Recレンジへの対応(プリフロ)
GTOレンジが抱える問題
MonkerSolverなどで計算されたプリフロップレンジ(GTOレンジ)はポーカー(簡略化された)の均衡なので、自分以外のプレイヤー全員が同じGTOレンジ通りにプレイするならば、均衡の定義により自分も同じGTOレンジに従うことで自身のEVが最大化されることが保証されます
しかし、現実的にはテーブルのプレイヤー全員が同じGTOレンジ通りにプレイすることは稀であり、GTOレンジ以外のレンジでプレイすることでGTOレンジ通りにプレイした場合よりもEVが高くなる可能性があります
データから現実のプレイヤーのプリフロップレンジを推定し、それに対してGTOレンジよりもEVが高くなるようなレンジを構築することがこの記事のテーマです
分析方法
Recプレイヤー = 総ハンド数が1000以下
と定義し、Hand2Noteを使い25〜50zで集めたデータからRecの3betと4betを推定し、それに対する対応をPiosolver edgeで計算しました
分析結果
分析結果から次のようなヒューリスティックが得られました
(根拠となるデータは分析結果の詳細に載せています)
Recの3betに対してはAA,KK,AKs,AKoの一部をバリュー、Axs,Kxsの一部をブラフとした4betを行い、5betが返ってきた場合はバリュー部分全てでコールする
Recの4betに対してはAA,KK,AKsとAKoの一部で5betを返し、コールレンジは作らない
※カウンターを受けると大きなEVロスが発生すると思われるので相手をよく見ながら使ってください
分析方法の詳細
Piosolverの設定
対Rec3bet
GTOwizardレンジ(50nl,open2.5,simple)の2.5BB2betに対し、7.5BB(BB3betの場合は10BB)の3BetがされHUになった状況を起点としています
size: 4bet 21BB(BB3betの場合は25BB) 5bet AI
subset: 184Flop
Rake設定: 5% 4BBcap
精度: 0.3%
対Rec4bet
同じくGTOwizardレンジの7.5BB(SB3betの場合は12BB)3Betに対し、25BB(SB3betの場合は30BB)の4BetがされHUになった状況を起点としています
size: 5bet AI
subset: 184Flop
Rake設定: 5% 4BBcap
精度: 0.1%
2betレンジにGTOwizardを使っている理由
相手の3betレンジが想定できている状況では2betレンジもGTOレンジから変化させることでEVを向上できると思われますが、筆者にプレイヤーが3人以上存在する状況の戦略を計算できる環境がないので、今回の分析では2betレンジにGTOwizardレンジを用いています
(対4betの計算にGTO3betレンジを用いてるのも同様の理由です)
Recレンジの設定
MDAから推定したRecレンジです(推定方法の詳細は伏せさせてください)
vsBTN BB3bet
vsUTG BB3bet
vsCO BTN3bet
vsUTG BTN3bet
vsBTN CO4bet
vsBTN UTG4bet
vsSB BTN4bet
vsSB UTG4bet
分析結果の詳細
計算されたRecレンジに対するディフェンスレンジです
BTN vsBB3bet(10BB)
UTG vsBB3bet(10BB)
CO vsBTN3bet(7.5BB)
UTG vsBTN3bet(7.5BB)
BTN vsCO4bet(25BB)
BTN vsUTG4bet(25BB)
SB vsBTN4bet(30BB)
SB vsUTG4bet(30BB)
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