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同窓生の余韻
関西からの客人が帰った途端に、一気に襲ってきた寂しさに、17年間のパチプロ人生から足を洗ったばかりの弟子が、思わず落としたひとしずく。
顔に似合わない、実に豊かな感受性の青年は、レトリックではなく、ホントにハンカチで目尻を拭うのでした。
「久保せんせとは、こう言ったら悪いけど、いつでも会えるじゃないですか……でもあの人らには、めったなことでは会えんじゃないですか? そんな度々神戸に行くことも出来んし……女の人ならわかるんですよ……あ〜もっと一緒に居たいなぁ〜みたいな……でも、男、2人ですよ……」
「男な上に、あの2人はコテコテのオッさんやもんな……泥臭いし、油っこいし」
「ボク、なんだか胸が痛くてですね……こんな寂しい思いになったのは、ホントに久しぶりです」
「よかったな……だんだん人間性を取り戻してきた証拠やな……ちょっと取り戻し過ぎやけどな……」
客人が去ったあとの食卓には、スーパーで売れ残った半額の寿司が並びました。
「それにしても、ホンマにうまない寿司やなぁ……飯、パシパシやんけ!」
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