくり剥がす。

麗奈:…ありがとうございます…!ところであなたは誰ですか…?

〇〇:櫻坂署の小池です。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

すぐに捜査員がやってきて、被疑者は確保。麗奈さんも無事に保護された。

茜:麗奈!

駆けつけた守屋管理官は麗奈さんを抱きしめる。

〇〇:じゃ、こちらは失礼します。

茜:…ありがとう、感謝するわ。

守屋管理官は敬礼する。

〇〇も敬礼してから車に乗り込んだ。

理佐:無茶ばっかりして…

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2日後の署長室

菅井:土生課長、小池くん、小林さん、今すぐ本庁に行ってきなさい。

〇〇:な、なんでですか?

齋藤:誘拐事件の時、被疑者に向かって発砲したことが相当問題になってるみたいよ?

由依:あれは、被疑者確保のために行ったものですよ?

菅井:私も話したわ?でも、本庁は拳銃を使ったこと自体問題視してるの。

土生:…とにかく本庁に行きましょう。

〇〇:課長!それじゃまるで負けを認めるみたいじゃないですか!

土生:行かないともっと怒られるわよ?

3人は渋々本庁に向かった。

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本庁会議室

数人の刑事たち、そして渡邉管理官もいた。

刑事:君たちが呼び出されたのはなぜが分かるね?

〇〇:はい、拳銃の発砲の件ですよね?

刑事:昨今の警察というのは非常にデリケートでね?それは君たちもわかっているはずだろ?

土生:お言葉ですが、あれはあくまでも被疑者確保のために必要最低限の発砲をしただけです!

刑事:じゃあ君たち、発砲許可はちゃんと得たのかね?

由依:咄嗟のことで取れるわけないでしょ?

刑事:発砲許可のない発砲は、規定違反だ!

〇〇:誰も怪我してないし、いいじゃないですか?

刑事:そういう問題じゃない!現に今では、どんな理由だろうと発砲しただけで警察は叩かれるんだぞ?そんなこともわからんのかね?渡邉くんはどう思う?

理佐:捜査のためなら仕方ないと私は考えます。

刑事:君は何を言ってるんだ?そんなことを許してしまったら、このような馬鹿な捜査員たちが見境無しに拳銃を使用することになるんだぞ?

理佐:刑事ドラマじゃありません。彼らだって分別はつきます。

刑事:わかった…君たちの処分について、反省の色なしと言うことで、懲戒免職になりうる可能性が高い。そのことも視野に入れるように。

「待ってください!」

後ろの扉から、守屋管理官が入ってくる。

茜:彼らに処分は必要と感じますが、懲戒免職にはなりません。

刑事:君も何を言ってるんだね?このことは警察官服務規程マニュアル、拳銃発砲マニュアルにも書いてるんだぞ?

茜:ええ…確かに書いてありますが、意味を理解していますか?

刑事:何を言いたいんだ。マニュアルには、拳銃使用は想定外の危険を伴う可能性が高いため使用はできるだけ控え、さらに使用の際には、事前に発砲許可を署長経由で取るようにともある!

茜:その文にはこのような続きがあります。『周りに何も無く、他の者に危険を与える可能性が極めて低い場合、及び相手が拳銃で対抗してきた場合には、拳銃使用後に報告書の提出で許可を出したことと同じ扱いになる。』ってね?

理佐:状況は、倉庫内で捜査員と被疑者のみ。被疑者は拳銃で対抗しているので、この条件に当てはまります。

茜:もちろん事前に発砲許可を得なかった彼らにも責任はあります。しかし、懲戒免職を受けるほどのことはしていません。

刑事:君も、所轄を庇うのかね?

茜:彼らは、優秀な捜査員ですから。

刑事:…追って処分は通達する。解散だ。

刑事たちは部屋から出ていく。

〇〇:守屋管理官!ありがとうございます!

茜:勘違いしないで?私のせいでクビになったなんて騒がれたくないだけよ?

守屋管理官も部屋を出ていく。

〇〇:渡邉管理官も、ありがとうございました!

理佐:処分は私が決める。まあ、心配しないで?

〇〇:管理官!もっと偉くなって、俺たち所轄が捜査をしやすいようにしてください!

理佐:もちろん。

渡邉管理官は部屋を出ていった。

つづく








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