講習 シンガーソングライター
各方面からの要望があり、一定期間構想を詰めていた「シンガーソングライター講習」を、山口で何回か行いました。
音楽のイベントなら、お客さんが少ないと、ちょっとガッカリしますが、ある程度間口の段階で専門性が絞られるイベントの場合は、受講者が少なければ少ないなりに、マンツーマンに近くなり、それなりに充実するという、不思議なメリットもあります。
最初の方は特に「作詞」がテーマですが、別に、それだけにこだわってるわけではありません。
また「作詞」とひとことで言っても、シンガーソングライターになりたい人だけに対するものではないのです。
逆に"シンガーソングライター"ってなことをやってる人間は、多かれ少なかれ、我が強くて自信家ですから、あらためて自分のやってることを、学んだり見直したりする気にはなりません。
けど、彼ら彼女らは、それでええんです。
空威張りでもせんと、なかなか、人前で自分が創った歌を、歌えるもんやありませんから。
それで若いうちは、勢いにまかせて、世の中を食ったつもりで……それでも、歳食って、じゅうぶんなオッさんやオバハンに発酵してもなお、それをやり続けるのは、もう「執念」でしかありません。
と、あの笹子重治さんが言うてました。
ただ、なぜシンガーソングライターが、誰でも、なんの資格もなしに、自己申請で、今日からでも即座に成れるかというと、「作詞」というものが、アカデミックの桶に、汲み上げられていないからなのです。
作曲は それこそ音大に行けば、ちゃんとした西洋の音楽理論や作曲法が学べます。
さらに、クラッシックやなくても、ジャズやロックなどを教える専門学校は、全国に多々あります。
アカデミック……つまり、学問的、学究的な体系が存在しない……というか、存在しないほうが良いのですが……それゆえに、作詞をして、しかも発表する行為は、誰にでも門戸が開かれているわけです。
昔は、医師でさえ資格なしに出来たわけですから。まあ、商売として成り立つかどうかは、口コミ、評判しかなく、今より厳しかったことが想像できますが……。
音楽なんて、医者よりももっと評価が難しいのです。
病気や痛みが、治る、治らないとゆうのは、めちゃわかりやすいですけど、
歌なんて、私からしたら……どうしようもない"カス"を、喜んでありがたがる人が世の中にはたくさん居るわけですから。
これはもう、病気や金儲けなんかと、歌や音楽は、まったく異次元のものだということ以外の、何ものでもありません。
シンガーソングライター講習では、その異次元のものを、あえて、学究的に探索していこうとするわけですから、その時点で、構造的な矛盾が生じ、シンガーソングライター向けではなくなるわけです。
音楽は、創らない、演奏もしない。けど聞くのは好き。
または、もっと歌を理解してうまく歌いたい。
そんなプロやアマチュア歌手。
ホントは、そんな人に、一番役に立つ企画なのかもしれません。
「シンガーソングライター講習」には、決して無理してくる必要はありません。たぶん、なんも得しません。
冒頭に述べたように、参加者が1人でもええんです。
しかして、
「創作活動における劇的なヒント」は、今現在、ニューヨークでも東京でもなく、たいがいは、山口にあるのです。
それが、この世界の面白さです。
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