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『剃る』為の刃の角度②

前のエントリーでは『毛に対する刃の進入角度』を書きましたが、
カミソリにはもう一つ大事な角度が存在します。

それは刃先の角度です。

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刃物は刃先の角度が小さいほど抵抗が少なく対象に対して『食い込み易い』ので柔らかいモノはすんなり切れます、でも刃自体の強度は弱くなるので硬いモノは切り難くくなります。

反対に刃先の角度が大きくなると抵抗が増し対象に対して『食い込み難い』ので柔らかいモノは切れ難くなります、でも刃自体の強度は増すので硬いモノが切れる様になります。

わかりやすい所で言うと、出刃包丁のような骨まで切る用途の刃物は刃先の角度は概ね40度くらいあるのです。

それに比べるとカミソリはそこまでの強度は必要はないですね。
しかし体毛には産毛の様な柔らかい毛もあれば髭とかアンダーヘアの様な硬い毛もありますので刃先の角度はどうなっているのでしょう?

実際のカミソリは概ね20度程度に調整されています。
なぜ20度程度なのでしょう?
本当は『産毛用13度』『アンダーヘア用28度』とかあるのを平均とって20度にしたのでしょうか?

違うのです。
実は『20度程度』であれば硬い毛に十分対応ができる強度を持っていて、その上技術を駆使するとそれよりも鋭角として使う事が出来るのです。

刃の角度が変わる機構がついてる訳ではありません。

刃を斜めに使うと刃先の角度が鋭角になるのです。

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上図の基準ラインで比較すると刃を斜めに運行をする事で本来の角度(20度)よりも鋭角にする事ができます。

上図の調子でカミソリの運行方向と刃線(刃渡り)が限りなく一致(≒0度)すると、いわゆる引切りと言うことになります。

※実際にはカミソリを斜めにして直線上に動かす事はしません。

なぜならそれは刃線の長い刺身包丁でお刺身切ってるイメージです。
よく切れそうでしょ?…お肌が。Σ(;゜Д゚)ギャアァァアァアアッ!!!

実際のシェービングでカミソリの鋭角を使いたい場合はお肌を切らない為に斜め運行というカミソリ本体を大きな円弧を描く様に使用します。
この辺りについては今後基本解説としてお肌の話をして、それを踏まえた上でテクニックの話でいずれ詳しく解説したいと思います。

で。

今回のまとめとしては刃先の角度を意識した上でカミソリの運行をする事で毛質や肌質に適した『剃る』をする事が出来ると言うことを覚えておいて頂ければと思います。

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