事件です!EP3
それから2日後、殺人事件の重要な手掛かりは掴めておらず、捜査が行き詰まっていた。
刑事:一応可能性のある人物を全て調べましたが、犯行時刻にはアリバイがあり、犯人の可能性は低いと思われます。
理佐:わかった…
刑事:もう一度別角度から事件を洗い直してはいかがですか?
理佐:そうね、もう一度彼と関わりのありそうな人物を調べあげなさい。
一方その頃強行犯係
〇〇:なんで下着盗んじゃうの?
男:だってさあ…つい手が伸びちゃって…
〇〇:はあ…
男:そこに下着があるからだよ。
〇〇:この変態野郎が…
男:あっ!暴言だ暴言!
〇〇:小言だよ!小言!それに、パンツだろうとなんだろうと、これ窃盗!わかる?
男:すんません〜…
〇〇:全く…
土生:小池くーん、ちょっといい?
土生課長が入ってくる。
〇〇:なんですか?
土生:この人釈放、相手の人が被害届取り下げるって。
〇〇:分かりました。
土生:それと、その人送ったら渡邉管理官をお送りしてね?
〇〇:了解です。
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〇〇:事件の方、どうですか?
渡邉:本当におしゃべりね。
〇〇:おしゃべりで29年人生やらせていただいております。
渡邉:はあ…進展なし、捜査をもう一度洗い直すの。
〇〇:大変ですね、本当に。
渡邉:今更言ってられないわ。
渡邉管理官を警視庁に送り届け、署まで戻っていく。
〇〇:あれ?どうしたんだろあの人…
道ばたのベンチで項垂れているサラリーマンを見つけた。
〇〇:大丈夫ですか?
サラリーマンに声をかける。
会社員:あっ、大丈夫です…
〇〇:櫻坂署の者です、なんかあったのですか?
会社員:刑事さん?
〇〇:まあ…下っ端っすけど笑
車を止め、自販機で買ってきた缶コーヒーを渡す。
会社員:いいんですか?こんなことまで…
〇〇:いいのいいの、どうせちょっとサボりたかったし笑
会社員:ありがとうございます…なんか、俺らとあんまり変わらないですね。
〇〇:まあね、警官も所詮は公務員だから。
会社員:でも、刑事さんってかっこいいな。犯人とかかっこよく逮捕して、感謝されるんでしょ?
〇〇:そんなんじゃないですよ。逮捕とかも通報受けて現場から何事もなく連行するだけだし、感謝どころか書類たくさん書いて怒られますからね。
会社員:でも、社会の役にたってるじゃないですか。
〇〇:そっか…でも、世の中に役に立たない仕事をしてる人なんかいないですよ。
会社員:ありがとうございます…
〇〇:お兄さんの話も、少し聞かせてもらえませんか?
会社員:僕は…しがない営業マンですよ。でも、成績はいつもビリっケツで上司から怒られて、彼女もいないし…友達ともこないだトラブっちゃって…
〇〇:大変ですね…人間関係ってややこしいですから。
会社員:警察官もそうなんですか?
〇〇:警察って縦割り社会だから。上の命令聞いて俺はその通りに仕事するだけ。
会社員:でも、羨ましいな…ノルマもなさそうだし。
〇〇:警官になりなよ、まだ間に合うから。
腕時計を見ると、予定時間をとっくにすぎていた。
〇〇:やべ!じゃあお兄さん、元気だして!後、何かあったら連絡ちょうだい。飲みに誘ってくれてもいいからさ。
〇〇は名刺を渡すと、急いで署に戻った。
つづく
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