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好きを追求するしかない

2020年12月2日の夜の9時半

僕は子供を寝かしつけしながら

耳にイヤホンを指し、

スマホでGyaOのM-1グランプリ決勝進出者発表を聴いていた。

画面は蓋をして光は漏れないように。

マヂカルラブリー、錦鯉、オズワルド、東京ホテイソン、

僕の好きな芸人の名前が次々と呼ばれ

嬉しい!嬉しい!となる中、

準決勝の配信を見て、

「これは、いっただろ!」

と思ったあのコンビの名前が全然呼ばれない

嘘だろ・・・?あの出来でいけないのか!?

もう8組目。

最後、9組目はコウテイだと思った

コウテイは練習量が見て取れる動きのキレ、若さ、勢い、頭のおかしさ
今、吉本が激推ししてる芸人だ。

吉本以外の他事務所の芸人が、すでに2組入ってる。

M-1決勝で他事務所3組は聞いたことがない。

9割9分諦めてた

「エントリーナンバー3743、ウエストランド!」

きたあ!!!!きたあ!!!!

僕は布団の中で思いっきりガッツポーズをした!

胸がドキドキした

涙が出てきた。

やっとウエストランドが決勝に行ったんだと。

僕がウエストランドのぶちラジを聴き始めたのは5年くらい前だと思う。

ハッキリ覚えてないけど、

カーボーイのゲストに来てて宣伝したからだったか
誰かにオススメされたからだったか
ポッドキャストで探し出し、

聴いてみた。

ハマった。面白い!ポッドキャストにあったぶちラジ全部聴いた。

卑屈で他人の悪口ばっかり喋ってる井口さんと
なんも考えずにたまにボケる河本さん

とてもいいコンビに見えた。

井口さんは河本さんをなんにもできないと何度もぶちラジで言ってきたが
ぶちラジの河本さんは本当に面白い
ぶちラジだとリラックスしてるから良いんだと言っていた。

他になると緊張して全然ダメになる。

それでも賞レースでは結構いいところまでは行く。

何度もいい所まで、行く。

そして何度も表舞台に立てないまま負けていった。

M-1グランプリ、R-1グランプリ、ラフターナイトの年間チャンピオン大会、オールナイトニッポン0のパーソナリティーオーディション

全部いいところまで行って

全部負けて、全部ぶちラジで叫ぶ井口さんを聴いてきた。

ウエストランドの漫才の動画を何度か見るチャンスがあったが、河本さんが話のキッカケは作るが
後はほぼ井口さんが妬み嫉みを言い続ける漫才。

面白いが、1人が叫んでるだけで、2人の掛け合いにはあまり見えないのが、審査員には不評なのか
このスタイルで競技漫才であるM-1グランプリでは勝てないのかな・・・と僕個人は思った。

掛け合いにしたくても河本さんはポンコツ。

そんな急に喋れるようになるわけない。

M-1グランプリも去年は準決勝にも行けなかった。

井口さんピンの仕事も増えた。河本さんもアルバイトを再開した。

ジグザグジギー池田さん、ルシファー吉岡さん、井口さんの3人でGERA放送局でやっている
『ゲラステ』も始まり、井口さんはそちらの方が生き生きしてるように聴こえた。

河本さんも建築現場のアルバイトでかなり頼りにされているらしく、芸人よりもそっちの方が合っているようだ。

ウエストランドはこのまま・・・勝手にそんなことを思ってしまった。

2020年11月

M-1グランプリ準決勝進出者が発表された

ウエストランドの名前があった。

びっくりした。きっとあの漫才スタイルは変えてないはずだ。
それでも名のある芸人、第7世代を押し退けて25組に入った。
どんな魔法を使ったんだ?

12月2日。

僕は配信チケットを買ってM-1グランプリ準決勝を見ることにした。
1番の理由はウエストランドを早く見たかった
2回戦の動画を見ても、過去の大会との違いが分からない
出順はAブロック4番目
去年はAブロックから決勝進出者はいないが
ウエストランドには早めの出番が似合う。
M-1敗者復活、ラフターナイトチャンピオン大会、
ウエストランドはことごとく最悪と言われる1番だったが、しっかり笑いを生んできた。
むしろ好順番だと思った。

前の金属バットの出番が終わり(金属バットもすごく好きだし、面白かった~)

ウエストランドが出てきた

ウエストランドが漫才をする

すごい

ネタについてはネタバレ禁止なので何も言えないが
すごく面白い

でも目がいったのは、そこじゃない。

2019年のM-1グランプリ。

僕は大好きで何回も見てきたが、
気になった言葉がある。

見取り図の漫才の後の審査員講評で、
塙さんが言った

漫才中の手の動きについてだ

手が無駄に動きすぎて漫才が散漫になるという感じのことを仰っていた。

ウエストランドの前の金属バットもすごく面白かったが
小林さんの手が置き所がないかのようにブラブラ動いてしまって
僕はそこに目がいってしまった。

ウエストランドの準決勝。

ウエストランドの2人の手は、
しゃべりと一緒にビシッ、ビシッと動き
相手の話を聞く時は無駄に動かさない

河本さんも喋る時は手がお客さんの方に動き

井口さんが喋ってる時は手を股間の前辺りで重ね、じっと動かない

ウエストランドの漫才は、いつも通り井口さんが9割9分喋っていたが、河本さんの話を聞く姿勢のしっかりさで
ちゃんと2人がしっかりと会話をしているように見えた。

完成されている。

そう思った。

昨日のむかいの喋り方(CBCラジオ)で向井さんが、つんくさんのnoteで見た
「僕は凡人。凡人は好きを追求していくしかない。」
という話をしていた。

ウエストランドが漫才を始めて、たどり着いた井口さんが妬み嫉みを喋りまくるスタイル。

好きな自分たちの漫才で結果がでなくても、
限界だと思わず追求していった結果

今回の初決勝進出に繋がったのかなと

好きを追求していくしかないという言葉を聴いた時に思った。

結果発表

ウエストランドの名前が呼ばれた時、

どの芸人の時よりも、
わっ!!と、どよめきが起こった。

東京ホテイソンは自分たちの名前が呼ばれた時よりも喜んでいた。
三四郎も準々決勝で敗退した時に
「あとはウエストランドに託す」
と名前をあげていた。

実力があって、努力して、でも女にもモテず、
何度も報われなかった姿を東京中の芸人が知ってるからこそ、みんなに愛されているウエストランド

今年の初め頃のぶちラジで河本さんが
「もう、しょうがないから売れちゃう?」
と言って笑ってた。

あの時はボケだと思って笑ってたけど

現実になるのが目の前まで来ている。

好きを追求したからこそここまでこれたんだと思う。

僕はいつも飽きっぽくて、
すぐ飽きたり、諦めてきた。

漫画家、プロレスラー、小説家、劇団員。
なりたいものは沢山あったけど現実を目の当たりにして諦めてきた。

趣味だって阪神ファンから日ハムファン、プロレス、ニコニコ動画、アニメ、みんな3から5年で飽きてしまってる。

今はベイスターズとラジオ。

飽きっぽい僕にしては、どちらも長く続いている趣味になった。

特にラジオ。8年飽きてない。

僕もこれからラジオについてもっと追求してみようかな?
ウエストランドのおかげでそう思えた。

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