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古河パビリオン

 エキスポ70。
 みどり館を見下ろすように、堂々とそびえる塔。
 その高さは86メートル。
 天平文化をイメージしていました。

 モデルは1200 年前の奈良の東大寺の大仏殿前に建てられた「七重の塔」でした。

 骨格は木造ではなく鉄ですが、原形を忠実に再現し、さらに、耐風や耐火、耐震性も考慮されていました。

 最低でも10 年はかかるといわれた七重の塔を、古河グループは当時最新のプレハブ工法により、わずか1年間で完成させたのです。

 テーマは「古代の夢と現代の夢」。といいながら、実質的には、中身はコンピュータ技術の紹介でした。
 つまり展示のほとんどがコンピュータの様々な「芸」の実演だったのです。

 たとえば「コンピューター・ハンド・ゲーム」
「電車の運転シミュレーション」
「人間とコンピューターの囲碁や将棋の対局」
「コンピューター・ドレス・デザイナー 」等々。

 さらに「キャッシュレス・ショッピング 」や、声紋を判別して、買物や旅行が可能なキャッシュレス時代の到来などを、予想・紹介していました。

 また、第 3 室の、「コンピューター・ミュージカル・ホール」では、コンピューターによる即興音楽会が行われ、観客が叩くチャイムの音だけで自動的に変奏曲を作り、それを2 台のエレクトーンが自動演奏しました。

 オマケで5 台のテレビ電話が場内案内や天気予報などのサービスを行なって、近未来を提示していたのでした。

 なんだか、いろいろ、旧時代からの変換期をリアルに感じさせてくれます。 

 いい感じです。

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