見出し画像

今度おうたらしばいたらなあかん

 2018年4月下旬、関学高等部の同窓会に参加するために帰阪しました。

 この年齢にまでなるとなかなか経験できない、
♪  懐かしい〜  痛みだわ〜  

 座って食事をしている私の後ろから、後頭部を、かなりの力で"バシッ"とシバイた奴が居ります。

「なにすんねん?」と、振り返ったら、それは中学からサッカー部でずっと一緒だった、お猿によく似た落合の晋ちゃんでした。叩いたことなどなんも悪びれず、

「お前、今どこにおるねん?」

「山口やないかい」

「山口に、誰か他におるんか?」
 
「福住せんせ、近所やねん。あとラグビー部の牧。ところで最近クスノキにおうたか?」

「おう、ちょっと前に電話かかってきたで、なんかクスノキに用か?」

「いやな……あいつにラジオ番組のスポンサーになってもらおう思うてな」

「なんでや?  クスノキいま山口におるんか?」

「下関の百貨店におるらしいねん」

「ちょっと前は、たしか紳士服の部長かなんかやったぞ」

「今、下関の社長らしいねん」

「ほんで、会えたんか?」

「まだやねん。バタバタしててな、眼ぇ手術したりな…それで、アイツ中学部の時にだいぶ福住せんせに迷惑かけたやろ? せやから、福住せんせが、私一緒にクスノキくんのとこに行ってあげるよ、言うてくれてんねん」

「それめちゃオモロイやんけ、それより、電話したらええやん」

「わし、電話番号しらんもん」

「今、かけたるわ……おっ、呼び出し音は鳴ってるけど……でえへんなあ……」

「そら、相手社長やで、忙しいんやろ?」

「アホか? なにが忙しいねん、俺からの電話やぞ、ナメとるなあ……次おうたらシバイたらなあかん」

 あかん……完全に時が止まってます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?