事件です!EP5
「この大バカっ!!!」
パチーンっ!
怒鳴り声と頭を叩く音が署内に響く。
由依:まあまあお母さん落ち着いて…
母:本当にうちのバカ息子がご迷惑を…
〇〇:いえいえ、これが仕事ですから!
母:万引きで捕まるなんて本当に情けない…
子供:ごめんなさい…
由依:もういいのよ?ただし、こんなことは絶対にしちゃダメよ?わかった?
子供:はい…
〇〇:お母さん、お店の方も今回は大事にしないということなので、ご安心ください。
母:本当にもう感謝してもしきれません…!
由依:じゃ、本日はこれで大丈夫ですよ?
母:ありがとうございます!ほら行くよ!全くこのバカ…
母親が息子を引き摺って帰っていく。
こないだ万引きした小学生の母親がやってきたのだ。
〇〇:やっぱりお母さんって強いですね笑
由依:まあ、ああいう方がこっちは安心するわね。
土田:おーい、お客さん来てるぞ。
土田刑事が、1人の若い女の子を連れてきた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
〇〇:ストーカー!?
やってきたのは中嶋優月さんという女子大生だ。
優月:2ヶ月前から、なんか帰り道をつけられたりしてる気がして…
土田:それで、今度は無言電話が一日に100件以上も来てるんだってさ。
由依:見せてくれる?
彼女はスマホの通話履歴を見せる。
履歴には公衆電話からの通知がびっしり刻まれていた。
〇〇:こりゃひでえな…
優月:お願いです!助けてください!でないと、私殺されてしまいます!
由依:落ち着いて、とりあえず被害届を出してもらって、こちらは見張りを強化しましょう。
土田:そうだな、じゃあちょっと待っててな。
土田刑事が書類を持ってくる。
〇〇:そういえば、犯人に心当たりは?
優月:ないんです…私の友人にそんなことをする人なんてとても…
〇〇:じゃあ誰が一体…
由依:面識はなくてもストーカーしてしまうことはあるわよ?
〇〇:そうっすかね?
由依:高校の頃、電車で名前も知らない可愛い子を見かけてつい追いかけたみたいなことしてなかった?
〇〇:高校はチャリ通です。
由依:知らないわよそんなの…じゃあ書類かけたなら、あなたのおうちに行ってもいいかしら?小池くん、車回してきて。
〇〇:はーい。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
車で優月さんの住んでいるアパートに着き、調査や防犯カメラの設置をする。
由依:この防犯カメラは、無線でうちの署と繋がってるから安心して?
優月:ありがとうございます!
〇〇:君、一人暮らしなの?
優月:はい、福岡から上京して1人で通ってます。
〇〇:へえ…ちなみに大学って?
優月:櫻坂大学です!
〇〇:めっちゃ頭いいじゃん、すげえな。
優月:えへへ///ありがとうございます///
由依:そこ、イチャイチャしないの。それで、優月さんのアパートの前に1台、それから通学路の周りに景観が張り込んでるから、何かあったら言ってね?
優月:はい!本当に感謝します!
〇〇:じゃ、早速張り込んできまーす。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日の夜…
〇〇:小林さん、交代でーす。後、差し入れのココア。
由依:ありがとう、気が利くわね。
〇〇:どうも、それ飲んだら署に戻らずに直帰していいって土生課長が言ってました。
由依:そう、じゃあ帰って溜まってた録画見ようかな…明日非番だし。
〇〇:じゃあ、お疲れ様です!
小林刑事は車から降りて歩いて駅まで向かう。
優月:あっ!小林さん!帰るんですか?
由依:まあね。あそこに小池くんいるから、なんか奢ってもらいな?
優月:はい、お疲れ様です!
優月さんとすれ違い、歩いていたその時だった。
きゃあああああああああああああ!!!!!!
悲鳴を聞いた小林刑事と〇〇はすぐさま向かう。
現場では男が優月さんに後ろから抱きつき、キスを迫っていた。
小林:こら!何してるの!
〇〇:櫻坂署だ!
同時に到着した2人に挟み撃ちになった男は、小林刑事の方に走る。
小林刑事はすかさず男に回し蹴りを食らわせた。
〇〇は優月さんの方に駆けつけ、怪我などがないか確認し、無線で応援を呼んだ。
こうして、ストーカー事件は幕を閉じたと思われたのだった。
つづく
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