3betpotにおけるBBとSBのFlopCB戦略の違い
はじめに
この記事は3betpotにおけるBBとSBのFlopCB戦略の違いについてまとめたものです
BBとSBではプリフロの3betレンジが大きく異なることは当然知っていましたが、それによってFlopCB戦略にどのような差が生じるのかについて分かっていなかったので、それを調べるためにこの記事を書きました
使用したデータ
BBvsBTN,SBvsBTNの3betpotを1755Flopで集合分析して得られたデータを使用しています、詳細な設定は以下の通りです
プリフロレンジ: GTOwizard 2.5open simple
サイズ設定: F25,50 T25,50 R20,50,allin
スタック設定: 100BB
精度: 0.1%
BBとSBの違い
プロフロの違い
先ずはプリフロレンジの違いについて再確認します
SBは強いハンドで3bet、それ以外はfoldという分かりやすいレンジを作っています
BBはTT以上の強さのハンドは純粋3betになっていますが、BTNのopenに対して抵抗するハンドの多くはraiseとcallの混合戦略となっており、その結果BBの3betレンジにはSBの3betレンジにはない弱いハンドが含まれています
BTN側のcallレンジについては対BB側の方がAxsとkxsのレンジが広くなっています
EQの違い
下記の表はボードの特徴毎にOOP側のEQとbet頻度の平均値を集計したものです
どのハイカードでもBBのレンジEQがSBの場合よりも低いことが分かります
特にAhighボードでその差が大きいです
bet頻度についてもAhighボードとKhighボードで差が大きいことが分かります
一方で9high以下のボードではEQとbet頻度の差は小さいです
ボードタイプ毎の戦略の違い
ボードタイプ毎の戦略の平均値を可視化したグラフを使って戦略の違いを確認していきます
A highボード
Pairボード
BBとBTNのレンジは拮抗しておりCheck頻度は50%を超え、TPGK(キッカーがJ以上)と3cardをバリューレンジとしたポラーな50%betレンジを構築している
対して、SBはMP以上のハンドの保有率でBTNに対して大きな差があり、非ポラーな25%betを高頻度で行う
Monotoneボード
BB,SB共にBTNとレンジが拮抗しており同程度のcheck頻度を持つがBBの方が50%bet頻度が高く、これはBBとBTNのフラッシュ保有率の差がSBのそれと比べて小さいことに起因してると思われる
Towtoneボード(ミドルカードがT以上)
BBはTPGKと2Pをバリューとしたポラーな50%betレンジを構築する
SBもポラーな50%betレンジを構築するが、同時に非ポラーな25%betレンジも構築する、これはSBレンジのThit以上のハンド割合がBBよりも高いのでBTNレンジのポケットを非ポラーな25%betでもindifferentにできるからと考えられる
BB,SB共に3cardは高頻度でCheckされる
Towtoneボード(ミドルカードが9以下)
BB,SB共にBTNとレンジが拮抗し、高頻度でCheckされる
TPGKとFDは他の役よりbet頻度が高い
Rainbowボード(ミドルカードがT以上)
Towtoneボードとほぼ同じ特徴
Rainbowボード(ミドルカードが9以下)
BBはTwotoneボードとほぼ同じだが、SBは非ポラーな25%betレンジを構築している
K highボード
Pairボード
BB,SB共にTP以上のハンド割合がBTNよりも高く、50%betを高頻度で行う
フルハウス以上のハンドは25%betの頻度が高い
Monotoneボード
BB,SB共に非ポラーな25%betを行う、SBの方が頻度が高い
Twotoneボード(ミドルカードがT以上)
BBはSBと比較してbet頻度が低い、これはBBレンジの役なしハンドの割合がSBよりも高いことが原因として考えられる
Twotoneボード(ミドルカードが9以下)
KhighボードはAhighボードと違いミドルカードが小さくてもOOP側のレンジEQがBTNより高く、bet頻度が高い
TPGKとAAは50%bet頻度が高く、3cardは25%bet頻度が高い
Rainbowボード(ミドルカードがT以上)
BB,SB共にTPGK,AA,2Pの50%bet頻度が高い、SBレンジの方がこれらのハンドの割合が高いのでブラフレンジの50%bet頻度がBBと比較して高くなっています
ストレートと3cardは25%bet頻度が高い
Rainbowボード(ミドルカードが9以下)
BB,SB共に50%のrangebetで問題ないと思われます
Q-T highボード
Pariボード
BB,SB共に25%betの頻度は低い、フルハウス以上はCheck頻度が高い
Monotoneボード
BBは非ポラーな25%betを行うが、役もドローもないハンドは他と比べてbet頻度が低い
SBは25%rangbetをしても問題ないと思われる
Twotoneボード
SB,BB共に25%betはほぼ使われない、TPGK,OP,FDは他よりbet頻度が高い
Rainbowボード
Twotoneボードとほぼ同じ
9-2 highボード
ハイカードが9以下の場合、BBとSBの戦略差は小さい
Pairボード
BBはフルハウス以上のハンドのチェック頻度が高い
Monotoneボード
どちらもrangecheckして問題ないと思われる
Twotoneボード
特に戦略に違いはない
OPを主なバリューとして50%betレンジを作るが、OPも50%以上checkされる
FDは他の役なしと比べるとbet頻度が高い
Rainbowボード
Twotoneとほぼ同じ
まとめ
基本的にBBはBTNに対するレンジEQがSBよりも低い
特にAhighボードにおいてBBとSBのEQ差が大きく、それに伴ってそれぞれのFlopCB戦略の差も大きい
一方でQhigh以下のボードにおいてはFlopCBの戦略の差は小さい
AhighボードにおけるBBとSBの戦略の特徴を(無理やり)一言で表すと以下の通り
BB: 50%のポラーbet
SB: 25%の非ポラーbet
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