事件です!EP11
取調べが終わり、あとは調書を作って検察庁に送検するだけだ。
刑事:それで、自首した理由でひとつ気になることが。
茜:何かしら?
刑事:はい、ポストの中に脅迫状が入っていて、それに脅えて自首したと被疑者が供述しています。
茜:脅迫状…
〇〇:守屋管理官!郵便物を調べていたら、脅迫状が…
守屋管理官に出てきた脅迫状を差し出す。
茜:まあ…とりあえずこのまま送検しましょう。脅迫状のことは所轄の刑事さんたちにお任せしなさい。
〇〇:しかし、もしかしたら何か…!
茜:脅迫状1枚で本庁が動くわけないでしょ!そんなちっぽけな調査はあなた達の仕事でしょ?
〇〇:事件に大きいも小さいもありません!
茜:ちょっと!この刑事つまみ出して!
指示に従い、数人の刑事が〇〇を本部から追い出す。
〇〇:なんだよ…お高く止まりやがって…
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
土田:脅迫状か…
〇〇:送り主は被害者に相当親密な関係、ということは何かしら行動を起こす可能性が高いです。
由依:となると、被害者の人間関係を洗う必要があるわね。
〇〇:親密な関係と言うと…親族、または友人ということになりますね。
土田:被害者の家族構成は、母親を早くに亡くしていて、父親1人らしい。兄弟などもいない。
由依:やはり…父親ですか?
土田:だろうな…
〇〇:とりあえず、父親のところに行きましょうか。
土田:よし、向かうぞ。
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父親は都内の一軒家に一人暮らしをしている。
車で向かった〇〇と土田刑事は、インターホンを押す。
〇〇:天野さーん、こんにちは。櫻坂署の者です。
しかし、誰も出てこない。
〇〇:おかしいな…
土田:ガレージに車もないし、出かけてんじゃないのか?
〇〇:ですかね?
一旦署に戻ろうとしたその時だ。
男:天野さんならさっき車であっちの方に行ってましたよ?
〇〇:失礼ですかどちら様ですか?
男:隣の家の者だけど、刑事さんですよね?
土田:どこへ行ったか分かります?
男:さあ、でも顔がとても怖かったような…
〇〇:ありがとうございます!
車に乗りこみ、出発しようとした時無線から声が聞こえる。
由依『小池くん聴こえる?』
〇〇「由依さんどうしました?」
由依『さっき本庁の人が言ってたんだけど、3時に被疑者を送検するらしいわよ?』
〇〇「3時?」
時計を見ると、もう2時半を回っていた。
〇〇:やべ…!早く行かないと!
車を飛ばし、署に戻る。
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3時ちょうど、警察から検察庁へ被疑者を書類送検する。
身柄は本庁に送致されることになり、被疑者を車に乗せるため地下駐車場に向かう。
刑事数人が被疑者を取り囲み、車に乗せようとしたら時だ、背後から一人の男が近づいてくる。
刑事:危ないから離れてください。
男はナイフを取りだし、振り回した。
刑事:おいやめろ!
男は聞く耳を持たず、刑事たちは男を取り押さえようとする。
しかし、ナイフを持っているため迂闊に近づくことが出来ない。
〇〇:大人しくしろ!
〇〇は背後から腕を掴み、捻りあげる。
そしてそのまま手錠を掛けて身柄を確保した。
〇〇:間に合ってよかった…この男、うちの署で預かりますね。
刑事:ご苦労…
刑事達は被疑者を車に乗せ、本庁へと向かった。
つづく
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